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Michael Pitきまぐれ短信
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04-05ロンドン日記(4/4) -2005年3月-

2005.4.3(日)
イギリスから帰ってきました。
帰ってきて、一番食べたかったのはラーメンです。
昨日も今日も地元のラーメン屋で400円ほどのラーメンを食べました。
おいしい〜・・・だってロンドンはラーメンが1300円ほどもするのです。
いくら食べたくてもこの値段では食べる気にならない。
それで中国製の烏龍カップラーメンで我慢していたものです。
(結構おいしかったですけど・・。なお、ウーロン茶のカップラーメンではありません。)

人にぶつかったとき、つい「SORRY」と言ってしまいそうで、
まだ時差ぼけの直らないこの頃です。


あ、納豆も食べたい…


2005.3.29(火)
ロンドン滞在最後の日になりました。朝から荷物の整理やおみやげの買出しなど忙しくやりくりし、ホームステイ先のエリザベスと隣のメガンに花束と自分で書いた絵を送りました。それからお世話になったクイックシルバーシアターに挨拶に行き、紅茶とシュガーをプレゼントして再会の約束とともにお別れしました。

その後は劇団円の小森さん、小森さんのお友達とお芝居を観て、ちょうど今ロンドンにいらしている演劇評論家のMさんと合流し中華街でたのしく食事会をしました。老酒を飲みながら「ああ・・もう明日は飛行機に乗るだけなんだ・・」とみょうにジーンと感じてしまったものです。でも思うのです。このイギリス滞在は確実に私を成長させてくれたと・・・

そして今はロンドン(イギリス)と良いお友達になった気がしているほどです。


2005.3.24(木)
2週間も前からリハーサルを見学していた "Midnight” の初日がベイジンストックで開きました。Jacqueline Wilson 原作の芝居です。

見学し始めた頃は妖精の世界と日常の世界がこんがらがってまだうまく創造出来ていませんでした。しかし、劇場入りしてからのリハーサルではどんどんお芝居の世界が広がっていきました。パぺットをつかう俳優は日本の黒子の衣装を着ていて文楽のようだし、ラストの場面ではお月様が降りてきておまけに「ボーン・ボーン・・・・・・」と鐘の音が鳴り、まるで除夜の鐘のようでまったく日本的なお芝居になりました。演出家の Vicky Ireland はそれほど日本を意識したわけではなさそうですが、妖精の世界と水墨画的な日本の風景はどことなく似ているのかもしれません。

俳優は観客が入ると本当に変わるものですね!テンポもリズムも良くなり確実に上達が見えた舞台でした。子ども達もすごい集中でよろこんでお芝居を観ていました。また、なんと、うれしいことに作者の Jacqueline Wilson がいらしていて少しだけお話しできたのです!パンフレットにサインもしていただきもう最高でした!やはりここはロンドンなんだ!こんな風に作者と会えて、お話ができるなんて・・・そして演出家、俳優達、舞台監督、製作者、その他の舞台関係のみなさんにたくさんのやさしさと友情をもらった3日間でした。ありがとう!


2005.3.18(金)
ここ2、3日でロンドンはすっかり春を迎えました。

あと2週間ほどで研修期間も終わりになります。今日はロンドンでお世話になった方たちに送るカードを作成しました。エリザベスガーデンに咲く春の花を描き、色を塗り黒色で「感謝」「花の春」と書き、赤色で「恵」とサインを入れると、大嶋流日本画の出来あがりです。

庭でエリザベスさんと紅茶を飲みながらいろいろお話しました。黄色い花は「Daffodil」、5月は花がたくさん咲いてとても美しい、夏は庭でモーニングをたべるんだよ・・・はじめここにきた時はこんなゆったりした気持ちでエリザベスさんとお話できるようになるなんて考えてもいませんでした。時間は確実に大切なものを人に与えてくれるのだと思います。


2005.3.9(水)
2年前、今回の研修の準備のために訪英したことがありました。以前から滞在していた先輩に連れられてミドルセックス大学というところに行った折り、ドラマ教師になろうと勉強していたヘレンという学生と知り合いました。自宅にもおじゃまして食事しながら演劇についてなんとかあれこれ会話したのでした。

今日は朝からドラマの授業を見せてもらいにセカンダリースクールに行きました。そこで偶然にもそのヘレンに再会したのです。「どこかで見たことがある」としばらく相手の名前を確認するまで待っていましたが、「ヘレン」という名前を聞いたとたん私はもう彼女の前に駆け出していました。二人で抱き合い(これはイギリスの典型的な挨拶の仕方です)再会を喜びました。

暗幕を引いた教室で照明が当たる中、ヘレンともう一人のドラマ教師研修中の学生の台詞なし芝居がいきなり始まります。ヘレンが言います。「Gesture ・身振り」「Emotion・感情」「Movement・動き」「Speak・話」で台詞はなくてもドラマは創れる。この4つのセンテンスをつかって10分で生徒たちは台詞のないドラマを見事に作り上げました。照明が入った中で俳優のようにドラマを演じられることは生徒にとっても創造的でおもしろい経験だったことでしょう。2年前に出会ったとき、ヘレンはすばらしいドラマ教師になるに違いないと思いましたが、まさにそのとおり素敵な教師になっていました。その授業を見られたことは忘れられない出来事になりそうです。


2005.3.6(日)
春らしい日曜の朝。いつものように12時からアレキサンダーのレッスン。今日は呼吸とアレキサンダーの関係を試してみました。

まず、朗読を先生の前でしました。その後うつぶせになって左足をカエルの足のようにして自分の呼吸をさまざまなところで感じていきます。そして息を吸ったときはハンカチがしぼんでいくのを、吐いたときはハンカチがフワーッとひろがっていくのをイメージして、呼吸に集中してみる。それから吐くときにかるく「ハァ・・」という音を出して、でも音を出すことで緊張が走らないことを意識して深呼吸をくりかえす。このとき額、首を楽にすると良いそうです。

続いて椅子に座り、この呼吸法をしばらく繰り返してから台詞を少し口にしてみると、声の響きが深く落ちていることに気づきます。また、腰のあたりを意識して、その意識が自分の背後、身体の両側、部屋全体にも感じるようにして、”思わず声を出す”ように台詞をしゃべると、さらに声が落ち、艶さえ感じる響きとなって伝わってきました。これは大きな発見です。このように自分の身体や呼吸を感じるだけで声が体の芯から出てくるようになるのですね。レッスンではしばらくこの呼吸とアレキの関係を探っていくようです。おもしろい・・・

帰りに Wembley Park でストリートマーケットを見つけたので寄ってみました。そこでヘアクリームに石鹸、リユックサックを買いました。リユックサックは5ポンドの値段がついてましたが私が渋っていると4ポンドにしてあげる・・といってくれたので買ったのです。ホットドックをほおばりながら日曜日の午後をぶらぶらとストリートマーケットで過ごす。これもまたロンドンの一つの風景です。


2005.3.4(金)
今朝は8時前から雪が降り始め5分と経たないうちに、外は雪化粧のロンドンでした。

クイックシルバーシアターで Teddy In His Rucksack のリハーサルに参加しました。今日はじめて台本(これからまた作り変わっていくだろう)をもらったので、これからお勉強をかねて読んでいきます。なにせ内容がわからないと何をやっているのかさっぱりわかりませんから・・・。

本日は舞台装置を担当している Visual Artist の Dilwara というひとが来ていました。彼女はバングラデシュ人。今回クイックシルバーとは初めてお仕事をするそうです。俳優であるGuyと舞台装置の配置について熱心に話し合いをしながら、リハーサルは続けられました。仕事が終わって帰る道すがら Dilwara と一緒でしたが、彼女は私の言葉に良く耳を傾けてくれたので会話がはずみ、楽しかったです。来週は中華を食べにいく約束をしました。こんな時間もまた大切ですね。
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