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西川信廣さん(演出家・文学座)
リチャード三世を語る 7月4日(金)名演事務所

西川信廣さんプロフィール

 1948年東京生まれ。1986年から文化庁在外研究員として渡英。ナショナル・シアター等でピーター・ホールらの演出助手をつとめる。文学座での演出の他、外部での演出も多数。
 名演でも多くの作品が例会になっている、最近の名演での演出作品は6月例会『NEWS NEWS-テレビは何を伝えたか』。昨年9月例会『夜の来訪者』。2001年11月例会『崩れた石垣、のぼる鮭たち』、2000年6月例会『わがババわがママ奮斗記』、1999年9月例会『北の阿修羅は生きているか』、4月例会『小さき神の作りし子ら』がある。


お話のメモより

・いまシェイクスピアの作品を上演することは
1 どういう演出をするのかが問われる
2 どんな俳優がどんなふうに演じるのかが大きな興味の中心になる。

・シェイクスピアを何の切り口もなくそのままやることはほとんどない。

 演出家の作品に対する切り口が今の時代を投影しているとか、ある時代の人間から現代に生きる人間を照射することが色濃く見えてこないと面白くない
演出家のその作品に対する時代をどう切り取るのか
どの時代をどうみるのか見えてこないと面白くない。

・文学座は1939年の『ロミオとジュリエット』が最初のシェイクスピア作品。
戦後は芥川比呂志の伝説的な『ハムレット』。その他に出口典雄演出の『十二夜』、木村光一演出の『ロミオとジュリエット』、(この時の太地喜和子のジュリエットの演技は衝撃的だった)などがある。
 江守徹さんは『ハムレット』を出口典雄・木村光一演出で演じ、1981年は自身でも演出、西川さんはその時準座員になったばかりだが、江守さんの演出助手をした。
 文学座は1990年の『十二夜』(鵜山仁演出)を最後にシェイクスピア作品は上演していない、今回久々の上演となる。
 
 演出家のレオン・ルービンが今回の作品について大まかなプランを出している。

一つは
設定をロシアとおぼしき北国にする。
またはアジアで独裁者がいる国、またはかつていた国。
ただ舞台を全面に置き換えるのでなく、そういったことも加味したい。

もう一つは
幕開きは華やかでカラフルなものにしたい。(衣裳や装置)その後リチャードが力を伸ばしていくと共に、どんどん暗くなりモノトーンになっていくイメージにしたい。

・翻訳については、最初は新訳を考えていたが、主演の江守さんと話し合い、俳優として一番セリフとして話しやすい、坪内逍遙訳でやることになった。演出家からは、日本人が聞いてわかりにくい、耳障りが悪い、古めかしすぎるのはのは避けて欲しい。という要望があったので、難解な文語調のセリフにはならないようにする。

・演出家のレオン・ルービンはイギリス人。ロイヤルシェイクスピアカンパニーで演出に本格的に携わった後、史上最年少のブリストル・オールドヴィックの芸術監督に就任。シェイクスピア研究者としても知られており、大学教授でもある。現在はカナダで主に仕事をしており、日本でもワークショップ等をやっている。(名古屋・名演会館でも行った)。
 江守徹とは過去に2本芝居を創っており、今回は3回目の出会い。今回も作品解釈について意見交換をし、お互いの信頼は厚い。

・作品・演出家・出演者それぞれ魅力があり、かなり面白い作品に仕上がると思うので大いに期待してください。


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