トップ＞過去の上演作品＞2001年上演作品＞崩れた石垣、のぼる鮭たち
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11月13日（火）６時30分
14日（水）１時30分・６時30分
それでも鮭は川をのぼる 土田英生
私が小学生だった頃、近所の盆踊りで流れていた歌詞は
「二一世紀の夜明けは近い、云々……」という内容だった。
21世紀は夢の時代。もはやそれは懐かしい未来像になってしまった。
現在私たちはどっちを向いていいのか分らない所に立っている。
時代が悪いとか世の中がどうこうという問題ではなく、怖いのはただ一つ。先が見えないということだ。
物語が描けないということだ。
鮭は産卵の為に川をのぼる。さて私たちは……。
上流に果たして何があるのかは分らない。
必死で泳げばいいのかどうかも分らない。
しかしそれでも泳ぐしかないのだ。
「崩れた石垣、のぼる鮭たち」はまさにそういう話です。
土田英生（つちだひでお）
MONO代表。1967年愛知県生まれ。
立命館大学入学と同時に「立命芸術劇場」に入り演劇を始める。
89年、MONOの前身となる「Ｂ級プラクティス」を結成。
90年以降全作品の作・演出を手がける。
作品は98年より３年連続で岸田國士戯曲賞最終候補となり、
「その鉄塔に男たちはいるという」で第６回OMS戯曲賞大賞受賞（99年）。
また劇団「M・O・P」や「青年座」、
パルコプロデュース（「ボーイズ・タイム」演出／宮本亜門）などに
新作を提供するなど、その才能が各界から注目されている。
時代はこれからずっと先のいつか。秋。三年間雨が降り続いている。都会に隣接する小さな町。小高い丘にプラモデルのようなお城が建っている。舞台はその丘と川を挟んで建つ小料理屋。
元中学教師の井戸郁男は、今は息子隆が経営するこの小料理屋の従業員。かっての教え子たちに頼まれてクラス会を引き受けるが、店は開店休業中。とても無理だと隆は怒る。しかし結局、隆が折れ、仲居の保条徳子もアルバイトの福原幹男と三輪容子も喜んで手伝うと言う。
ほぼ三十年ぶりの「中学時代の同期会」。出席者は男四人に女三人。月並みだが順調に人生を送ってきた、幹事の国田良政がまず顔を出す。加えて、リストラ、離婚と続いて元気のない男、瓜生島隼人。岩井秀仁は陶芸家、生活が苦しい。坂野勝は今も昔も調子のりの男。中学当時、国田と付き合っていた稲葉淳美。青山真弓は独身で派手好きな女。今も昔も地味な生路昌子。さらにもう一人、成瀬重文も登場。しかし、参加者の誰もがこの男を覚えていない。
久し振りの再会でぎこちなかった彼らも次第に打ち解けていき、あの頃の懐かしい顔が少しずつ甦ってくる。そして今日の主賓、クラスの担任だった音楽教師、男子生徒の憧れの的だった榊原桜子先生が到着するに及んで、会は一気に盛り上がっていくのだが・・・。
スタッフ
装置 石井強司
照明 金 英秀
音楽 後藤浩明
音響効果 秦 大介
衣裳 前田文子
演出補 森さゆ里
舞台監督 三上 博
制作 蔭山陽太
デザイン 松下計
写真 三橋純
キャスト
[クラス会の参加者]
榊原桜子（クラス会の担任だった女教師）・・・稲野和子
国田良政（幹事）・・・・・・・・・・・・・・石川 武
瓜生島隼人（リストラ・離婚と元気がない）・・今村俊一
岩井秀仁（陶芸家、生活が苦しい）・・・・・・関 輝雄
坂野 勝（調子のりの男）・・・・・・・・・・原 康義
成瀬重文（謎の男）・・・・・・・・・・・・金内喜久夫
稲葉淳美（当時国田とつきあっていた）・・・・富沢亜古
青山真弓（独身 派手な女）・・・・・・・・古坂るみ子
生路昌子（昔も今も地味な女）・・・・・・・・南 一恵
[小料理屋の人々]
井戸郁男（元中学教師）・・・・・・・・・・・加藤 武
井戸 隆（その息子で店の主人）・・・・・・・高橋克明
保条徳子（仲居、お茶を入れるのが上手）・・・藤堂陽子
福原幹男（アルバイト、態度が悪い男）・・・・古川悦史
三輪容子（アルバイト）・・・・・・・・・・太田志津香
加藤武さんのあいさつ 原康義さんが出演者を紹介
共同企画をめぐるフォーラムinしずおか
４月15日、作家・演出家・俳優・鑑賞会会員312人が参加。
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最終更新日 2001/12/02