Text - Diary - Past - July,2001


”Past Diaries” Menu] [TOP


01.07.01 デスティニー・オブ・フィクション
 この週末は暑かったので、家で映画のビデオばっかり観てました。
 ほどよく冷房の効いた部屋でゴロ寝しつつ、友人とビデオ観ながら、喋って笑って、ついでに昼間っからビールなんて飲んじゃったりして。どうしようもないグウタラぶりですね。でもいいのさ、安息日なんだもん、タマシイの休息なんだもん。だいいち週末グウタラしなきゃ、いつグウタラするってんだい。たまには心底休まなきゃ。疲れ気味のキミもアナタも、さあ、レッツ・グウタリング!
 とかなんとか正当化にも何にもなってない意味不明のことをブツクサつぶやきながら、やはりゴロ寝しつつキーボード打ってます。ごろごろ、カタカタ。

 あ、“グウタラ”でふと思い出したんだけど――
 ひとつもカワイくないことで有名な、マクドナルドのキャラクターたち。その中に、黒い帽子とマント、そして縞模様の服で身を包んだ変なのがいますよね。彼の名前は『ハンバーグラー』というのですが……その名前に、由来と言うが語源というか、そういうのがあるって事をご存じでしょうか?
 日本には昔から、怪物や異生物にネーミングをするときには語尾に「ラ」や「ラー」を付ける、という習わしがあります。例を挙げれば、『ゴジラ』『モスラ』などは言うに及ばず、ウルトラマンにも『ベムラー』『ジャミラ』など多数登場し、枚挙にいとまがないほどです。だもんで、私は『ハンバーグラー』も同様なものだと、昔から思い込んでいました。
 しかし、真実は違ったのです。まず“ハンバーグ”、ここまではいい。問題は、これに掛け合わせるのが実は――英語で「盗賊」を表す、“バーグラー(burglar)”という単語だった、ということなのです。ハンバーグとバーグラーで『ハンバーグラー』……つまり、ちゃんと英語として洒落ているネーミングだったのです!
 これを私が知ったのはごく最近のことですが、まさに目からウロコの気分でしたよ、肉料理なのにウロコが。いやあ、世の中、知らないことがまだまだたくさんありますなあ……。

 脱線が過ぎましたね。話を元に戻しましょう。――はい、というわけで、ビデオばっかり観てたわけです(って、1行目まで戻ってるよ!)。
 良心からの猛ツッコミは無視して、観た映画の話をします。えーと、今回観たのは全部で3本。『グリーン・デスティニー』、『ミュージック・オブ・ハート』、そして『サムライ・フィクション』です。
 前の2つはわりと新しめの映画なので、Movieのページに感想をアップしておきました。で、やや旧作にあたる『サムライ・フィクション』については、ここで簡単に感想を書くことにします。

 これは、吹越満と布袋寅泰が対決する、ちょっと風変わりなコメディタッチの時代劇です。3年ほど前の作品ですが、画面はあえて白黒にされています。監督はこれがデビュー作で、本業はCFディレクター。映像といい音楽といい、ビジュアル的にはかなり洗練された雰囲気があり、そのあたりは「さすが」と言うべきなのでしょう。
 しかしこの映画、私には……ちょっと難しかったですね。見ている間、苦笑混じりに首をひねりっぱなしでした。
 いや、お話そのものはごく単純で理解しやすいのです。でも、なんというか――「いったい何を狙ってこういう映画を作ったのか」、その基本的スタンスがどうにも掴めないんですよ。
 最初のうちこれはなにか、時代劇のスタイルを借りたギャグかパロディなのだろうと思っていました。実際、例えば谷啓が演ずるヨタヨタした中年忍者のシーンなんて、完全にコントでしたしね。
 その後も、細かいギャグらしきものが、随所に散りばめてあることに気付きます。でも、そのギャグがなんともビミョウで、そこが笑いどころなのか何なのか、それが分からない。もっと言ってしまうと、サムい。難しいと書いたのは、つまりはこういったあたりのことです。
 真面目でもなく、かといってギャグにもなり切れてないような、そういう奇妙な調子が続いていくうち、見ている側はだんだん居心地の悪い、不安な気分になってきます。
 しかし物語の後半になると、今度は流れが急にシリアスっぽいものに変わります。ラストあたりでは、もうほとんどギャグはなくなっていました。まるで普通の時代劇です。
 そういったビミョウさのせいもあって、私はけっきょく最後まで、監督の意図が分からずじまいだったのでした。……う〜む。
 救いは、風間杜夫がひょうひょうとした役柄でカッコ良かった、ってことかな……。まあ彼に限らず、キャラクターたちはそれぞれが持ち味発揮して、楽しそうにやってるんだけどね。その楽しさの意味するところが、見ている側までなかなか届いてこないんです。
 こういう作品って、見る人によってたぶん、だいぶ感想違ってくるんでしょうね。私には……ナゾな映画、だったのでした、やっぱり。(Movie式採点:○3つ)


01.07.03 病にいたる病
 何かと体調を崩しやすいこの時期、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 私はガタガタです。昨日など、持病が急激に悪化して猛烈に具合が悪くなり、ただ座っているのも辛いような状態に陥りました。まだ夜の9時前だったけど、仕方がないのでとっとと寝てしまうことにしたのですが、ふとんを敷く作業すら苦痛という有り様。ようやく敷き終わって身を投げ出しても、症状がひどく、ろくに眠ることさえできません。救急車に来てもらおうかと真剣に思ったくらいです。
 とはいえ、救急車なんて一度も利用したことがない私。タクシー呼ぶのとはわけが違います。どの程度の症状なら呼んでいいものなのか、何か別料金でも取られるのか……などと考えているうち、私はいつのまにか眠りに落ちていました。

 次の日――つまり今日ですが、目が覚めてみると、だいぶ体調が回復しています。おお、これならいけるぞ……と、ホッとしたのも束の間、夕方ごろからまた体のあちこちが不調を訴えはじめました。さすがにガマンできなくなった私は、たまらず病院へと駆け込みました。
 待合室でも何度か倒れそうになったりしましたが、その後の治療がいい具合に効いたようで、今ではこうして日記を書けるところまで落ち着きを取り戻しています。ふう〜、助かった……。

 しかしほんと、私のこの体はいったいなんなんだ。何年も前からいろんな病院に通ってるとゆーのに、未だにはっきりした原因も治療法もわからないと来てます。この日記も、ほとんど闘病手記の様相を呈してますし(そうか?)。
 なんとかその場しのぎの対症療法でごまかしてはいますが、根本的な解決には至ってません。しかも心なしか、日を増して症状がキツくなってきてるような気もするし……。治せる治せないはともかく、病根がどこにあるのかだけでもハッキリさせたいとこです。ガンならガンでもいーからさ、この際(極端すぎ)。
 ブラックジャックみたいなスーパー先生、どこかにいないかのう。あれも資格がいるんですよね、『ブラックジャック2級』とか『準1級』とか(人間道場かよ)。

 何はともあれ、健康はまずじゅうぶんな睡眠から。皆さんも夜更かししてないで早めに寝ましょうね。私もこれアップしてネットをちょっと巡回したらすぐ寝るつもりですから。たぶん2時半ごろになるかと思いますけど。


01.07.04 ベンダーは便利だ。
「――さて、次のお手紙は……宮崎県の匿名希望・Sさんから」
「あ、こないだ入浴剤をプレゼントしてくれた人ですね。嬉しかったよ〜、アリガト〜」
「おまえなんか、『健康にいいから』とか言って、残り湯まで飲んだりしてたもんな」
「するかよそんな事、気持ち悪りぃ!」
「あ〜、せっかくもらった入浴剤を、気持ち悪いなんて〜」
「そーゆー意味じゃなくってだな……あーもう、いーからさっさと手紙読め!」
「え〜と、ここだな。『……前のDiary(4月頭)からの話ですが、こちらには“卵の自販機”、ありますよ』」
「ひえー、あるの?! あるとこにはあるもんだなぁ……。ちょっと見てみたいね、どんなのか」
「でも、ないとこにはないんだよな、不思議と」
「そのまんまじゃねーか、どこが不思議なんだよ!」
「続き読むぞ。『……〈卵の里〉ということで町おこししている地域にですが、様々な種の地鶏の卵がパック入りで売ってます。――あと、“みかんの自販機”もあります』」
「みかんのまであるのか! でも言われてみれば確かに、宮崎のまわりにはみかんの名産地が多いな。熊本に長崎に佐賀に……海をちょっと渡れば、愛媛も近いわけだし」
「そういえば、こないだ愛媛行ったとき、定食屋で『みかんラーメン』とか『みかんカレー』とか見かけたな」
「ウソつけ! あるか、んなもん!」
「みかん一個あれば何杯でもメシが食えるって、地元の人は豪語してたぞ」
「しつこいよ! 愛媛の人が怒鳴り込んでくるぞ、いいかげん!」
「でも宮崎じゃどうだか分からないぜ。なにしろ卵やみかんの販売機がある上、警察のマスコットまでミカンの格好してる世界だもん、われわれのジョーシキじゃ図れません。そのあたりのこと、また情報よろしく〜、Sさん」
「最後だけいい子になりやがって……Sさん、気ぃ悪くしないでね〜」

 今回採用させていただいたSさんには、のちほど豪華な粗品をお送りさせていただきますね。またのお手紙、お待ちしております〜(来るのか?)。


 慢性的な運動不足解消のため、今年初めてプールに行ってきました。安い上に夜遅くまで開いてくれてる区民プール、すてきです。ここは潰れないでほしいなぁ。
 だいぶブランクもあるので、今日はウォーミングアップ程度に、軽く500mくらいで済まそうと思っていたのです。ところが、現実には……その500を泳ぎ切るのさえ必死で、肩でゼエゼエ息をする始末。余裕なんて少しもありゃしません。50mをクロールで10本、時間にすればたかだか10分あまりのことなのに、どえらく疲れちゃいました。「軽く500」じゃないっての。
 考えてみたら私、自分のプール開きの時は毎年こんな調子なんですよね……。まあ、今後はできるだけ間隔空けずに通って体を慣らして、2キロ3キロ泳げるように戻していきたいもんです。ゼイ肉も落としてスリムなモテモテくんに――って、これも毎年言ってる気がしますね。実現した試しがありませんが。

 家路の途中、閉店間際のマックに飛び込んで、半額チーズバーガー2つ買って帰りました。夕食、以上。だいじょーぶ、ちゃんと栄養バランス考えて、スポーツドリンク飲みながら食べましたから。……ん?


01.07.05 その音も禁止。
 けっきょく今日、『A.I.』、観てきちゃいました。ほんとはもっとブームが静まったころに行くつもりだったのだけど、ニフティの掲示板などで何やら賛否両論やたらと盛り上がっていて、その話題についていけないのが悔しかったもので……つい。

 場所は妙典。夜8時半という遅めの時間帯にもかかわらず、さすがの盛況ぶりでした。座るのに困るほどではなかったですけど。

 感想はMovieの方にアップしといたのでそちらを見ていただくとして……。
 今回、気になったことがひとつ。上映中、携帯電話の電源を切っておくのは当たり前として、もうひとつ何とかして欲しいものがあるんですよ。
 それは、デジタル時計の「ピピッ」というアラーム音です。
 あの音が場内に響くと、なんだか一気に現実世界に引き戻されたような気分になってしまいます。しかもご丁寧にきっちり1時間おきに鳴るものだから、あとどれくらいで映画が終わるか予想がついちゃったりするし。

 あのアラームって、事前に切っておくことは出来ないんでしょうか? 私はふだんデジタル時計を使わない(というか腕時計自体を身に付けない)ので分からないんですが、できるなら、あれも携帯と一緒に切っておいて欲しいなぁ。ああいうの、本人は気にならないんだろうか、そもそも。けっこう遠くまで響いてるもんだぞ。


01.07.07 オフな日。
 何やらまた怪しげな会合が開かれるというウワサを耳にし、これも社会勉強のうちと、開催地たる渋谷へと行ってまいりました。
 今回の発起人はさかっちょさんです。もう何回かお会いして、その人とナリはおおよそ存じてましたので、さぞアヤシイ会になるだろうと予想はしていましたが……案の定、とびきりのアヤシさ&ヨゴレっぷりでした。
 なにしろ、およそ20人ほども集まった面々の全員が全員とも、クドいくらいの個性派揃い。私が最初から面識のあったのはそのうち数人だけでしたが、2次会が終わるころにはすっかり皆さんの顔と名前が一致するようになっていました。人の名前を覚えないことと人の話を聞いてないことでは定評のあるまきひさにしてみたら、これは凄いことです。

 しかし、そうやってみんながインパクトのある言動やアクションを繰り広げている中、私は情けなくもいつものように、ひたすら受け身に回っていたのでした。自分から人を楽しませる能力を持っていないため、出来ることといえばせいぜい聞き役とツッコミ役に徹するぐらいなもの。あとはただもう皆さんの行状を見て、腹を抱えて笑わせてもらってるだけです。そんな自分が歯がゆくもあり、同時にちょっと疎外感も感じてしまいました。まだまだ修行が足らないようです……。

 3次会に突入する頃には、私はすっかりパワーを使い果たしてグッタリとなってしまい、これまた情けなくも途中リタイアということになってしまいました。みんなの熱気に圧倒されたのか、それともアルコールが変なとこに回ってしまったのかは分かりませんが、だらしないったらありゃしません。参加当初は、朝までオールで楽しむぞ、くらいの勢いだったというのに……。何やってるんだか。

 とまれ、あれだけの人数を集め、かつ3次会に至るまできっちり仕切ったさかっちょさんの人脈とリーダーシップには、敬服の念ともに大きな感謝の意を表したいところです。まきひさのダメさ加減に呆れないで、またぜひ一緒に遊んで下さいね。

 ただ、ひとつだけさかっちょさんに言っておきたいのは……
「まきひさがガチャピンにそっくり」
なのではなく、
「ガチャピンがまきひさにそっくり」
だということです。逆なのです逆。そこのところをお間違えなきよう。そもそもそういうさかっちょさんこそ、『稲中卓球部』に一回だけ、そっくりさんが登場してますよ。


01.07.08 家庭の事情。
 連日の暑さに耐えかね、私はこの日、倉庫代わりに使っている実家へ、扇風機を引き取りに行ってきました。

 毎日顔を合わせていると鬱陶しいばかりの親も、たまに会う分にはいいものです。今回は珍しく、両親といろいろな話をしました。
 父とは、今の仕事や将来の事について。
 母とは、「アリの駆除法」や「ティッシュペーパーを洗濯機に入れてしまった時の対処法」などといった生活の知恵について。どちらかといえば、母との話の方がためになったような気がします。

 そうして最終的には、回転寿司をオゴってもらえたので幸せな感じです。やはり、親というものは大事にしておくべきですね。食費に困っているときなどは特に。


01.07.09 アンツ・ライフ
 カーペットの上に何かをこぼすのは悲惨なものです。洋服などのように簡単に洗濯というわけにはいかないだけに、シミや匂いを落とすのに相当な労力と時間を割くハメになります。それが怖くてずいぶん用心してはいるつもりなのですが、それでも年に一回くらいは、何かしら大失敗をやらかしてしまいます。

 ……その年一回ってヤツをやってしまったのです、先週。

 以前にグラタンをぶちまけた時もかなりショッキングでしたが、今回も相当なものです。何しろ、カップになみなみと注いだコーヒーを、そのままひっくり返してしまったのですから。インスタントコーヒーなんてめったに作らないというのに、たまに変わったことをやるとこれです。たまりませんね、まったく。
 カップを倒した机の上には、買ったばかりの本など様々なモノが置いてありました。それらが甚大な被害を被った上、机の端から滝のように流れ落ちた褐色の液体がカーペットをしとどに濡らして、一時はちょっとしたカタストロフィーの様相を呈したものです。物理的にも精神的にもダメージは大きく、私は半分涙目になりながら、ぞうきん片手に必死で後始末に精を出すこととなってしまいました。
 さいわい、目立つようなシミが残ることもなく、事後処理は無事済んだかに思われました。それが先週の木曜日のことです。

 ところが今回は、コトはそれだけでは済まなかったのです。いっけん元通りになったように見えた惨劇の跡を、どこから嗅ぎつけたのか、またどこから侵入してきたのか、狙ってやって来た輩がおりました。
 アリです。ゴマつぶほどの小さな奴なので発見が遅れましたが、気が付いて目を凝らしてみると、いるわいるわ、数十匹のアリどもが、爆心地周辺にたむろしていたのです。
 思わず小さな悲鳴を上げた私は、即座に退治にかかりました。ちり紙で一匹ずつ摘み上げるようにして排除していくわけですが、アリ殿は意外なほど装甲が固く、ちょっと潰したくらいではお亡くなりになってくれません。作業は思いのほか手間取ることになりました。
 ようやくおおかた片付けて安心しても、またいつの間にか2〜3匹侵入してきています。見付けては取り、見付けては取りの繰り返し。何度かカーペットを拭き直してみたりしましたが、やはり埒が開きません。これはもう、痕跡が風化し時間が解決してくれるのを待つよりないと、私は諦めて寝てしまうことにしました。

 さて、週末。
 一晩家を空けて日曜に家へと帰ってきた私は、再び悲鳴を上げさせられる事になりました。――以前をさらに上回る量のアリの軍勢が、我が世の春を謳歌していやがったのです。それも、件の爆心地周辺のみならず、かなりの広範囲に、奴らは分散していました。
 私は半ば半狂乱になって、徹底抗戦を開始しました。まずはガムテープを用意し、ちょうどセーターの毛玉を取る要領で、見付けた端からくっつけて排除していきます。ちり紙で取るより、はるかに効率的でした。そうしてあらかた始末したところで、今度は薬局へと走ります。対・アリ用のゴキブリホイホイとでも言うべきものを購入するためです。ここまでの手順はすべて、実家で母親に教わったもの。さすがは家事の大先輩、こういう時は頼りになります。
 アリホイホイは、名刺ほどのサイズの透明なケースの中に、粒状の毒入りエサが仕込まれた仕掛けになっていました。このエサをアリが巣へと持ち帰ると、時間差で効果を発揮して、巣ごとアリを全滅させてしまうのだとか。さっそく封を切り、アリの進入経路とおぼしきところに設置します。
 効果は絶大でした。アリが一匹また一匹と、吸い寄せられるようにホイホイの中へと入ってゆきます。ふっふっふ、毒エサだとも知らず、バカめ……。残酷な快感に愉悦の笑みを漏らす私。――と同時に、エサを甲斐甲斐しく運んでゆくアリたちの姿を眺めているうち、理科の観察にも似た一種のいとおしさを覚えて、少しばかり良心のカシャクを感じたりもしました。

 そのままさらに一晩明けて今日、月曜の朝。
 ――アリたちの姿は、ものの見事に、一匹たりとも見えなくなっていました。
 昨日の晩は行列ができるほど繁盛していたアリホイホイも、半分ばかりエサを残した姿で、今は廃墟のようにたたずんでいます。そして、こうして日記を書いている今に至っても、アリはついぞ姿を見かけなくなりました。ホイホイも一応そのままにしてありますが、朝以降、来訪者があった様子はありません。正直なところ、設置した時点では半信半疑だった私ですが、ここまでの成果を見せられると、そのあまりの破壊力にちょっと怖ささえ感じてしまいます。

 元はといえば私がコーヒーをこぼしたのがそもそもの始まりで、アリたちはそれに釣られてやって来たに過ぎません。それに対してこちらは毒物まで用意して巣ごと根絶やしにするなんて、考えてみるとなんだかやっぱり、申し訳ない事をしたような気分になってしまうのでした。
 もうカーペットにこぼすのはやめよう……少なくとも、アリの好きそうなものは。


01.07.10 ピッチャー返し
 普段なら、このサイトの一日でのヒット数は、せいぜい10そこそこでしかありません。ほんとに身内の人だけが来てくれてるって感じですね。
 しかし昨日に限って、いきなり50ヒット近くも行っていたのには驚かされましたよ。たぶん先日のオフ絡みで、皆さんが文中リンクを張ってくれたおかげでしょう。ありがたいことです。
 けど、今日になったらまたいつも通りのヒット数に戻っちゃってましたから、そのままリピーターになってくれた人はほとんどいなかった模様です。まあ、こんな特徴のないサイトでは仕方ないことかと思いますが。

 ともあれ、やはりここは、こちらからも文中リンクのお返しをしておくのが礼儀というものでしょう。それでは遅ればせながら、行ってみましょう〜(……とは言っても、あのオフでは初対面の人が多かったということもあって、ちゃんと会話が出来たのはごく一部の人だけなのです。ネタが乏しくても許して下さいね)。

さかっちょさん。今さら言うまでもなくあのオフの首謀者です。お疲れさまでした。
アイコさん。グラマラスなバディに目がくらむ思いでした。はふ。
海ガメさん。誰ですか、コバンザメだのウミヘビだのと呼んでたのは。俺か。
・ELLEさん。みずからお酌係を買って出るその心意気、素敵です。
opiさん。真昼さんとの絡みが絶妙でした。舌妙、のほうが正しいか。
カナブンさん。大胆発言を連発していた、自称「人見知り」。ところで、私に触られるの、そんなにイヤでしたか。あう。
・ぎゃひるさん。何を喋ったか、どうしても思い出せません。実は一言も喋ってない説、濃厚です。
コマイヌさん。デジカメがポイント高し。相当酔っぱらったようで、3次会でウトウトしてました。
サトケンさん。誕生日会を兼ねてたこともあって、すっかりオフの主役の一人でしたね。いつもか。
スミダさん。かなり悲惨な目にあってたけど、店員さんにまでウケが取れれば本望でしょう。たぶん。
タメルさん。実際はタメてないし、サイト名も大ウソだとか言われまくってましたが、真偽のほどやいかに。
Nashiさん。横浜オフの時同様、やっぱりマッタリ。あなたより年上とは、私自身信じられません。
Hydetarowさん。同じ「映画好き」でも、守備範囲違いすぎの様子。残念無念。
真昼さん。『ナガソデーズ』、1日どころか1時間ももたず解散でしたね。しくしく。
モチヅキさん。とりあえず鼻ネタでオチが付くのはおいしいなあ(そうか?)。キミも酔っぱらいすぎです。
桃の紅茶さん。朝まで遊ぶって約束してたのに、守れなくてごめんよう。埋め合わせはきっとするからね。
森島さん。最近はボウズ頭がモードなのでしょうか。桃さんが羨ましがってましたが。
yuccaさん。相変わらずのお下品ゴッド姉さんっぷり全開で、場の主導権を常に握ってました。パワフル!
リョウタさん。アブナげな見た目とは裏腹に、気さくなノリのイイ奴でした。ほっ。
rougeさん。飲み会には欠かせないムードメーカーです。今回あまり喋れなくてザンネンなり。また遊ぼうね。

 こんな感じで。さかっちょさん以下は50音順です。皆さんのサイトに行ってみると、どれだけ多彩な人たちが集まっていたか分かるハズ。


01.07.11 リード・オフ
『十二国記』シリーズ、5年ぶりの新刊となった『黄昏の岸 暁の天』をようやく読了。相変わらず重厚で流麗な文体と、コミック的な魅力に溢れたキャラクター造形とで、ぐいぐい読ませてくれます。
 今までの各エピソードではたいてい一国の視点から描かれていた『十二国記』ですが、ここに来てようやく多数の国同士の交流が生まれてきたという感じです。ただその反面、5年ぶりということもあってか、キャラクターの顔見せ興行的な側面が強く、お話そのものにはあまり意味がなかったように思います。事件も完全には解決しないまま終わってしまいますし。
 でも、今までのブランクを一気に埋めるように、今月中には短編集、12月には長編の新刊が刊行予定とか。いいぞいいぞ。この調子で、できれば1年に1冊、最低でも2年に1冊くらいのペースで続けて欲しいところですね。

 さて次だ、というわけで、宮部みゆき『模倣犯』上下巻と、今さらながら『ハリー・ポッター』シリーズ2冊をゲットしてきました。4冊合わせると笑っちゃうくらいのブ厚さです。活字の大きい『ハリー』はまあともかく、『模倣犯』のほうは、いったい何ごとだこれは。全部読み切るのに、どんだけ時間かかることやら……贅沢な悩みというかなんというか。考えてみたら『リセット』もまだ読み終わってないし。嗚呼。


 イチローが打って走って佐々木が3者で締めて、結果的にチーム自体も勝って、なにやら出来過ぎの感がありますな、大リーグオールスター。リプケンの引退記念ホームランなんてのまであったし。実家のほうで衛星中継を録画してくれてるはずなので、早く観てみたいもんです。
 私も要請さえあればいつでも大リーグの打席に立つ覚悟は出来てるんですが、今んとこそういう話はないみたいです。うかうかしてると本物のガチャピンに先を越されそうな気がする(←自分でネタにするな)。


01.07.14 ミートでミーティング
 あと一週間後に迫ったライブの練習のため、先輩がまたはるばる西葛西まで来てくれました。例のごとくカラオケボックスにアコギ持ち込んで、カラオケなんてまったくやらずにひたすら生音で歌いまくりです。
 とはいえ、実際の練習時間はごく短いものになってしまったのが残念。先輩が来た時すでに夕方になっていたという事情もあるけど、ボックスの中でも、半分くらいの時間はビール飲みながらダベってただけのような気がする。歌詞もまだ全然覚えてないし……大丈夫なんだろうか。とか言いつつ、ほんとはあんまり心配してなかったりしますが。まぁ、なんとかなるでしょ。
 でもそんな楽観気分も、試しにMDに録音してみた練習風景を聴いてみるにつけ、あっという間に消し飛んでしまうのでした。いやほんと、めちゃめちゃ恥ずかしいですよ、自分の歌声を聞かされるのって。まさに赤面モノです。自分自身でイメージしてたのとはまるで違ってて、端的に言ってしまえば、「すっげー下手」。客観的に評価できる分、確かに勉強にはなるんですけどね。……ううむ、ぜんぜん大丈夫じゃないぞ、これは……。どうしよ。


 練習のあとで、駅前の焼肉屋に行きました。先輩はとにかく、三度の飯より焼肉が好きなのだそうです。日本語が奇妙な感じですが、あまり気にしないで下さい。
 私自身、久しぶりに食べたということもあってか、焼肉は感動的なほど美味しかったです。その店では特にハラミが大当たりで、カルビよりむしろハラミをメインで食べてたくらい。
 さて、そうしてほくほく顔で肉やご飯を頬張りながらその店のメニューを見ているうち、そこに、カルビよりワンランク上のものとして『中落ちカルビ』なるものが用意されているのに気付きました。値段的にはノーマルカルビの1.5倍くらいです。ものは試しと注文してみると、届いたのは、いわゆる骨付きカルビから骨を取り除いたような、四角くて長い肉の塊でした。
 さっそく焼いて、ハサミで切り分けて口にしてみたら……これがまた、筆舌に尽くしがたい大ヒットだったのです。肉厚なのにすごく柔らかくて、噛むたびに肉の濃厚なうまみと甘みが口いっぱいに広がって――などと思わずグルメ漫画みたいなセリフを口走ってしまうほどの、幸福な味覚体験をさせてもらっちゃいました。大げさでなく、飲み込むのがもったいなくなるくらいのうまさでしたよ。はー、しあわせ〜。
 これに文字通り味をしめた我々は、カルビの最高ランクとしてメニューに載っていた『特上カルビ』まで頼んでみることにしました。気になるお値段は、一人前で¥2,500……。ノーマルカルビのおよそ3倍です。しかし、中落ちカルビのあまりのうまさにすっかり酔いしれていた私たちは、勢いに乗ってさらなる美味探求に乗り出そうとしたわけです。
 ところがこの特上カルビというシロモノ、見た目こそ美しい霜降りなのですが、実際食べてみると……なんだか脂っ気ばかりで、インパクトに欠ける味だったのでした。口の中ですぐに溶けてしまうせいか、肉自体のうまみ、という点で、中落ちカルビより明らかに劣っています。それでいて量も少ないし。なにしろ、3cm四方くらいの肉がたったの5枚。単純計算で1枚あたり¥500ということになります。焼肉屋に来ると金銭感覚がなくなりがちだとはいえ、さすがにこれは失敗だったようです。むう、残念無念。

 でもまあ、トータルで見れば大満足の焼肉尽くしとなりました。つらい思いをして稼いだお金、たまにはこうして有効活用してやらなくてはいけません。
 食べながらのミーティングで、未定だった私たちのバンド名も決まりましたしね。その名もズバリ――

『中落ちカルビーズ』!

 ……安直とかそういうレベルを通り越してますね。いーんです、もう。


01.07.15 ファーストステップ
 この日は、ナギ氏が西葛西まで遊びに来てくれました。昨日といい今日といい、こんな東京の辺境までいろんな人にわざわざ足を運んでもらって、嬉しい反面、申し訳なくも思ってしまいます。まして、今日ナギ氏が来てくれたのは、私にゲームソフトを貸す、それだけが目的だったのですから。恐縮です……ほんと。そして、有り難う。

 貸してもらったのは、PS2用のボクシングゲーム『はじめの一歩』です。
 原作の漫画をかなり忠実に再現しているだけでなく、ボクサーのリアルでなめらかな動きが出色の出来。単にコンピュータ同士の対戦を見ているだけでも、じゅうぶん楽しめてしまいます。
 ストーリーモードで遊んでいて、対・ヴォルグ戦まではわりとすんなり来れたのですが、そのヴォルグの強いこと強いこと。すっかり行き詰まっちゃいました。もっとも、それまでろくに操作も覚えないまま、勢いで勝ち上がってきてしまったので、どこかで行き詰まるのは当然なのですが。これはじっくり遊び込む必要がありそうです。


01.07.18 ヘルアンドヘブン
 以前から観たいと思っていた、黒澤明の『天国と地獄』を、ようやくビデオで鑑賞しました。

 先が読めず、緊迫感あふれる前半部まではかなりの面白さでした。でも後半、警察が犯人を追い詰めていく展開になると、なんだか普通の刑事ドラマのようで、勢いも失速してしまうんですね。それが少し残念。犯人の動機付けにももう一ひねり欲しかったところかな……。評点はちょっと辛目に、○x5つです。

 でも相変わらず三船敏郎はカッコ良かったなー。このお方、実はあの『スター・ウォーズ』のオビ・ワン役で出演依頼が来てたのですが、「コドモ向け映画には出られん」ということで断ってしまったらしいです。もし実現していたら、映画の雰囲気もガラリと変わっていたでしょうね。


01.07.21 ドラ猫でシャウト。
 いよいよライブの日がやってきました。
 案の定、歌詞は覚え切れませんでした……。たった7曲だというのに、いやはや、情けなや。

 場所は小田原のとある町、その夏祭り会場です。『夏祭り』という言葉のイメージから、わりと規模も大きくて人出も多いようなものを想像していたのですが、実際にはもっとずっと小ぢんまりしていました。住宅街の真ん中にある、いわゆる“ちびっ子公園”程度の面積の所で、町内会が半ばボランティアでやっているようなイベントだったのです。出店もみな町内の有志による、ごく健全なものばかり。雰囲気としては中学か高校の学園祭に近い感じでした。
 先輩の仲間が町内会にコネを持っているらしく、夏祭りのスケジュール表の中に“バンド演奏”という時間をわざわざ設けてもらっていました。メインとなるのは、先輩とその仲間たちが6人編成で繰り広げるハードロック・バンド。私と先輩が二人で組むアコギユニットは、いわばその前座というわけです。

 午後の2時ごろから、いよいよスタートです。カラオケボックス以外のところで、ましてや屋外で歌うなんて初めての経験ですから、初めのうちはさすがにかなり緊張しました。でも2,3曲歌ったあたりからだいぶ慣れてきて、いい意味で開き直って歌えました。
 何より助かったのは、“誰ひとり聴いてやしない”ということです。とにかく健全なイベントですから、客層もそのほとんどが『小さなお子様+付き添いのお母さん』という構成。私たちの演奏に興味を持ってくれそうな若者なんて、そもそも来てないのです。まぁそのおかげで、こちらとしては余計なプレッシャーを感じることなく、のびのびと演奏できましたけどね。歌ってる私自身はそれでも気持ちいいし。豪華なカラオケみたいなもんさ、ふふーん。
 ちなみに、この日演奏した曲目は以下の通り。
 
 1:イージュー・ライダー / 奥田民夫
 2:青空 / ザ・ブルーハーツ
 3:愛すべきひとよ / カレイドスコープ
 4:4時3分 / ゆず
 5:ルパン3世のテーマ / チャーリー・コーセイ
 6:すばらしい日々 / ユニコーン
 7:翼をください / 赤い鳥

 民夫の曲が多いのは先輩のシュミです。
 最後の『翼をください』は小学生でも聴きなじみがあるらしく、この曲に限っては、何人かの“観客”サマが私の目の前で聴き入ってくれてました。てっきりサインでもねだられるかと思ったら、曲が終わった途端にどっか行っちゃいましたけど。最近の小学生はシャイでいけませんねえ。

 分かりやすいJポップばかり演奏していた私たち『中落ちカルビーズ』ですらそんな有り様だったのですから、メインとなる先輩たちのバンド――洋楽の、しかもコテコテハードロックばかりの演奏となっては、結果はどうなったかあえて書くまでもありませんね。演奏のレベル自体はすごく高くて、私なんぞは聴き惚れてしまったのですが、なにぶん客層が客層なので、いたしかたないといったところです。
 でも結果がこうなると分かっていても、先輩たちにとってみたら、青空の下、思い切り大音響で演奏できるだけで満足だったみたいです。すごく楽しそうにプレイしていたのが印象的でした。

 ライブはつつがなく終わり、そそくさと機材を片付けて、今度は先輩の仲間の家へと移動。そこで反省会を兼ねた飲み会です。
「やっぱり、聴いててくれたのはコドモたちだけだったな……」
「ちょっと問題だよね、やっぱり」
「そうだな、来年もきっとここでやるし、どうしたらいいかなぁ……」
「そうだねえ……」
 おお、なんだかマジメに反省しているぞ。私も考えねば。ええとええと……う〜ん。私が頭を抱えて(←心の中のイメージ像)悩んでいると、やがて先輩の仲間の一人が、こう提案しました。

「――よし、これからはお子様向けに、もっとアニメソングを増やそう!」

「それだ!」
 我が意を得たりとばかり、口々に賛成の声をあげる先輩たち。……コドモたちに迎合する方向で決定かい! それでいいのか? いいのか?

「例えばさ、『サザエさん』をハードロック調でやったりすんだよ。で、コドモたちに、拳を突き上げてリズム取ったり、シャウトしたりするやり方を教え込むわけ。つまり――」

 ♪ おっさかなくっわえたドラ猫ォ!(どらねこォ!)、お・っ・かけって〜〜〜ッ!!(わお!)
                  ↑コドモのシャウト
「――てなカンジに」

「いいじゃん、いいじゃん。そうやって教え込んでいけば、コドモたちの何人かは将来、立派なロッカーになってくれるはずだ」
「うむ!」「うむ!」

 バンド歴が20年以上にもなる先輩たち、さすが考えることが一味違う。将来のことまで見据えてるんだなあ。遠大すぎる計画という気がしなくもないですが。


01.07.22 プロの目から見ても。
 今週のお客さまはファイティング越後さんです。土曜の夜から泊まり込みで遊びに来てくれました。先週のナギ氏といい、先月のじーぷら氏&しそ氏といい、このところ懐かしい面々との再会が連続しております。嬉しい嬉しい。

 家にいる間は基本的にゲーム三昧でした。特に『パワフルプロ野球』の対戦が盛り上がり、夜中から始めて、けっきょく夜が明けるまで連戦してしまいました。K氏相手だと勝てた試しのない私ですが、越後氏相手なら何とか対等くらいの勝負になるので、面白かったです。
 他にも『一歩』をやらせてみたら、今日が初プレイのはずなのに、私がどうしても倒せなかったヴォルグをあっさり片付けて、伊達さんとの闘いも通過。新章突入まで行ったりしてました。あるんだなあ……才能って。

 メインイベントはこの日曜の夜、有楽町で映画『パール・ハーバー』を観ることでした。以前から「ダメ映画」だという風評はさんざん聞かされていたので、こちらとしても初めからその心積もりでの鑑賞です。そして、そういうスタンスで一緒に観る人を選ぶとしたら、自他共に認める軍事オタ&クソゲーマニアである越後氏をおいて他にはいないでしょう。

 で、観賞後、映画館の外の植え込み近くに腰を下ろしたわれわれ二人は、じっくり話し合いました……たったいま観終わったばかりの映画の、聞きしに勝るダメっぷりについて。
 越後氏はさすがの博識ぶりで、軍事描写のどこらあたりが変だったのかいろいろと解説してくれました。でも彼自身も、そういう側面からこの映画を突っついても意味がないことは悟っていたようで、表情には諦観ばかりがただよってました。確かに、それ以前の問題だからなあ、これは……。ある意味では想像通りの内容なのだけども。
 具体的にどうダメだったのかはMovieのほうに書きましたので、そちらを見て下さいませ。


01.07.26 開き直りは無敵。
 ねっとりと、まとわりつくような暑さが続いています。今週の月曜には確か、東京で39℃という非常識な気温が記録されていたはず。体温より気温のほうが高いってどういう事なんだ一体。
 とか思っていたら、水曜には強烈な雷とともに、いったい何日ぶりだかの大雨が降ったりしました。変電所がヒートして運行中止になった電車などもあり、つくづくお天道様の気まぐれに翻弄される人間というものの弱さ・儚さを思い知らされますね。とか思いつきで適当なこと書いてます、すいません。


 この日は久しぶりに実家に帰って、久しぶりに妹一号機&二号機と遭遇してきました。一号機は相変わらず、私を見るなり「また太ったな、デブ」などと言ってきやがります。露骨に眉間に皺を寄せて、
「なに、このお腹……超イヤ〜」
「別に太ってないだろ。せめて『体格がいい』って言え」
「開き直ってる……最悪〜」
 言いたい放題です。そのくせ本人は、鏡に映る自分の姿に自惚れて悦に入ってたりするから始末が悪い。しまいには、こんなことまで言い出しました。
「ねー、もったいないと思わない?」
「は? 何が?」
「今の彼氏に。こんなにカワイイの、あいつにはもったいないよ」
「……その性格で台無しだろ、たとえ見てくれが良くたって」
「ふん、いいんだよ、性格なんて、どーでも」
「開き直ってやがる……」
「るさい! デブの開き直りよりマシだ!」
 皆さん、どー思います、こうゆう女。しかも妹なんですけど。


 今回実家に帰った本来の目的は、親に病院へ同伴してもらうためでした。
 わけの分からん病気のために、会社だけでなく、親にまで心配かけることになってしまうなんて。まったく自分自身が歯がゆくて仕方ないです。ふう。


01.07.27 題名のない鑑賞会
 この金曜の夜から土曜の午前中にかけて、ビデオを2本観ました。どちらも友人から勧められたり、いい評判をたくさん聞いていたりしてので、かなりワクワクしつつ観てみたわけですが……残念ながら、2本とも私には期待外れの内容だったのでした。なんかそういうパターン多いな、最近。うーん、私の映画観って、ちょっとひねくれちゃってるのだろうか。

 1本目は『黒猫・白猫』。こちらはMovieに詳しく書きましたが、とりあえずギャグのノリについていけなかったのは辛かったです。

 もう1本は『ベイブ』。一匹の子ブタちゃんが、なぜか牧羊犬となるべくガンバルというストーリーです。
 確かに“イイ話”ではあったんだけど、もうひとつ心にグッと来るものがありませんでした。場面転換もバタバタとせわしなく、ちょっと散漫な感じがしちゃったのが難。ただ、どこまで本物の動物を使ってるのか分からないマペット技術は凄かった。さすがジム・ヘンソンスタジオ。評点は○x4つ。


01.07.28 クイック&スロー、そしてクリエイティブ
 一週間経つのなんて、あっと言う間です。こないだ「一日が長い」と書いたばっかりのくせして何言ってやがんだという感じですが、いや実際一日々々は長いのですが、一週間単位で振り返ってみると、ほんとにあっと言う間なのです。気が付いたら次の週末を迎えている、そんなことの繰り返し。そしてまた土曜の夜が終わろうとしています。20代最後の夏だというのに、こんな調子でいいんでしょうか。

 日記の更新を二週間もサボってたのは、基本的には単にだらけてただけです。お恥ずかしや。
 とはいえ、全然何もやってなかったわけでもないんです。実は今、裏のページ作りにハマってまして。あ、いや、裏といっても、別にアヤシイものじゃありませんよ決して。単に非公開というだけで。なぜ公開しないかといえば、内容が内輪ネタ過ぎて、分からない人にはほとんど理解不能のページになっているからです。
 具体的には、かつてネット上で友人たちとおこなっていた物語創作のリバイバル、みたいなものです。『マッチメーカー』というゲームをベースにして、独自の背景世界とキャラクターとを創り出し、お互いにリレー形式でエピソードを交差させつつ、大きな物語を生みだしていく――そんな形式でやっていたものを、改めて見直してみようという企てなのです。
 初めは私の単なる思いつきでしかありませんでした。ところがそれを関係者たちに見せてみたら意外なほどの好評を博し、今では専用のBBSまで設置して、ひそかな再ブームになっているほどです。
 この契機に、自分が過去に書いたストーリーのログを読み返してみました。そしたらこれが、自分でいうのも何なんですがかなり面白くて、すっかり熱中して思わず読みふけってしまいました。文章に限らず、自分の作ったモノを客観的に評価するというのは難しいことのはずなのだけど、でも思い切り自画自賛です。
 ひとつの場でストーリーを発表しあうという形式だったために、参加者がお互いいいカタチで触発されていたんでしょうね。当時の熱気が行間から伝わってくるような気さえしましたよ。逆にいえば、そういう勢いのあったあの当時だからこそ出来たことなのかも知れません。自分のを自分で読んでて、昔のほうが文章力あったじゃないか俺、と思ってしまったほどですから。

 今から改めてスタート切り直して……というのは、現実的にはいろいろと障害も多くて難しい状況です。でもこうして、創作意欲にあふれていた頃の自分の姿を再認識することで、また新たに触発されてみるのもいいかな、なんて思ってます。一種の自己啓発ってやつかも。



”Past Diaries” Menu] [TOP