チェーンソーで製材 4

 今回挽くのは、先日トップ頁で紹介した、末口で40cm以上という太い山桜です。長さは2m。下のブロックや敷いてある2x6材と比べると太さが分かると思います。工房で挽くことのできる最大径の丸太でしょう。
 チェーンソーやバンドソーを紹介しても、「危険」とは書きませんでしたが、この丸太を扱うのは大変危険です。 
 1本で1石位あります。1石というのは 1尺 x 1尺 x 10尺 で 約 0.27立米。 山の丸太を購入するとき、直径 30cmの4m材で、約1石の見当をつけます。 0.15 x 0.15 x 3.14x4=0.28立米。 
 この直径40cmの丸太は、0.2 x 0.2 x 3.14 x 2m =0.25立米。 直径30cm の 長さ4mの丸太とあまり変わりません。生木の比重は 0.95位と言われています。山桜の気乾比重は0.6。 この山桜の比重 0.8とすると、0.25 x 0.8 =0.2t  200s位でしょうか。だいたい水の入ったドラム缶と一緒です。 水が満タンに入ったドラム缶が落ちてきたりしたら大変ですよね。 だから装備も安全靴など万全を期します。当然雨上がりなど、木が滑り、足下が不安定な時は作業はしません。斜面の作業も細心の注意が必要です。

 材を扱うのは、タコマンの三脚ヘッドと3mの単管パイプ、500kgのチェーンブロックです。スリングは目通し(絞り)掛け。切る向きを決めるため、絞る位置を調整します。(材を回転させてから持ち上げる)
 最初は丸太を裏庭の製材場まで運んでみます、、、、。と書きましたが、写真を撮る余裕もないほど大変でした。ログキャリアに載せて、木に細引きを巻いてチェーンブロックで引き上げて、、。
 スリングはナイロンテープです。ワイアもありますが、テープの方が安全そうです。丸太は鋭い角もないし、テープが良いでしょう。
 プロの山仕事はもっと怖い。ワイアーを使ってユニックで吊る場合、ワイアに指を挟まれると、簡単にちぎれます。丸太落とすと骨折するし、関節なんかに落とすと大騒ぎ、ほんと危ない世界です。昔、架線作業で、滑車からワイヤが外れて鞭になって、頭が無くなったとか、脚が無くなったとか、、、怪談みたいな話を聞いたことがあります。ぞっとしますね、、。 そんな記憶もあって、スリングはナイロンで。まあ、素人の手作業では、両手はチェーンブロックの鎖をつかんでいるので、まあ安心。あとは足下に注意です。
 

 どうにか材置きに置いて、1回目の挽きです。材を置いているパイプとチェーンソーのスライド用のパイプの傾きがえらく違いますが、これでも元口、末口の芯々で挽いているんです。エラjく偏芯している材で、こういう挽き方ができるのもこの製材台の特徴でしょうか。 この重さになると、材を置いている単管パイプがしなっています。大人が3,4人乗っている勘定ですから。 下から支えを取った方がいいようです。

 ハイガーのチェーンソーは今のところ結構調子いいです。排気量を考えると、ちょっと非力な印象ですが、始動もいいし、40cmの丸太も平気で縦に挽いていきいます。あまり頻繁に製材する訳ではないので、これで十分でしょう。 普通に手で持って使ったらどうかな、、。  1

 半割が終わったところ。きれい材です。次はこの材をひっくり返して反対側を挽いてブロック材にします。
これを返すのも、スリングを絞り掛けにして、回転させながら持ち上げて位置を調整します。
挽いた面を下にする場合は、パイプの間に板をかませて、パイプにと通したリブを木口をねじ止めします。
 板をかませるのは、スリングが抜けなくなるためです。そのままでも挽けないことはないですが、万が一チェーンソーに絡んだら怖いですねえ。
 ブロックにしても、移動もチェーンブロック、とても人力で扱える重さではありません。先の計算でいけば、30cmの径の2m材ですから、無理もないですが。結構頻繁に三脚を動かして、ちょこちょこ移動させて大変です。基本は三脚の脚の間に木材がある位置で吊り上げること。

【マウスロールオーバー】
 
いつものおまじない。割れませんように〜 と言いながら建築用の白ボンドを両方の木口に塗ります。
しかし、この2本、これでも芯々の半割とは。片側は板にしても20cm厚。良い旋盤材になりそうです。片や、そのままケンタ(切り落としの端材) になりそう。 
 ところで、ケンタという言い方は方言なのだろうか。全国共通なんだろうか。「ごったく」という言い方をすることもあるし、、。
群馬の方でも 「ケンタ」と言っているのを聞いたことあります。 

 1本目、材を動かして、エライ目にあったので、2本目は製材パイプを移動。一人で動かせるところまでばらして、駐車場まで持ってきました。こっちは材を吊ったところに製材パイプを移動させます。真ん中にあるのは、1本目の改良点となった材の支柱です。流石にしなりません。
 挽き終わった後に、山の神から、「ログキャリア」に片方を載せて運んだら楽なんじゃない?、、といわれてやってみたら、あら簡単。5分くらいでばらすことなく、そのまま運べてしまいました。午前中のじたばたは何だったんだろう。しばらく落ち込んでおりました。頭は生きているうちに使わないと。
 次回から、ログキャリアにしよう。(><)」

 単管パイプの下についているリブは、脚が一定以上開かないようにロープを結ぶために付けていますが、どちらかと言うと脚を移動する際の手がかりに使うことが多い。一人で手がかりのない三脚の単管パイプを扱うのは結構大変です。

 2本目の厚い方のブロック材。第一資材置き場に収納。
 乾燥変形は、材が厚いほど小さい。この乾燥状態で2cm厚で挽いたら、ゆがんで使い物にならない材になってしまうと思いいます。なので、最初はブロックに挽いておいて、ゆっくり乾燥させてから用途によってリソー。
旋盤材に使う場合は、このままか、2枚におろすか。
 しかし、ブロック材にしても、くそ重い。この材でも片側を持ち上げて回すのがやっとです。ナイロンベルトを回して、肩掛けで持ち上げてやっと収まりました。。乾燥したらどれくらい軽くなるのか楽しみです。
 

 薄い方の半割。径はやはり40cmあります。挽いたとききれいな木目がでると嬉しくなりますねえ。趣味の製材の楽しみ。
 こちらは3寸厚に挽きます。 3寸板というとえらく厚い気がしますが、半割が続いたので、薄く感じます。3寸だと、板材って感じになります。
 それでも結構重いもんなあ。山の銭湯にメタボはいない理由が分かります。畑仕事や山仕事していたら間違いなく筋肉つきます。

【マウスロールオーバー】

 表に節が出ていたので心配していたけどきれいな材で一安心。
40cmの山桜の一枚板は結構貴重です。
  
 

 これは、単管パイプジョイントを締める6角レンチ。柄を付けて力が入るようにしています。製材中にパイプがずれて、、なんてことは考えたくないですから。

 
【マウスロールオーバー】

 こう見ると結構まっすぐな材です。これはこのまま使った方がよいかな。ベンチか、カウンターか。
こっちの丸太も、積んでから木口に割れませんように〜 と、おまじないの白ボンド。

 今回で、在庫のある丸太製材はおしまい。丁度ガソリンも、材を積む場所もなくなりました。
ようやく弾き終わった折も折り、30cmの山桜があるよ、と声が掛かりましたが、、、申し訳ないのですがご辞退。もう使った分、誰かにお分けした分だけしか購入できない状況です。材は一生分というか、二生分ありそうです。

といいながら、太いカエデとかエンジュがあったら買っちゃうんだろうなあ、、(笑)