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2005年12月18日

ガスが止まっていた

こんな寒い日に止まらなくても。
原因は不明。ガスメータを確認し、復帰作業を行ったところ元に戻った。 お湯が出るのがこんなにありがたいとは……

近況

11月の残業時間は97時間。今月は今日で34時間。


2005年12月27日

今日が今年最後の更新になります。良いお年をお迎えください。では。

沼野充義『徹夜の塊 ユートピア文学論』(作品社)

システムとしてのユートピアが失敗だと断言されてしまった後も、 上をすりかえただけの同じシステムが、 いわゆるユートピアとして居座っている。アンチ・ユートピアもまた同じ。 ……飽きはしないが、私の少ない知識からしても、 またかと思うことはよくある。

なので、ユートピアの後に来るものとしての「メタ・ユートピア」 という概念(アメリカの研究者エディス・クルーズの提案による)を踏まえた考察は、 面白かった。

では、一九八〇年台後半から、どうしてこのように質的に新しい メタ・ユートピア作品が書かれるようになったのか。 一九八〇年台後半以降というのは、 「実現されたユートピア」としてのソ連体制の 欺まん性がもはや誰の目にもあまりに明らかになり、 ペレストロイカからソ連邦解体へといっきになだれ込んでいった時期である。 そのとき同時に起ったのは、ユートピアやあるいはそれを引っ繰り返しただけの 反ユートピアが前提としていた一枚岩の世界観の決定的な崩壊である。 つまり、ユートピア/反ユートピアという「大きな物語」はここに至って、 ついに崩れ去ったのだ。 残されたのは様々な小さな物語のみ。 そして、それらの「小さな物語」の境界線上で居心地悪そうに浮遊しているのが、 「メタ・ユートピア」といういかにもロシア的なポストモダンの物語なのである。

(本書,p.78)