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第四巻(12/21〜30)

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12月30日号。
今日は今年最後の稽古。初めて衣裳をつけ、本番どおりの装置や小道具で通し稽古をする日。
朝から衣裳さんが大勢いらっしゃって、仮設の着替え場所に衣裳が吊るされていきます。
その周りでは、文学座演出部のスタッフが掃除をしたり、道具類を揃えたり、大忙しです。
ウォーミングアップをする場所もないといった感じです。
そこで、私は寛恵ちゃんと外に出て、建物の片隅で発声したり、動いたり。
外は寒いけれどとてもいいお天気。歌好きの私たちは、芝居とは関係ないのに、
寛恵ちゃんは民謡を、私はミュージカルソングを歌ってストレス発散。近所迷惑かしら…。
他にも何人か集まって来て、めいめい体を動かしています。
気合万点でいつもより早くやって来た内野さんは、ジョギングをしています。
そこへやーこがやってきて、わざと「先輩っ!」と言って内野さんのあとをくっついて走り出しました。
ふたりで「ファイト」「オー」「ファイト」「オー」と体育会系ジョギングの掛け声をしてふざけています。
内野さん、「高校時代を思い出すなぁ。」なんて言っています。

さて、そんな風に気合をいれた一同、初の通し稽古に突入です。
同じ芝居をやっているのに、目の前に現れる人が初めて見る衣裳を着ていたり、
初めて使う道具があったりするととても新鮮です。
しかも、それで盆が回るんですからね。
なんかアミューズメントパークみたいだぁ―!!
さらに、ドラマチックでスケールの大きな車川さんの音楽が、雰囲気をぐっと盛り上げます。
(今回に限っては、この音楽が似合う自分を目指します。)
場面転換も思ったよりはスムーズに進んでいます。
こんなに急なのに、さすが、プロのスタッフさんたちです。
時間はまだ長いけど、高瀬さんによれば、1ページ5秒縮めれば18分縮まるとのこと。
そう思えばまあOKなのかなぁ。
でも、芝居はまだまだ全体にゆるい気が…。
「あとは回数だね。」と高瀬さん。確かにそうかもしれません。
本当に、どのシーンもまだ数えるほどしかやっていません。
回数を重ねないことには、自分が試してきたことの成果も表れません。
今まで細かく丁寧に時間を掛けすぎるほど掛けて、遅々たる歩みだったけれど、
これからはダイナミック且つ強引にいかなくてはいけないのかもしれませんね。
私自身ももう少し荒療治でいこうかな、なんて思います。

24人も出演者がいて、スタッフも大勢いれば、考え方もそれぞれ違います。
演技のスタイルも違うだろうし、演出の好みも違うだろうし、
みんながみんな思い通りにいくなんてことはあり得ません。
芝居が出来あがってくるほどに、それぞれの「思うところ」は増えていきます。
それでも、みんなで創るというのはどういうことか。
ポジティブでいなくてはしょうがない。楽しくなくちゃしょうがない。
ちょっとずつ我慢して、でもわかりあうよう努めること。
決められた枠の中で、それぞれが精一杯頑張ること。
これから先はそういうことなのかなぁ、なんて思います。
抽象的でごめんなさい。

今日は、稽古後、10数人で飲みに行きました。
高瀬さんも、内野さんも一緒でした。
お酒が入ったせいもあって、あちこちで激論になりました。
自分で言うのもなんですが、普段物静かな私も、今日はなんだか口喧嘩したい気分でした。
喧嘩とは、あくまでも、分り合うための手段なのですが…。
みんな一生懸命です。喧嘩していても大好きです。
知らん振りしないでぶつかっていける間柄じゃないと芝居なんて創れないと思うのです。
私はぶつかることが苦手だからこそ、ぶつかろうと思います。
誰に対してもぶつかれるものじゃない。みんなだからぶつかれる…。

今年ももう終わりです。
21世紀が素晴らしい日々になりますように。
皆様、良いお年を…。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

12月29日号。
稽古時間が長くなってきて、ついに日記を書く時間がなくなってきました。
なので、省略版です。お許しください。

装置を使っての稽古はなかなか思うように進みません。
平面でやっていたときも時間はかかったけれど、さらに時間を食う感じ。
なにしろ、盆を回す練習もしながらなので、それは大変です。
このシーンはこっちから回すとか、どのタイミングでどういう速度で回すとか、
どの角度で止めるとか・・・。
芝居も、イメージで創っていた時と、実際に装置に乗ってみた時とでは
見え方も違うので、修正が加えられていきます。

明日は年内最後の稽古なので、どうしても通し稽古をしたいのですが、
通しをするためには、一度なんとしてでもラストシーンまで
盆を使って確認してみないわけにはいきません。
そこで、今日は稽古時間が大幅に延長されました。

みんなちょっとお疲れモードです。
高瀬さんをはじめ、あせりも見え始めています。
スタッフさんは、芝居が固まらないのでプランを立てにくくてやきもきしています。
さあ、『モンテ』組ピンチです。
お正月も2日から稽古になりました。
なんとかこの危機を乗り越えて行かなければ!
でも、明るい顔で頑張るみんなの写真、見てください。

サービス精神旺盛な浅野君と関さん。お題は「樽」で、ふざけてくれました。
腕立て伏せをする一高君と、
いじめるルイジ・ヴァンパ君。
舞台装置の上にいる人々。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

12月27日、28日合併号。
またしても合併号になってしまいました。ごめんなさい。
さて、本番用の装置も出来あがり、いよいよ舞台を回したり、
高いところに登ったりしながらの稽古になりました。
今まで平面で稽古していたので、立体になるとずいぶん感覚が変わります。
いろいろ予想は立てていたつもりなのに、登ったり降りたりするのが思ったより時間がかかって、
間合いがずれてしまったり、廻り舞台に乗っかっただけで、
何だか自分がどっちを向いているのかわからなくなって
スタンバイの位置を間違えそうになったり。
今日は、この廻り舞台について、詳しく・・・。

芝居用語で、この回る舞台のことを「盆」と言います。
盆に乗るのはみんなうれしハズカシです。
だって、自分で動かなくてもデーンとお客の前に現れちゃうんですよ。
これはもう、その気にならないとめっちゃ恥ずかしいです。
回ってる間何してればいいんだぁー!という感じです。
舞台裏で盆の上にスタンバイしていて、いざ回り始める時のドキドキ感。
だんだんお客さんの目にさらされていく時の気持ちといったら、もう!!
そして、乗りもの感覚はやっぱり強くて、周りの風景が動いているのに
舞台上のある一点を見つめていると、なんだか酔いそうになったり。
さらにおかしいのは、まだ回されることに慣れていないので、
動き出した瞬間にぐらついてしまう人が多いこと。
そう、まるで電車が発車した瞬間のように。これ、かなりカッコ悪いです。

昨日、モンテ・クリスト伯とエデが盆で回された時のこと。
スタッフの田さんの「回しまーす」と言う声が響きます。
そうです、危険防止のために必ず声を掛けるのがルールなのです。
ドラマチックな音楽がかかります。さあ、いざ発進!
おーっと、内野さん、回るとわかっていてもお約束のようによろけています。
は、伯爵―…。でも大丈夫、私しか見ていない。
あわてて顔を二枚目に戻して、うー―、視界のはじっこに入ってきた入ってきた観衆の姿がーっ!
伯爵とエデ、見詰め合うお互いの目が笑いを必死でこらえています。
でも、もうすぐ正面、止まるぞ、あと少しの辛抱・・・と思ったら、
あれ?そのままみんなの前を通りすぎて盆は一周してしまいました。
・・・大爆笑。私たち、見世物みたいです。
見ていた人は「蝋人形館みたい」とか言うし…。もーう!!
でも、本番ではきっとカッコよく回されているキャスト一同をお楽しみに。

今日の写真は、稽古後に効果音を録音した時の若松さん。
劇中で若松さんの声が流れるシーンがあるのですが、緊張の面持ちです。
それもそのはず、みんなが好奇の眼差しで見つめている中での録音だからです。
音響さんの準備を待つ間、わざとみんなに向かって芸をして笑いを取ろうとしています。

あとの写真は、スタッフの望月 純君と中野志朗君。
今回の芝居には、告訴状とか、ナポレオンへの手紙とか、
沢山の書類が登場しますが、中野君が書いているのは本番用の書類の数々。
遠くからではほとんど見えないのに、きちんと文章が書いてあります。
こういうスタッフの細かい心遣いも皆さんに届きますように…。

大きなマイクに向かう若松さん。 釘をくわえる姿も板についた望月君。 同期の演出部員、中野君。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

号外。
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12月26日号。
休み明けの今日、稽古場に行ってみると、
ついに出来上がっています!本番用の装置がーっ!!
2階建てです。回ります。おー、感動…。
昨日、休まずに建て込みをして下さったスタッフの皆さんに感謝です。
何だか、今日から違う芝居が始まるみたい・・・。
そしてさらに、今日は衣裳パレードでした。
衣裳パレードとは、最終的な衣裳合わせのことで、
本番どおりの衣裳を着て、全員が舞台上に集合します。
先日の衣裳合わせよりだいぶゴージャスになっています。
(モンテ・クリスト伯爵の衣裳はオーダーメイド。
内野さんの体にぴったり合っていて、とてもカッコいいです。さすがタイトルロール。)
かつらもできています。地毛かと思うほど自然で素敵なかつらです。
帽子やアクセサリーなどの小物類もばっちり揃っています。またまた感動…。
ここまで揃ったらもうみんな気持ちはフランス人でしょう。(私はギリシャ人ですが…。)
お話の世界へひとっ飛びできそうです。楽しいなぁ…!
ただ、ドレスがゴージャスなだけに、身のこなしが大変そうです。
裾を踏んづけたり、足元が見えなくてコケたりしそうです。
これからは衣裳や装置を使っての動きに慣れていかなくては…。

ところで、今回の廻り舞台は人力です!
スタッフさんと若手の男の子で回すことになると思います。
今日、立派な装置を見て感動したけれど、これを旅に持って歩いて、
毎日仕込んだりバラしたりするのかと思うと恐ろしいものがあります。
それをやってくれるのはやはり演出部のスタッフさんと若手男性陣なのですが、
芝居そのものがまず長いので、さらに仕込み・バラシの時間を考えると、
みんな休む間もなくなるんじゃないかと心配です。
大道具を建て込んで、さらに本番中、
裏で舞台の進行を支えてくれる演出部スタッフさんは本当に大変なのです。

体力勝負、そして、ケガと隣り合わせ。
舞台監督の寺田さんは、知らない間に肋骨が折れていたことがあるそうです。
何て大変なお仕事なのでしょう…。
しかも、普通、お芝居を観る人たちは、裏で支えている人たちがいることなんて考えもしませんよね。
本当に、縁の下の力持ち、陰の功労者です。
それにしても『モンテ・クリスト伯』に関わる人は全部で一体何人いるのでしょう。
今日も、衣裳さん、ヘアメイクさんの人数の多さにびっくりしてしまいました。
こんなに大勢の人が動いてくれているのだから、ますますしっかり演技しなくてはと思います。

さて、本番どおりの装置を使って稽古が始まりました。
心なしかみんなノッているみたい。
さっきまで衣裳を着ていたし、「その気」になっているのでしょうか。
でも、今日は夕方から支持会の忘年会があったので、
芝居の稽古は始まったと思ったら終わってしまいました。
慌しい一日で、写真を撮ることが出来ませんでした。
なので、今日は文章だけ。ごめんなさい。

今日の忘年会でお声をかけてくださった皆さん、ありがとうございました。
とても嬉しかったです。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


12月24日号。
今日はクリスマスイブ。でも、そんな気分をゆっくり味わう暇もない私たち。
せめてもの思いで、今日はお茶場をちょっぴりクリスマスムードに仕立てました。
シュトーレンというクリスマスの焼き菓子を出して、スタッフの今村由香さんが買ってきてくれた置物を飾って、
壁にもリボンやサンタクロースの絵を飾りました。うん、これだけでもかなりHAPPY!

さて、本日の稽古はまず振付から。
新海さんがいらっしゃって、ちょっとした直しと、振り固め
(文字どおり、振り付けられた踊りをどんどん細かいところまで固めて向上させていくこと)をしました。
新海さんから「うん、だいぶまとまってきた!」というお言葉が・・・!
よかったよかった。

芝居のほうは、ニ幕の頭の集団シーンからです。
先日の通し稽古で、今回の芝居は休憩抜きでも三時間半以上かかりました。
そこで、カットする作業もしながら、もう一度丁寧に場面を創りなおしていきます。
何気なく見ているけれど、一人一人の身になるととても大変そうです。
いくつかのセリフをカットしたことで、感情の流れに不都合が生じてくる人、
大勢の中でうまく自分の居心地の良い場所を見つけられない人、
たった一つの短いセリフが生理的に納得できなくて言い辛そうな人…。
それもこれも、みんながこだわりを持って演じている証拠です。
何も考えていなかったら、なんとなく流せてしまうことを、みんなは見逃さないのです。
特に演出の高瀬さんは…。
たっぷり時間をかけて、話し合いもしながら、場面を成立させていきます。
出ている人たちは時に疲れた顔を垣間見せつつ、でも前向きになろう、
みんなで協力して場面を創ろうという空気を醸し出しています。
私はプロンプターをしながらずっと見ていましたが、やはり手間ヒマかければ
それだけ関係がハッキリしていき、わかりやすいシーンになります。
しんどいけど、みんな頑張れ!

なんと夕飯休憩までかかってやっとメドが立ちました。
そして、食事後にもう一度そのシーンの復習をして、それからドッキドキのエデとモンテ・クリスト伯のシーンへ。
昨日の今日で、内野さんも私もどうもしっくりいきません。
全然会話にならなくて、二人で口をそろえて、「だめだぁー。」と笑ってしまいました。
そうです、でも「笑って」しまったのです。
急には変われないけれど、光に向かって歩き出したような予感はします。
まだ微かな微かな光ではありますが。
そして、私たちの次には、ロミオとジュリエットのように愛し合うマクシミリアンとヴァランティーヌのシーンが。
しばらく見ない間にずいぶん良くなっています。
私も頑張ろうっと。

今日はここまで。
明日はお休みです。
そろそろ美容院に行ったり、地方公演に旅立つ準備をしたり、公演の案内を送ったりしなくちゃ。
うかうかしていると、今年ももう終わってしまいます!

働くスタッフの田俊哉さん。 衣裳の宮本宣子さん(左)と
ヘアメイクの林 裕子さん。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


12月22日、23日合併号。
22日は完全なる抜き稽古デーでした。
内野さんを中心に、主に小人数のシーンを稽古していったので、
みんな時間差で来ては帰って行き、お休みの人もいました。
エデのシーンは時間をかけてやってもらったわけですが、どうも不器用な私のせいで、
高瀬さんまでも巻き込んで、路頭に迷い込んでしまいました。

「エデ」とは、ギリシャ語で貞節、純潔、無垢といった意味を持っていて、
物語中では、まさにモンテ・クリスト伯の心のオアシスになる人物です。
だから、浮世離れした雰囲気とか、詩的な物言いとか、
見た目や仕草の美しさがネックになってくるのでしょうが、
私の不器用さをよく知っている高瀬さんは、表現を先に求めると私がパニくってしまうので、
ハートの部分から理解させようと苦労してくれていたわけです。

でも、客観的に稽古を見ていた先輩から
「エデがどんな女なのかさっぱりわからない。」という、本当に愛あるダメ出しが…。
どうも、苦しいシーンになりすぎてしまっていたようです。
そこで、私も高瀬さんも、もう一度白紙に戻ってみることにしました。

小休止…。

稽古場で何人かの人たちと飲みました。
ここ数日で頑なになってしまっていた私の心は、
初めみんなの輪の中に入ることさえも苦痛に感じました。
でも、みんなの中にいるうちに、城壁が崩されていくように、心もほぐれてきました。
悩んでいる人がいると敏感に察知するやさしい仲間たちは、
間接的な励ましとして、私を囲んで「下ネタしりとり」を始めました。
露骨な表現ではなく、想像力をふくらませる言葉じゃないといけないとかで、
「くびれ」「れんぱつ」「つぎつぎ」・・・などと、アホなことばかり。
ゲラゲラ笑っているうちに気持ちも楽になりました。

そして、日記をサボって考え事をしながら迎えた本日、23日。
朝起きたらみんなのおかげですっかり元気。
元気になると、打開策も浮かんできます。
空の青さも心に染みます。ああ、幸せだなぁ。
今日は頭から順に稽古していきます。
だいぶどのシーンも整理されてきました。
群衆シーンも、見せるべき芝居が立つようになってきました。
ダンスにもまとまりが・・・。
牢獄のシーン、ファリア司祭の関さん、素敵です!
一幕はこの前もいったように、このまま練り上げていけば大丈夫そうです。
ニ幕に入ると…。
冒頭の大人数のシーン、高瀬さんは納得がいかないようです。
明日、時間をかけてもう一度創り直すことになりました。

そして、本日エデの出番は無し。
でも、稽古終了後、相手役の内野さんに今思っていることを話しました。
内野さんは、いろんな人に自主稽古を申し込まれて大変そうですが、
少しもいやな顔をせず、いくらでも付き合ってくれます。
一人で悩んでも埒があかないけれど、
思い切って人とコミュニケーションをとることで何かが動いていきます。
やっぱり芝居はみんなで創るものなんだなぁ。
昨日までのことは一度忘れました。
若松さんが消しゴムを差し出してくれたので、台本の書き込みも全部消しました。
新しく生まれ変われそうな気がします。
明日からは幸せな気持ちで、みんなに感謝して演じることができそう。

家に帰れ、この日記を読んでくださっている方々からの激励メールが沢山入っています。
本当に励まされます。頑張れます。
本当にありがとうございます。
皆さんにお返事を出す時間が無いのが辛いです。


今日も私的な日記になっちゃいました。ごめんなさい

小道具担当のスタッフ、
長崎紀昭さん(右)。
先輩(金沢さん)に
肩を揉んでもらう
寛恵ちゃん。
寝ちゃった原さん。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

12月21日号。
今日は、通し稽古の前に、ファイティングコーディネーターの渥美 博さんがいらっしゃって、
数あるアクションシーンを指導して下さいました。
今までは自分達の知恵でやっていたのですが、さすがプロの手が入ると迫力が違います。
ものすごくダイナミックで、暴力的で、かっこよくて、計算され尽くしている…。
もうタメ息ものです。
そして、渥美さん自身の動きの切れの良さったら…!ああカッコいい !!
スペシャリストだなぁと感心してしまいます。
渥美さんのおかげで、芝居が数段引き締まり、劇的になりました。
その成果は乞う御期待!
それにしても、みんなケガだけはしないでね…。

さて、立ち稽古が始まって初の、強引なる通し稽古がやってきました。
今日から音響さんも機材を持っていらっしゃって、音楽やら効果音やらが入ります。
波の音…。
さあ、始まりました。毎日毎日自主稽古を積んでいる助ちゃんの登場。
久しぶりに見たらすごく良くなっています。頑張れば必ず成長するのだと励まされます。
おっ、効果音です。すごい、こうなるのかぁー。
初めて聴く音楽も、うーん素敵。
時々、ドラマチック過ぎて恥ずかしくなったりして…。
でも、『モンテ・クリスト伯』なんだからドラマチックでなくっちゃ!
そして、さあダンス!なんだかグチャグチャですが、テンションだけは高い !!
群衆が去って、エドモン・ダンテスの敵、ヴィルフォール登場。
あれあれ?とってもカッコいいです。普段の若松さんとは大違い。
内野さんの爽やか好青年ぶりも素敵です。
一幕は全体に結構安定していて、これならいけそう、という感じです。

問題のニ幕。
大人数のシーンはやっぱり大変です。随分空気は出来てきたけれど…。
内野さんも、一幕に比べて役作りが大変そうです。
なぜなら、復讐のためにエドモン・ダンテスがモンテ・クリスト伯という人物を演じている、
という複雑な作りだからです。
それに、今現在、実際には回らない廻り舞台の使い方を確認するだけでも大変な作業です。
うーん、ニ幕はまだまだです。ラストへ行くほど、高瀬さんの演出プランもまだ検討中だし…。
でも、個人個人は確実に良くなっています。
迷路に入りこんでダメ出しの嵐だった若手たちも、随分良くなってきました。
研修科の城全君の上達も目を見張るものがあります。森田君も頑張っているし…。
私自身はまだまだ全然ダメです。
流れでやってみてわかったことは、
エデのシーンはうっかりすると文字どおり流れていってしまうということ。
短いシーンにどれだけのことを盛り込めるか…。
まだまだ努力不足です。私のエデでは、伯爵の心を癒せない…。
伯爵の心を癒せなかったら幕も閉まらない。
ということで、明日はエデとモンテ・クリスト伯のシーンの抜き稽古。
今日も勉強します…。

アクションの指導をする渥美さん。 音響効果の斉藤美佐男さん(左)
山崎純一さんと、機材。

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