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第5章 成長

1)人間関係の成立

【人間関係】は本作においてキャラクターの行動を規定する重要な要素です。 人間関係に関する成長には、大きく分けて、成立、進化・希薄化、解消の3種類があります。以下、項目をおって解説していきます。

人間関係の成立とは、人間関係のなかった相手との間に新たに人間関係ができることで、プレイヤーが主体的な操作で人間関係をつくる【取得】と、相手側からのアプローチによって人間関係が成立する【陥落】に分けられます(相手にアプローチをかけて【陥落】させることを【成就】といいます)。

アプローチ判定によってメンタルガードが0(または相反する人間関係の関係強度分のマイナス)以下になり、人間関係を結ぶ仕方(陥落)については、第3章で説明している通りです。

主体的に、新たに人間関係を獲得する【取得】は次の手順で行います。

まず、相手の言動(第三者を通じた伝聞含む)の中で、取得しようとする人間関係に即したものがあった時点で、プレイヤーがGMに申告し、手札から絵札を切って絵札修正の分だけメンタルガードを減らします。MGが0以下(相反する人間関係がある場合にはその関係強度のマイナス値以下)になった時点で、関係強度1、関係強度補数10で人間関係を取得します。人間関係を取得したら、MG上限値が上昇します。また、MG現在地は上限値の半分(端数切り上げ)まで回復します。

なお、人間関係の取得時に限り、絵札修正は、次の数値で計算します。

【人間関係取得時の絵札修正】
J=1点、Q=2点、K=3点、A=5点、JOKER=10点

このときに切る絵札の修正値は、相手の言動をキャラクターがどう評価したかを表しますので、手札の制約はありますが、シーンに合わせて選んでください。複数枚を組み合わせて数値を調整しても構いません。スートは関係ありません。

ただし、そうした言動があるたびにMGを減らしていると、MGが極小になったところに思わぬ相手からアプローチをかけられて陥落する危険があります。こうした事態を防ぐため、【印象の保持】という操作ができます。

印象の保持とは、上述した【人間関係の取得】で、本来ならMGを減らすのに相当する言動があった時点で、MGを減らさずに絵札を手元にキープし、MGが0点になるだけの絵札がたまった段階で、一気にMGの減少→人間関係の取得、という処理を行うやり方です。

印象の保持の手順は次の通りです。まず、取得しようとする人間関係に即した言動を相手がした(あるいは第三者経由で聞知した)時点で、プレイヤーがGMに申告し、手札から絵札を切って手元に表を向けて置きます(捨て札にせず、手許に残します)。これを、【キープ】といいます。絵札をキープしたプレイヤーは山札から札を補充します。

キープ中に相応する言動があり、新たに絵札を切ることができる場合はいつでも、キープ中の絵札の絵札修正と加えて、一気にMGを減らすことができます。そうしてMGが0になれば、人間関係を取得できます。人間関係を取得した時点で、キープしていた絵札を捨て札にします。他の人からのアプローチなどでMGが減少したことによって、キープ中の絵札のみで人間関係が取得できるようになった場合には、キープ札でMGを減らすことはできません。人間関係を取得する最後のきっかけとして、相手の新しい言動が必要です。

ただし、印象保持状態にできる人間関係は1種類だけ、対称1人だけに限られます。ある人物に対して「敵」の印象を保持しながら、同じ人物に「ライバル」の印象を保持することも、ほかの人物に「友人」の印象を保持することもできません。

印象保持中の人間関係の取得について、相手と疎遠になって人間関係を育む余裕がなかったり、相手との間に結びたい人間関係が別のものになったり、他の人間関係の取得を優先したかったりといった様々な取得を中途で断念することがあります。その場合、通常判定後に山札から手札に補充するのに代えて、キープ中の札がなくなった時点で、印象の保持は中止されます。逆に、キープ札がなくなる前に補充すれば、中止しようとしていた人間関係の取得を再開することも可能です。

人間関係の取得の特例として、【一目惚れ】があります。【一目惚れ】とは、対象と始めて、またはきわめて久しぶりに出会ったときに、初対面の印象が強く感じられて一気に人間関係の取得に進む状態を指します。巷間で使われる用法と違い、いわゆる恋愛感情に限定されず、全ての人間関係について【一目惚れ】という用語を使いますので誤解なきようお願いします。

【一目惚れ】の場合、MG減少幅が絵札修正の2倍になります。【一目惚れ】特例が適用されるのは、初対面の相手と行動を共にする一連のシーンの間だけです。ただし、シナリオの演出や必要上、例えば別行動しているキャラクターの行動処理を途中ではさむなどして、実際には連続したシーンを複数に分割した場合はこの限りではなく、初対面シーンが継続しているものとして扱います。また、初対面時が挨拶程度の極めて短いシーンで、その後に比較的長く行動を共にするシーンが発生した場合はこちらも初対面に含むなど、GMの判断で柔軟に判断して構いません。

人間関係を取得した場合、アプローチによる陥落と同様、MG上限を1点増やします。

取得した人間関係が既存の人間関係に矛盾・相反する場合、プレイヤーはGMに申告し、その承認を得た上で、矛盾する人間関係の関係強度補数を10点減らします。複数の人間関係と矛盾する場合、減らす関係強度補数の合計が10点になるようにしてください。内訳は矛盾の程度に応じてプレイヤーが提案し、GMが承認して決めます。この際、関係強度補数が一定数まで下がると関係強度が下がったり、人間関係が解消されることになります(次節以降参照)。

原作第3話のサブヒロイン、上遠野文絵で人間関係の取得を見てみましょう。

カミィが取得するのは主人公に対する「想い人」。バイト先の喫茶店「アダージョ」の常連客である主人公のことは彼女も気になっており(J2枚をキープ)、塩入りコーヒーを入れたときのリアクションにも好感を抱きました(Qを追加キープ)。けれど、いい加減なギターの腕で遊び半分にバンド再結成を申し込まれたことには失望(Jを1枚破棄)。色仕掛けにも反応しない生意気さも気に入りません(さらにJを破棄)。

しかし、その後に必死でギターを特訓し、見る見る上達させたことには驚きました(Qをキープ)。「なんでそんなに頑張れるの。報われる保証なんてないのに」――。カミィの疑問に答えた「保証がないからこそ、本気でぶつかるんだ。報われなくても後悔しないくらい、全力で」との言葉に身震いし、Kを切ります。キープ中のQ2枚と合わせて、この時点のカミィのMG6点を上回る7点に達したので、GMに宣言して「想い人」の人間関係を取得しました。

関係強度は1、関係強度補数は10で、MG上限が1上昇。新たなMG上限値7点の半分(端数切捨て)である、3点までMGが回復します。

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