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第4章 論撃バトル

1) 論撃の流れ

各ターンは以下のような流れで展開します。具体的な達成値の判定式やダメージについては、次節以降で順次触れていきます。まずは大まかな流れを把握してください。

0:先攻決定
 各ターンにおける先攻/後攻を決めます。第1ターンでは、論撃バトルに入ったシーンで論撃を仕掛けた側が先攻になります。プレイヤーが論撃の糸口をつかんでいない場合には、NPCに先攻させてもかまいません。それでも先攻が決まらないときは、論撃レベルの高いほうが先攻します。

また、2ターン目以降は。前のターンの論撃に勝った側が先攻/後攻を選べます。前のターンが引き分けに終わった場合、先攻/後攻は変更せずに続行します。

1:論撃フェイズ
 先攻側が言葉による攻撃=論撃を行います。

まず論撃に用いる愛情属性を決め、その属性値の枚数、論撃用途ランプの手札を捨てて山札を引きます。このとき、属性地が手札枚数を超える場合は、全ての手札を交換します。

カード交換の後、愛情属性と論撃能力を組み合わせて論撃します。台詞は必ず口にしてください。ここで判定に用いるカードを出しますが、裏向きにして場に置いてください。絵札を補助札として用いる場合などはきれいに重ねて、枚数が分からないようにしてください。また、台詞は使用する論撃能力に沿ったものにしてください。

判定の際には、用いる論撃能力、愛情属性を宣言してください。

2:論駁フェイズ
 先攻の論撃を聞き、これを論破すべく後攻側が反論=論駁します。

 手順は先攻の論撃と変わりませんが、後攻側は先攻の提示した論点に沿って論駁する必要があります。

また、後攻側は先攻がどの論撃能力で論撃してきたかを見て、相性のよい論撃能力で論駁することにより、ボーナスが得られます。逆に相性の悪い論撃能力で論駁すれば、達成値がマイナスされます。

論撃能力相互の相性は具体的には、理論<感情、感情<行動、行動<気迫、気迫<理論です。不等号の後ろ側の論撃能力を使うと+2のボーナス、不等号の前川の論撃能力を使うと−2のペナルティーが入ります。なお、理論と行動、感情と気迫の組み合わせではボーナスは発生しません。

3:反論フェイズ
 先攻側が後攻側の論駁に対して再反論します。

後から論駁する後攻側がロジックの上でどうしても有利になりがちなための救済措置で、極めて短い言葉で相手の論駁の矛盾や不備を突く程度にしてください。あまり長くなりすぎると、二回論撃しているのと同じことになり、かえって先攻が有利になりすぎるからです。

反論にはカードは用いません。

4:宣言フェイズ
 論撃、論駁、反論を聞いたうえで、論撃バトル参加者自身が、明らかに自分のほうが負けている、あるいは相手の言葉でキャラクターが精神的ダメージを受けたという場合に【敗北宣言】します。先攻・後攻いずれが宣言してもかまいません。

敗北宣言があった場合、達成値の多寡によらず、宣言した側がMGにダメージを受けます。

敗北宣言をした場合、後述する徴収ポイントがMGダメージに合算されず、ダメージを受けた側が一定の範囲内で任意にダメージを多くすることができます。慣れてくれば、演出的にも戦術的にも活用できるはずです。

敗北宣言をした場合、直接ダメージフェイズに移行します。

5:聴衆フェイズ
 論撃に参加していないプレイヤーやGMがこのターンの応酬を聞いて、論理的整合性がある、議論の主導権を握っている、「押している」と感じた側に聴衆ポイントを投じることができます。

ポイントを投ずる聴衆は、通常判定用の手札からランダムに選んだカードを、評価する側に裏返して置きます。

聴衆の人数が3人以上の場合、聴衆は1ターンの攻防に対し、それぞれ1枚の聴衆ポイントを投じることができます。2人以下の場合は、それぞれ2枚の聴衆ポイントを投じられます。

聴衆ポイントは論撃/論駁の達成値にボーナスとして働き、1枚で2点、2枚で6点のボーナス、3枚以上が与えられると、達成値の多寡によらず絶対勝利です。

聴衆ポイントが両側に分散した場合は、ポイントの差で判断します。通常のセッションではありえないでしょうが、先攻が3枚、後攻が2枚を獲得した場合なら、先攻に1枚分のボーナスである2点が与えられるだけで、絶対勝利にはなりません。

聴衆ポイントはMGへのダメージにも加算されます。

なお、論撃を評価する主体はPCではなくプレイヤーであり、キャラクターの価値観や立場ではなく、あくまで議論の優劣を評価基準としてください。

聴衆ポイントは聴衆それぞれが一回の論撃バトルで手札の5枚までしか投じることができません。どのくらいの優劣で聴衆ポイントを投じるかは微妙な判断の求められる問題です。セッション参加者の論撃技術などを考慮しながら、あまりシビアになり過ぎない範囲で投票してみてください。

6:判定フェイズ
 最終的に達成値を計算し、このターンの勝敗を判定します。判定式については後述します。

達成値が低かった側がこのターンの敗者となり、MGにダメージを受けます。

7:ダメージフェイズ
 敗北宣言や判定フェイズで決まったこのターンの敗者が、MGにダメージを受けます。

具体的なダメージの算出式は後述します。ダメージをMGから引き、0以下にならなければ論撃バトルは続行されます。次のターンは、このターンで勝利した側が先攻/後攻を選択できます。

MGが0以下になった場合、論撃バトルはそこで終了します。無論、MGが0以下になったほうが論撃バトルの最終的な敗者です。

なお、どちらもMGを残していても論撃可能ターン数に達した場合、論撃バトルは時間切れ終了となります。この場合の勝者は、残りMGの多寡によらず、論撃バトルで相手に多くのダメージを負わせた側となります。最大MGが高い場合には、残りMGが多くても敗者になることがありますので、気をつけてください。

8:勝ち台詞
 論撃バトルの勝者が確定した時点で、勝者は敗者に言葉を贈ります。

原作の論撃バトルでも、勝敗が決まった後にキャプテン・ラヴや論撃使いが何やら喋りますが、あれだと思ってください。

今回の論撃バトルを総括し、相手に新しい恋愛間の指針を示すのです(大きなお世話ですが)。

ゲーム的な面では意味はありませんが、演出面やシナリオの展開に活用することができますので、研究してみてください。

原作第3話、軽音部・蓬田との論撃バトルを例にとって、処理の手順を見ていきましょう。第3話時点のキャプテン・ラヴは論撃レベル7、蓬田は論撃レベル6なので、それぞれ論撃用トランプが7枚と6枚、配られます。

1ターン目は7月7日がどうのという話題なので、キャプテン・ラヴがターンを制したことにして、2ターン目を取り上げます。先攻/後攻はキャプテン・ラヴに選ぶ権利がありますが、原作では常にキャプテン・ラヴが後攻なので、後攻を選んだと解釈します。

蓬田の論撃では、2ターン目から七夕にまつわる自分の過去の話題を取り上げます。これは「魂の履歴の引用」になります。まず、話題からして愛情属性は【保身】にあたりますが、蓬田の保身の属性値は4なので、トランプを4枚捨てて山から補充します。論撃能力としては【理論】で攻めます。

●蓬田「俺だって分かるよ。七夕っていう特別な日に大事な話をしたいって気持ちくらいはさ。でも、七夕は年に1度だけだろ。その日に2人から大事な話があるって呼び出されるって、どういうことよ。2人とも好きな俺はどうすりゃいいんだよ。分身の術とか使えねぇんだから、こっちの都合も考えろっつーの」

次に、キャプテン・ラヴの論駁です。相手のいい加減なラブを指弾するには、「本気」で論じるのが一番です。本気の属性値は4なので、トランプを4枚交換。くどくど議論するより、短い言葉で切り捨てたほうがいいと、【気迫】で論駁します(ルール上は気迫は理論への相性が悪いのですが、手持ちの札の都合も考慮して決めます)。

●キャプテン・ラヴ「お前が、その2人に半端なラブを注いだからだよ!」

蓬田の反論です。ここでは札は切りません。

●蓬田「違う、俺は2人とも好きだったんだ」

続いて宣言フェイズですが、今回は双方とも敗北宣言せず、聴衆フェイズに移ります。このセッションのPCは、キャプテン・ラヴのほか、杉江と香織、そしてカミィ。蓬田はNPCなので、杉江、香織、カミィの3人が聴衆として優劣を判断します。もっとも、聴衆の判断にはPCとしての視点は含まれません。聴衆が3人なので、1ターンに各人が投票できるのは1票のみ。杉江とカミィの中の人が1票ずつ、キャプテン・ラヴ側に投じました。

さて、いよいよ判定に移りますが、まだ判定式を紹介していませんので、章末に続きます。

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