サイバードライブゾイド(仮称)
サイバードライブゾイドと称される、ゲームボーイアドバンス用のゲームは、ゲームボーイアドバンスという小さな画面とはいえ、画面の中で行うビデオゲームと、ゾイド本体を同時に楽しむことを目指したゲームである。
サイバードライブゾイドの最大の特徴は、ゲームボーイアドバンスに、新たに発売される赤外線送信ユニットを装着して、ゾイド本体を赤外線でリモートコントロールして遊ぶことが出来るようなっている事である。このままでは、単にゲームボーイアドバンスを送信機に用いただけのラジコン・ゾイド、になってしまうので、ここにゲームの要素を絡めることになる。
遊び方は。まず、ゲームボーイアドバンスで遊んで、ゲームの中で自らが操縦するゾイドのレベルをアップさせていくことになる。その後、有る程度レベルアップしたところで、今度は、誰かと本体同士を対戦させて、対戦に勝つことで、ゲームだけでは得られないレベルアップをはかり、更にゲームをすすめていく事になるそうである。
今回のゲームショーで展示されていた機体を細かく見てみることにする。 展示されている機体は、まだまだ開発途中のため、内部の基盤やリード線がむき出しになっている部分が有るが、デザイン的にはほぼ決定のようである。 |
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まず、背中に背負っているのがBB弾を発射機である。
BB弾を対戦に使用する場合には、ヒットポイントが必要となる。このゾイドは、後部に一カ所だけヒットポイントが設けられており、ここにBB弾が命中すると、機能が停止するようになっているそうである。つまるところ、この前述したこのゾイド同士の対戦は、相手の後ろに回り込んで、真後ろからヒットポイントめがけて、BB弾を発射することが目的となる。いわゆる動物的な格闘戦と言うよりも、戦闘機同士のドッグファイトに近い遊び方が想定されている。このため、トミーでは、本体を使っての格闘戦の最中に、一度だけ通常の歩行スピードよりも速いスピードで逃げることが可能な加速モードとでも言うべき機能を持たせようと検討しているようである。おそらく、本体で対戦する前に、ゲームボーイアドバンスでどういう遊び方をしたかどういうレベルに達したかによって、そうしたモードが使えるか否かなどの違いが出てくるようなゲームになるのではないかと想定される。また、BB弾を撃ち尽くしたあとに、このヒットポイントめがけて衝突した場合、相手にダメージを与えたと認識されるのかは確認できなかった。
こして、一方のゾイドのヒットポイントが作用して、機能停止に陥ったことが、対戦中の両者のゲームボーイアドバンスに伝えられ、勝敗が記録され、勝敗によってレベルが変わってくることになる。
こうした遊び方が想定されていても、当のゾイド本体が、命令通りに動いてくれなければ話にならない。
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記述の通り、ゾイドは、ゲームボーイアドバンスに装着される赤外線送信ユニットにより操作される。ゾイド本体には腰部の上面にドーム状の赤外線受光部が設けられ、ここで命令を受信することとなる。この位置では、他の装備に隠れて影になってしまいそうな気もしなくはないが、基本的には、ユーザーはゾイド本体後方上面から操作することになるであろうと想定されていることから、設定された位置関係であろう。担当者に、「同じように赤外線で操作することの出来るデジQが、どこと無く反応が遅かったり、信号の届く範囲が狭いように感じることとがあるが大丈夫か」と、質問をぶつけてみたところ、「ゾイドの動きはデジQと比較して、もともとから動きが遅いために、赤外線送信による反応の遅さは、感じるほどの問題にはならないし、広い範囲での対戦にはならないと想定している」との返事であった。 |
首は、前半胴体に固定されているわけでないようで、曲がって歩行するために、体が曲げられると、更に首の部分で曲がった方向に向くようになっており、自然と体を曲げているように見えるような、工夫がされている。マッドサンダーやウルトラザウルスの尻尾のような工夫が、このゾイドの首の部分でなされているといえる。反面、背中のBB弾発射機は、後半胴体に固定されてしまっているので、体を曲げて首が曲がっても、BB弾発射口は首とは別の方向を向いてしまっていることになる。どうしても、動力ないし電力を伝達する関係から仕方のないとはいえ、自然な動きという意味では、残念な点である。今後、もしヒットポイントを増やしていくような方向に動くので有れば、体をひねって、その方向にBB弾を発射できるようになると、自分のヒットポイントをカバーしながら相手をねらえるなど、操作の可能性も広がってくるように感じる。
このゾイドの他にも、ブロトンテリウム型のゾイドも考えられている。また背中の装備も、BB弾発射機以外の装備も検討されており、対戦方法の多様化が考えられているようである。
このゾイド。現在の段階では、ビス止めで作られている。これをゾイド特有のゴムキャップを用いての組み立てにすることで、互換性と遊びの広がりが出来ないだろうかと思わされた。ゴムキャップの留め軸の先端部分にヒットポイントに相当するセンサーを設けて、ゴムキャップが外れる、ないしはゴムキャップで留められた装備が外れたことで、ヒットポイントとしてカウントされるような形にしておく。そして、ゾイド同士のぶつかりあいで、装備の取り外しあい、という、動物同士の格闘戦に近い形が再現できるような、対戦型ゾイドが出来るように思える。この場合、装備が外れないまま倒れたときは、対戦が継続可能なため、どのように立ち上がり直すかなども検討課題となってくるため、単にセンサーだけを換えればよいと言うわけには行かないであろう。しかし、他のメーカーのラジコンロボットが、人型の2足歩行で、BB弾や赤外線レーザーでの対戦をさせようとしている中、動物型であるゾイドの特徴を生かした対戦が出来るようなゾイドが出てくることも、考えても良いのではないかと思われる。