親愛のしるしは攻撃の合図 fire!

 

 ゾイド・ワイルドも登場から1年以上経ち、すっかり定着したようです。本体だけではなく、アニメやマンガも好調のようで、それぞれ第2弾作品が作られ事になりました。獣要期もシーズン2に入ることになるようです。

 ゾイドがそんな展開をしている、令和元年。この時期に平成元年に発売されたメカ生体に手を出してみたいと思います。取り上げるのは、ジーク・ドーベル

 ゾイド新世紀と銘打って始まった、暗黒大陸戦争期第二段のラインナップの一つです。今回の製作には、メカ生体版を用います。その理由は単純。再販されたジーク・ドーベルは、いわゆるパワーユニット部分が組み立て済みになっているためです。本来のこれらグレードアップゾイドシリーズは、自分でモーターとギアを組み込んでパワーユニットから組み上げていく仕様になっています。ここでの作業方針を考えると、組立済みパワーユニットでは、とても作業がしづらいわけです。そこで、本家ジーク・ドーベルを持ち出してきました。

 同梱されている「ZOIDS新世紀」と読めるカタログで、わかってもらえると思います。

とりあえず、ランナーを取り出して完成後の様子を考えてみました。こうやってみると、ジーク・ドーベルのランナーは、赤がオレンジだったら、ガル・タイガーと同じ色構成なんだなとも思いましたし、黄色が赤だったら、ゼネバス帝国のMk-2部隊と同じなんだなとも思いました。このランナーレイアウトで部品単位で見た場合は、必ずしもガル・タイガーの配色にもゼネバスMk-2部隊の配色にもならないのですが、ランナーに使われている色の選び方、と言う点では、ガイロス暗黒軍が登場した直後のゾイドの過渡期なので、ガイロス・ゼネバスの新旧どちらの要素も持っている、という見方も出来るのかもしれません。

 まだ、完成後のイメージはつかめていませんが、各部品のパーティングラインの処理を始めていきます。離型剤を落とすために、ランナーをそのまま中性洗剤につけてしばらく放置し、その後乾燥させてから作業に入っています。

 フォトン粒子砲のアーム。

 全周に渡って、パーティングラインが走っています。この部品は、それほど形状が複雑ではないので作業はそれほど難しくありません。

 フォトン粒子砲本体。

 全周にパーティングラインが走っています。裏側の肉抜き穴の処理が後の作業の課題となります。

 足の下側。

 時には、「まるで赤い靴下をはいているよう」、と評される、ジーク・ドーベルとしては、特徴的な形状と配色となっている部品です。

 足の部品四つは、少し手間をかけています。

 爪先部分は、パーティングラインを利用してそのまま筋彫りをしました。これにより、爪先が4つに分割されて独立して接地するようなイメージを狙いました。

 いわゆる甲の部分は、ただパーティングラインを消すだけではなく、気持ちパーティングラインがあった部分にそって左右のエッジ部分よりも少し深めになるように削りました。アールのついている刃のデザインナイフでカンナがけしています。見た目ではわかりませんが、完成後横から光があったときに、単なる平面ではない光の当たり方がに微妙な違い出ればおもしろいなとは思っています。

 足の上側。

 形状が複雑でありながら、パーティングラインが走っています。

 ダクト状の部分の溝も一本一本処理しました。段差の大きな所は、プラ板を貼ってかさ上げしてから処理しています。

 場所によって工具の届かなかったところは、そこそこに済ませています。パーティングラインを消すために、一度切り離して元に戻す、と言うような大業は繰り出しませんでした。

 全ての部品を確認しながら、パーティングラインを処理していきます。ずっと1999年の復活以降のABSのゾイドばかり加工していたせいか、スチロール樹脂のゾイドが硬く感じます。

 

続く next

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