ジーク・ドーベル

高速格闘戦型

ZeekDober

暗黒軍

型式番号

DPZ-13

シリーズ

B/O

グレードアップゾイドシリーズ(89年6月のカタログより)

ゾイド・ジュニアコレクターズ(90年7月のカタログより)

ジュニアコレクターズ(90年10月のカタログより)

タイプ

<ドーベルマン型>

発売

1989年8月〜end

全長

15.2m

定価

1300円

全高

9.0m

オペレーション

バッテリー

全幅

6.1m

ライト点灯

無(ただしグレードアップユニットNo.3により点灯可能)

重量

61t

使用電池

単3×1

最大速度

350km/h

部品点数

42(※1)

乗員

1名

ゴムキャップ

M(グレー)12個

搭載ビークル

主成形色

ブラック・イエロー・レッド・シルバー

主要目的

格闘戦・隠密行動・親衛

キャッチフレーズ

-

ギミック

-

その他

-

装備

装備名

搭載数

特徴

ヘルブレイザー

2

フォトン粒子砲

2

パルスガン

1

尻尾

高機動ブースター

1

背中に装備

ドップラーレーダー

2

耳状のレーダー

パワーコネクター

1

背部に装備

特徴

暗黒大陸軍、直属部隊所属メカ。すさまじい威力を発揮するフォトン粒子砲、2門を装備し、白兵戦では、背部のヘルブレイザーで敵を切りさく。機動性に優れており、高速での格闘戦を得意としている。また、ボディーはステルス機能を持ち、隠密行動による情報戦も可能とする。ブースター使用によって、最高350km/hでの走行を可能にしている。戦闘総合力は通常30ZEPである。

掲載バトルストーリー

共和国軍は、暗黒大陸にある広大な亀裂地帯で、暗黒軍とし烈な局地戦を繰り返していた。峡谷の特殊な地形を利用した暗黒軍の攻撃のため、共和国軍は一進一退を続けた。ゾイド暦2045年、戦局はかわらず、戦いは長びいていた。共和国軍は、峡谷での戦闘に有利な高機動のゾイドを開発し、精鋭部隊を編成し。対する暗黒軍も、ガイロス皇帝の命令により戦力の増強をはじめた。前線では、高速、高機動のメカの激しい格闘戦が展開された。

※1:この他に、モーターとギア部品があります


 

 新たに加わった、グレードアップシリーズとして、共和国軍のハウンドソルジャーとともに登場したゾイドである。

 

 モチーフのドーベルマンは犬であるが、犬型のゾイドは考えてみれば初めてであり、今まで出てこなかったのも不思議であったかも知れない。対するハウンドソルジャーもシェパードをモチーフにしており、ここに来て犬をモチーフにしたゾイドのラッシュになっている。

 犬という、あまりに生活の場に近くにいる動物のため特徴を見いだしにくくなっているせいであろう、ジーク・ドーベル、ハウンドソルジャーともに、本体に大きく目立つ専用外装兵器を搭載して、初めて戦闘機械獣となることができている。

 犬が地面につけているのは人間で言う爪先の部分である。しかし、できあがったジーク・ドーベルの足は、思わぬところにかかとができてしまったように見える。一応は成形色を変えて、正しいかかとの位置とそこから先の部分で色を変えることでモチーフに忠実であろうとする努力は見られる。しかし、どうもこの安定感ありすぎの形が、直立不動の銅像のようにも見えなくなく、動くはずのゾイドであるが、基地でスタンバっているだけのゾイドに見えてしまうのはいかんともしがたい。(赤いブーツを履いている飼い犬か・・・・・)

 ジーク・ドーベルに使用されているのは、Mキャップであるが、このジーク・ドーベルに搭載すべき、もっとも機能的なグレードアップユニットの組み合わせはパルスキャノンである。このパルスキャノンには、Eキャップが使われており、本体と搭載兵器でキャップの順列における逆転現象が起きてしまっているのは、ゾイドの終焉を示唆していたのであろうか、と後になって考えたくなってしまう。

 

 ジーク・ドーベルのボディーは、ステルス機能を有すると解説されている。しかし、現在(98年)ステルス機能とは、平面を組み合わせることが、形状的にもっとも効果が表れることを我々は知っている。ステルスの代名詞となったロッキードF-117は、1988年11月にその存在が公表され、さらにその2週間後にノースロップB-2爆撃機が初公開されている。いずれも平面や直線を組み合わせたデザインである。1988年11月までステルス機の存在は否定され、推測されていたステルス機とはフリスビーとあだ名されたこともあるような丸い形を組み合わせたモノであった。ジーク・ドーベルの登場は1989年の8月であるが、デザインの決定から、金型の作成、生産、流通、つまり1989年8月に店頭に並べるまでにかかる時間を考えると、1988年11月に全てをくつがえされても、ジーク・ドーベルには間に合わなかったと考えられるのである。ステルス機は黒い塗装がされていることが多い。これは、レーダー波を反射しにくくするための塗装の結果の色でもある。ジーク・ドーベルも黒であり、ステルス塗装という演出もできるが、見た目でステルスを演出するには、丸みのあるボディーでは今となっては説得力に欠けるとしか言いようがない。ジーク・ドーベルはアメリカの情報に振り回されてしまったゾイドといえるかも知れない。

 

ジーク・ドーベルパッケージより転載