改造を考える-2 how to remodel-2 

 

ガトリング砲を回転させる

 ここから、ハイブリットバルカン砲にかかわる、二つの命題、回転させるという事と背中の開口部から動力を取り出す、を同時に克服します。

 何度も仮組みをして方法を色々考えました。最初に思いついた方法は、口の開閉のための回転動力を、パワーユニットの外側でギアを介して背中の開口部にまで引っ張ってきて、そこから垂直に回転軸を立ちあげる、という方法です。しかし、その方法では、ギアの保持の仕方にに良い方法が思いつかなかった事と、サーベルタイガーで成功している肩の上の装備を上下させるギミックの追加が出来ない事に気付いたので、別の方法を更に考えました。そして、あることに気付きました。一言で言えば、「素晴らしい位置関係」。方法は決まりました。

 

 まずは、パワーユニットの上面を平らにします。

 ドライバーでネジを外して、上蓋を外します。口の開閉ギミックのための部品を引き抜きます。その後、サンドペーパーで上面を平らにします。当生産工場では、1999年から何度もやっている方法なので、それほど抵抗なく出来ました。

 パワーユニットから、モーターの動力を前後に分配するためのギアを取り出します。このギアは、ギアのかみ合わせがずれないようにするための、自動クラッチのような役割を果たしているスプリングを装備しているギアです。

 このギアの、円柱状のギア部分、画像では右側の歯の数の少ない方の部分を適度に削りこみ、ギア全体を画像で言う右側に寄せます。

 加工のすんだギアをパワーユニットに戻すとこんな感じです。必要な部分を右側に拡大しました。黄緑色のラインが当初の位置です。これを画像のような位置(水色の矢印の位置)までずれるようにギアを削りこみます。前後のギアのかみ合わせが外れないギリギリの位置です。

 

 ミニ4駆用のクラウンギアを用意しました。サンドペーパーに押しつけるようにして削り、出来るだけ薄くします。軸を通す穴は、3〜3.5mm程度の大きさにまでひろげます。ギアの中央部には隆起部分があります。この隆起部分は削り落とし、ギアの歯と円盤だけの形にします。

 これをさっき加工したギアに止めます。強度確保のため、接着後、3本の精密ネジで固定してあります。

 出来上がったモノをパワーユニットに戻します。もちろん、クラウンギアを追加したからと言って、既存の機構や保持部分に干渉しないようなっていますし、動きが変わることはありません。クラウンギアが厚すぎたり、自動クラッチ機能のあるギアの位置が適切でないと、モーターを回転させたときに、ギアの一部が内部でこすれることがあります。実際にパワーユニットを動かして、ぶつからないことを確認して下さい。

 

 そして、このクラウンギアを通して、垂直に回転軸を立ちあげます。これにより、ゾイド本来の持つ、ギアのかみ合わせがずれないようにするための安全装置的機能が失われることになりますが、ギミック追加を優先しました。 

 

続くnext

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