ガル・タイガーMk-2

強行強襲型

GulTiger

暗黒軍

型式番号

DPZ-16-2d

シリーズ

B/O

タイプ

<トラ型>

発売

-

全長

16.5m

定価

-

全高

7.4m

オペレーション

バッテリー

全幅

6.0m

ライト点灯

重量

86t

使用電池

単3×1

最大速度

273km/h

部品点数

-

乗員

1名

ゴムキャップ

M(グレー)4個

搭載ビークル

主成形色

ブラック・シルバー・ダークグリーン・夜光グリーン

主要目的

格闘戦・各種単独行動

キャッチフレーズ

-

ギミック

口を開閉しながら、4本足で歩行します。同時に超小型荷電粒子砲を光らせながら上下に動かし、ハイブリッド連装ビーム砲をグルグル回転させます。

その他

-

装備

装備名

搭載数

特徴

超小型荷電粒子砲タイプMk-2

1

ディオハリコン反応炉で発生したエネルギーを使用し、最大出力はタイプMk-1の180%まで可能となった。ただし、ガル・タイガー本体の強度の問題から、通常は、タイプMk-1の120%程度の出力で使用されている。最大出力での射出時は、その出力ゆえに対ショック姿勢をとらざるを得ず、無防備となってしまう。

ハイブリッド連装ビーム砲

1

ディオハリコン反応炉の効果により、Mk-1よりも20%ほど出力が増している。通常は連装ビーム砲として使用されるが、高速回転をさせることで、円筒形のビームフィールドを形成し、バリアーとすることが出来る。荷電粒子砲を最大出力で射出する際に無防備となるため必要になったバリアー機能。ただしビームフィールドは円筒形に形成されるため、真上にはバリアーの効力は発生しない。

パラライザー

1

尻尾の先端に装備

サイドガーダー

4

四肢に装備

ドップラーレーダー

2

耳状のレーダー

パワーコネクター

1

背部に装備

排熱器

1

超小型荷電粒子砲用の排熱装置。タイプMk-2になり出力がアップし、熱発生量も増えたため、新たに装備された。

特徴

 当初、暗黒軍のディオハリコン反応炉を持つゾイド(ディオハリコン・ゾイド)は、ほ乳類タイプよりも改造の楽な、より下等生物である爬虫類タイプのゾイドに行われていた。しかし、恒温生物の機動性が変温生物を上回るのは明らかであり、暗黒軍は、鳥類タイプ、ほ乳類タイプのゾイドのディオハリコン・ゾイド化を目指していた。

 共和国軍の暗黒大陸上陸という思わぬ反撃のため、暗黒軍は、吸収した帝国ゾイドだけでは数の上で不利と判断し、急遽ディオハリコン化されていないほ乳類タイプのゾイド、ガル・タイガー、ジーク・ドーベルを開発し、戦線に送り出した。これら非ディオハリコン・ゾイドは、パワー的にはディオハリコン・ゾイドに劣るモノの、暗黒大陸の環境には適応しており、中央大陸の環境に適したゾイドをメインに配備している共和国軍の前では、十分善戦し得たのであった。これを知った暗黒軍は、開発の楽な非ディオハリコン・ゾイドでありながら、強力なギル・ベイダー、ガン・ギャラドを開発し、共和国軍の進軍を退けていた。この間も、ほ乳類タイプのディオハリコン・ゾイド化の研究は続けられ、ついに、ズィオテクノロジー(Z-iotechnology = Zoids-biotechnology)の発達と応用から、恒温生物タイプのゾイドにディオハリコン反応炉を搭載する方法を見いだしたのであった。

 あらゆる戦線で使用され、その運用にも十分な信頼を勝ち得たガル・タイガーであったが、もともとの開発に偵察を含めていたために、戦隊行動をとる際、他のゾイドと比較して機動力の割に火力が劣っているという指摘が、前線のパイロットからなされていた。正確には、超小型荷電粒子砲の破壊力は十分であるが、エネルギー充填の時間の関係から、連射するために出力を絞っての使用が大半を占めたため、結果、十分な破壊力を発揮していなかったのである。そのため暗黒軍では、ガル・タイガーの偵察機能を省き純粋な戦闘機械獣にすべく、Mk-2へのアップグレードが、早くから検討されはじめていた。しかし、偵察機能と武装では、どう考えても武装の方が重量がかさんでしまう。仮に偵察機能を省いたとしても、パイロットの望む十分な火力を装備した場合は、装備対重量から考えると機動力の面で不利とあることは明らかであった。つまりガル・タイガーのアップグレードには、単位装備重量あたりの破壊力の大きな兵器が必要だったのである。

 ほ乳類タイプのゾイドのディオハリコン・ゾイド化する方法が見いだされたため、ついにガル・タイガーは、Mk-2へのアップグレードが可能になった。まず、生命体コアと連動しているエネルギー反応炉をディオハリコン反応炉に換装、偵察機能を省き、その分の重量をタイプMk-2の超小型荷電粒子砲にさくことになった。ディオハリコン反応炉で発生する莫大なエネルギーは、通常の内部伝導だけではエネルギーロスが発生するため、必要な箇所にバイパスとして新たに動力パイプが装備された。この点が、外見上の大きな相違点である。

 完成したガル・タイガーMk-2は、期待以上の成功を納めた。特に、超小型荷電粒子砲の威力はすさまじく、逆に機体の寿命を考慮して、出力を上げすぎないようにする使用制限を設ける必要も出てきた。このことは、逆に連射するために出力を落として使用しても、Mk-1の最大出力時と同じだけの破壊力を維持できるようになった事を意味していた。また、最大出力での射出時に、その反動から四肢でしっかりと対ショック姿勢をとらざるを得ず、無防備な状態が生じることも明らかとなった。この状態での防御のため、腰部の連装ビーム砲にバリアー機能を持たせたハイブリッド化が急遽決定し、改修が加えられた。

 装備されたハイブリッド連装ビーム砲は、通常はMk-1よりもパワーアップしたビーム砲として使用されるが、高速回転させることでガル・タイガーのまわりに、円筒形のビームフィールドを発生させ、オルディオス程度のエネルギー兵器の攻撃は十分耐えることができた。だが、このビームフィールドは、その発生方法から円筒形にしか発生させることができず、真上の防御は一切されていなかった。

 ガル・タイガーMk-2は量産に移行するところまで計画は進んだが、実際にロールアウトしたのか、また戦闘に参加したのかは確認されていない。

掲載バトルストーリー

-


 今回の改造、もともとは色のみを変更する予定でした。ガル・タイガーをデッド・ボーダーやダークホーンに準じた当初の暗黒軍カラーにしたらどれくらい印象が変わるだろうか見てみたかったのです。その色も、成形色を生かしたゾイドらしさを考え、ランナー単位で変えてしまおうと思っていました。ランナー単位の配色を考えるにあたり、説明書を開いて読んでいるうちに、どうもランナー単位の配色では、ダークホーンにもデッドボーダーにもならないとわかり、部品単位の配色に変更しました。説明書の表紙をコピーして、ランナーの絵を塗り絵の感覚で色鉛筆で塗って資料を作りました。

 色も決まって、今度は塗装との兼ね合いを考えた作業手順を考えはじめました。すると、モーターを納める部分の後ろに、ピニオンギアが入りそうなスペースが空いていることに気づいたのです。これは・・・・。で、さらに腰の部分の盛り上がったところには広いスペースが空いていて、

ゾイドに空っぽの部分があるのは似合いませんよ。何かギミックを仕込めるのでは?

と思ってしまったんですね。それも、電車の中で。これで、予定変更、連装砲を回転させるギミックを仕込むことにしました。で、小火器の方にギミックを仕込むのではあれば、主要兵器が動かないのはおかしいじゃないかとなって、荷電粒子砲の上下運動も仕込むことにしました。

 

 第一の関門は、モーターの後ろ側にいかにしてピニオンギアを取り付けるか。ガル・タイガーのモーターは130モーターと同じ形状。130モータータイプといえば、ミニ4駆も同じタイプ。どこかでミニ4駆用に分解できるモーターがあるようなことを聞いたような聞かないような記憶があったので、模型店に探しに言ったところ、田宮の純正ミニ4駆用のモーターにそんなのは無いと言われてしまいました。しかたないので、付属のモーターの軸まわりのプラスチックを削るという方法に出たのです。結構難しい作業かと思ったら、丸刀で30分もかからずに加工できました。そして、モーターに取り付け装備するとこれがうれしいくらいにぴったりなんですね。そして、クラウンギアセットに入っていた大きいクラウンギアの直径が、ちょうどモーターを納める部品の横幅にぴったりで、なおかつ、そのクラウンギアに軸を取り付けたら、そのまま連装ビーム砲の穴にぴったり合ってしまうというバランスなのです。このまま大型のクラウンギアを使っても良かったのですが、あまりに回転が速すぎたので、ギアを介して少しでも減速したかったので、実際には述べてきた方法をとりました。それでもヘリコプターのローターばりの速さで回転しますので、ハイブリッド連装ビーム砲という設定にして、高速回転によりビームフィールドによるバリアー発生機能を持たせることにしました。例のごとく改造の結果と設定を連動させたのです。本当はレッドホーンのようなスピードの回転をねらったのですが・・・・

 第二の関門は荷電粒子砲。本体の横幅の割に荷電粒子砲が細いので、左右があまってしまってしっくりこない。さらに荷電粒子砲を動かすために右側に寄せることになるので、左側が不自然にあまってしまうので、当初はそこに荷電粒子砲と一緒に動くビーム砲を装備して空いてしまうスペースを補うようにしました。

 もともとの荷電粒子砲を支えていた軸を削り落として、受け軸を作るのですが、この当初の軸が左右対称にみえて実は完全に対称ではなかったので、位置を決めるのにてこづりました。

 荷電粒子砲の位置は、ちょうど足の上、つまり口を開閉させるための角運動を取り出す部分の真上にあるのです。という事は、当初は荷電粒子砲を上下稼働させる予定があったのではないかと思いました。実際、オフィシャルのデザインスケッチの所のガルタイガーは荷電粒子砲が動くような描き方になっています。ギミックも作られて、最後の最後になって省かれて商品としてロールアウトしたのではないかと思います。さらにその証拠として、ガル・タイガーのパッケージの荷電粒子砲の位置は、商品のガル・タイガーの荷電粒子砲の位置よりもかなり下を向いているんですね。ガル・タイガーをお持ちの方は、再確認を。パッケージ用の撮影の時のガル・タイガーは、荷電粒子砲の上下運動のギミックを持っていたかも知れないと思うようになりました。

 第三の関門は、ムギ球。連装ビーム砲にギミックを仕込むとなると、アイフラッシャーの装備が出来なくなります。つまり、荷電粒子砲を光らせる手段が無くなってしまうことに気づいたのです。当初からムギ球を内蔵することにしました。本当は発光ダイオードを使いたかったのですが、モーターと同じ電池を使う予定だったので、1.5ボルトでダイオードを光らせるための基盤を仕込むスペースが確保できずムギ球にしました。しかし、所詮1.5ボルトで、モーターも回して光らせるとなると、全然光量が足りず、かろうじて光っているのがわかる程度の明るさしかありません。今度はムギ球のコードをどうやって電極まで持っていくか、最初はモーターの電極に直接つないで空いたスペースに強引にコードを押しやってみましたが、それでは一回組み立ててしまうと後で分解しづらい事がわかったので、銅板を一部に使って、簡単に分解できる方法を考えて採用しました。ギミックが増えた分モーターにも負担をかけるわ、ムギ球は光らすわで、電池の寿命は驚くほど短いです。連続使用でおよそ5分程度です。

 第四の関門は、蓄光パーツ。当初は、プラカラーとして売っている、蛍光グリーンと蛍光イエローを混ぜてそれらしい色にしようと思っていました。ところが、あるところにはあるもんで、夜光塗料を作る顔料を売っているのを見つけたのです。で、これを使うため、無色のプラカラーを買ってそこに顔料を入れて夜光プラカラーにしました。下地の色を出ないようにするため、5日かけて5度塗りしました。でも、所詮個人の作ったプラカラーなので、粒子が荒く、とてもざらついた表面になっています。デッド・ボーダー、ダークホーンばりに、あまり良く光りません。気休め程度の蓄光の塗料ですけど、とりあえずよしとしています。

 第五の関門は、スプリング。一度全て部品を組み上げて、そのまま完成としていました。しかし、やっぱり暗黒ゾイドらしいイメージを与えるスプリングが欲しくなってしまったのです。それもスプリングを取り付けるなら荷電粒子砲につながるスプリングがないと気が済まなくなってしまい、せっかく作ったビーム砲を切ってしまいました。そして、荷電粒子砲専用の排熱装置としたのです。しかし、個人的に、このバイクのマフラーのような、長さの違うスプリングの配置はかなり気に入っています。

 

 せっかく新しい動きを作ったので、本当は長時間露出の動きを見せたいのですが、ハイブリッド連装ビーム砲があまりに速く回転するために、本体が大きく振動してしまい、撮影が出来ませんでした。とりあえず、荷電粒子砲だけで言いますと、口が開いたときに荷電粒子砲の仰角は最小となり、口を閉じたときに仰角は最大となります。あまり、大きな角度で動いているわけでは無いのですが、実際に歩かせてみても、十分仰角が変わっていることはわかる範囲です。

 既に述べているとおり、ガル・タイガーの汚名の2大原因は取り除いたつもりでいます。他に原因があるとすれば、やっぱり足の関節が表現できていないことです。どなたか、これに挑戦して下さる方いませんか? 同時に、図面も教えて欲しいです。

 また、今回の塗装は、あくまでも的ガル・タイガーの暗黒軍塗装です。別の解釈の、ガル・タイガーの暗黒軍塗装を見てみたいので、色だけでも挑戦して下さる方いませんか?

 今回の改造は、ギミックが少なく色が派手な、ゾイドらしくないゾイドを、数カ所にギミックのある色の派手すぎないゾイドらしいゾイドにするための改造とも言えると思います。もしそうなってしまうと、前回のガンブラスター同様、この状態が改造前で、ここから更に装飾していくことが、ゾイドらしい改造かも知れません。この辺、の改造方針のジレンマかも知れません。

 

 せっかく、暗黒軍カラーにしてみたので、以前改造したデッドボーダーと並べてみました。デッドボーダーは装備部分がシルバーでなく、メタリックブラウンなので、かなりガル・タイガーとは印象が違います。それでも、黒いボディーどうし、けっこうしまって見えると思うのは、製作者の思い入れでしょうか?

 

戻るback