デッド・ボーダーを歩かせる Deadborder can walk?

 

 ゴジュラスを筆頭に、いやガリウスを筆頭にが正しいかも知れない、2足歩行恐竜をモチーフにしたゾイドは、どうもどれも思うように歩くことが出来ない。そこで、98年春のゲームショーで試験的に再販されたデッド・ボーダーを改造して、もっとうまく歩かせることが出来ないか考えてみました。

 これが今回の対象となるデッド・ボーダーです。

いきなり完成した状態からですが、今回の改造は足まわりのみなので、ここからはじめました。でも、後で分解します。動力パイプがついていませんが、これは全て換装するつもりなので取り付けませんでした。

今回の改造の用いた部品

  0.5ミリ厚のアルミ板

  直径2ミリ長さ15ミリのビスとそれにあうナット2組

  透明プラパイプ 3ミリ 5ミリ 8ミリ の3種類

  スプリング 3ミリ 4ミリ の2種類

  ニューム管

  内径5ミリのワッシャー

使用した工具

  金属を切ることのできるはさみ   直径1.9ミリのドリル(ピンバイス)

  プライヤー   サンドペーパー各種

いよいよ改造の始まりです。 足の裏は枠の形をしているだけでスカスカです。 足の裏のあるゾイドはそんなに多くはありません。目的は、ここに車輪を仕込むことです。

 

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まず、アルミ板を上記の図面に従って二つ切りました。黒い線が切取線、赤い線が折り曲げる線、青い点線は穴を開ける位置の目安となる位置を決める線です。切り取ったばかりでは、ひん曲がっていますので、これを平らに延ばして、角や切った後のギザ部分をサンドペーパーで削って整えます。ここでギザ部分をきれいに落としておかないと、後で車輪が思うように回転しなくなってしまいます。

 位置に従って1.9ミリのドリルで穴を開けます。もちろん穴を開けた結果出来てしまったギザ部分もサンドペーパーで落とします。そして赤い線の部分で、折り曲げて、「コ」の字状にします。

 プラパイプを切り取ります。3ミリ径のモノは11ミリに、5ミリ径のモノは10ミリに、8ミリ径のモノは9ミリにと、太いモノほど短くしていきます。もともと、接地部分は5ミリ径のモノを使う予定でしたが、直径が足らなかった関係で後になって8ミリのプラパイプを買い足しました。設計をしっかりしていれば、8ミリのパイプしか使わなくてもうまくできるかも知れません。

 ビスで取り付け固定します。ビスはゆるまないように瞬間接着剤で止めてしまいました。両足に使うので二つ作ります。

 エポキシ径接着剤で固定します。もちろん横から見て回る部分が少しだけ出るようにします。

ここで、いったん本体を分解しました。首というか胸というか、兵装部品の裏側に、釣りに使う板鉛を折り畳んで入れます。こうすることで、重心を少しでも前に持ってくるようにします。

 尻尾を外し、股の間にある、左右のフレームを止めている部品を取り外します。

 

尻尾部品を左右結合し、角の部分を少し削りました。

 重りとして、やはり釣り用の板鉛を折り畳んで入れます。後は普通に組み立てます。すると・・・・

 尻尾が上下に動くようになります。尻尾が必ず地面をこするようになると、それだけ足にかかる重みが軽減されて、重心が前ぎみになります。同時に、前進する際に体を左右に振ってしまう動作を防ぐことになり、足の動きは前進することのみに費やされるようになります。それに、ギミックっぽくも見えます。

 

 パイプは全て、プラモデル改造用に売っているスプリングに換装しました。Gカノンの近くのスプリングは、内部にニューム管を入れて直角に近い角度で曲がるようにして、Gカノンにぶつからないようにしました。Gカノンの軸には内径5ミリのワッシャーを入れます。こうすることで、Gカノンの部品が少しだけ胴体より離れることになります。Gカノンを止めているゴムキャップは気持ちゆるめます。そして、足のギミック部品にのっかるようにします。すると足の動きにあわせてGカノンが前後に動く簡易ギミックになります。ワッシャーを必ず入れなければならいわけではありませんが、Gカノンの部品と足のギミックの部品は、紙一重のところで重なるのです。ワッシャーを入れないと、ときどき足のギミック部品の内側にGカノンの部品が落ち込んで、足を動かなくしてしまう場合があります。そこで、その予防策として、ワッシャーを用いてすこしだけ胴体からGカノンの部品を離すことで、より確実にGカノンの部品が足のギミック部品にのっかるようにました。

 

 足首のあたりに空いている穴には、空になったボールペンの中軸を適度な長さに切って差し込みました。そのうえでスプリングを取り付けす。すると、このスプリングは足の動きに合わせてたわみ方が変化するようになります。

 

そして・・・・

 完成です。足の裏に車輪を取り付けただけなので、見た目には、スプリングを換装した以外に変わったところはありません。しかし、金属の質感と黒いボディーがマッチして、とても力強く見えるので気に入っています。首の部分のスプリングは、あごの部品に取り付けたので、口の開閉に合わせてたわみ方が変化します。

  歩かせてみましたが、そんなに大きく動きが変わったようには見えませんでした。しかし、ただ組み立てただけよりはフットワークが良くなったと思います。Gカノンを左右交互に前後させる動きと、尻尾がのびるような動きが加わり、首と足のスプリングが動きに合わせてたわむなど、見た目の可動部分が増えたので、見飽きることはありません。

 

今回の反省。

車輪は、前に進んだときには回るけど、後ろへ戻そうとしても回らないというもう少し工夫を凝らしたギミックにすれば、もっとフットワークは良くなると思いす。同時に、もっと重心を前に持ってくることが可能になれば、尻尾を固定した完全2足歩行も夢ではないと思います。簡単に手に入って、加工しやすい材料があれば、もう1回挑戦したみたいです。

 

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