電脳幻想

立教大学の島内氏の提案に従うとすれば(bit誌の連載、エディタを作ろう)、ファイルは 「算帳」、プログラムは「算譜」、オブジェクトは「算体」等々………であるから、コンピュータ はやはり、 算脳 であるべきであろう。 電気仕掛けはその実現手段の一つに過ぎないのである。電気(電子)に依らない機器は必ず生まれる。 しかしながら、一般には、 コンピューター などと いう無粋なカタカナ語をそのまま (英語のカタカナ表記!!) 使用し、はたまた、賢明なる教養人諸 氏や大学関係者などはこのページの表題どおり、 電脳 などとやっている始末である。これはもともと、中国での呼び名であることは周知の事実であるが、 この日本国内でも通用している。

蘭学や明治の精神に則り、造語を工夫することがいいのはもちろん だが、漢字文化の発祥の地、中国に見習うのもよくないことではない。先の、bit 誌でも、東京大学 の坂村健氏は『電脳話』なるものを執筆されていた (1983.6-1984.11)。コンピューターの発祥はアメ リカ合衆国 (米国) である。一方、現在その代名詞となる広がりを見せているのは言わずと知れたパソ コン、パーソナルコンピューターである。その中心演算装置 (CPU, MPU = Microprocessing Unit) の 元を生み出す (語弊がある) きっかけをつくったのはこの日本であった (現在主流の x86 タイプ) 。

坂村氏はコンピュータ (電脳) の構築を新たに提案し、そのプロジェクトはトロンと呼ばれる。すで に小さな制御用から広く使われているが、そのやり方、意図に少々怪しい (生臭い) ものを感じる。 お金儲けを企んでいらっしゃるようなところを感じるのである。これは残念である。しかしながら、 (もちろん、国境にこだわるのは現在これからの地球時代にふさわしくないが) 日本において生まれ 創られている、という点で好ましさをまた感じたりもするのである。

『bit悪魔の辞典』(bit 誌 [bit,Vol.19,No.3,p.129(1987)]) では次のように説明されている(^_^v)。

トロン(または、とろい)

前の日についつい飲みすぎてしまった人の眼球の状態
前の日についついやりすぎてしまった人の眼球の状態
前の日にUnixを使いすぎてしまった人の精神状態
前の日本でUnixを使いすぎてしまった人の鬱状態
前から日本にUnixは向かないと思っていた大和魂
これから日本はUnixを買うしかないと思ってた人
‥‥‥(略)
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それでも、私たちは、 電脳 ならぬ、 算脳 、に明日の夢を見ているのである。
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