かつて印刷術が発明されて以来、「暦」には教訓的な格言や便利帳的な記事、笑話や伝説などの読みものまでが付録としてつけられていた。民衆にとって「暦」とは、百科事典であり、ほとんど唯一の書物でもあった。その後、民衆的な文体で書いた教訓的な物語を「暦物語」と呼ぶようになった。もちろん、ブレヒトのまとめた「暦物語」はモラルの単純な説教ではない。 ベルトルト・ブレヒト『暦物語』(1949)には9つの短篇と8つの詩が収められている。声による立体表現にふさわしい作品を選択して構成した。戯曲では知られることのないブレヒトの詩と小説の世界を味わっていただきたい。 |
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《発表作品》 ●詩=老子亡命途上道徳経成立譚、本を読んで一労働者の抱く疑問点、クーヤン=ブラークのカーペット工たちレーニンに敬意を表する、子供の十字軍(長谷川四郎訳)●短篇=ラ・シオタの兵士、異端者の外套、年寄りの冷水(岩淵達治訳) ※使用テキスト=『ベルトルト・ブレヒトの仕事5/ブレヒトの小説』(1972/河出書房新社) |
と き: | 2003年9月6日(土) 開場14:30 開演15:00 | ![]() |
ところ: | シアターX(カイ)(JR両国駅下車3分) | |
出 演: | 渡辺知明(表現よみ) | |
照 明: | 福田玲子 | |
舞台 監督: | 小林潤史・杉野信之 | |
協 力: | グループ匠(たくみ) | |
入場料: | 前売3,000円(当日3,500円/自由席) |
●渡辺知明(わたなべ・ともあき)―学生時代に日本コトバの会に入会。表現よみの理論研究とよみの実践を展開。1995年『表現よみとは何か』(1995/明治図書)刊行以来、1999年高知県立文学館で「石川啄木の世界」など、各地で、太宰治、志賀直哉、梶井基次郎、中島敦などの作品を公演。2001年11月には「チェーホフ演劇祭(シアターX(カイ)主催)」で「表現よみ「すぐり」&「黒衣の僧」」を公演。それ以来、「表現よみ独演会」を開始し、チェーホフ・中島敦・梶井基次郎・太宰治作品を発表している。インターネット上では「朗読批評」を展開、メーリングリスト「朗読表現をかたる」を主宰。表現よみトレーニング教室も開いている。 |