23[小寒]しょうかん 1月6日頃
年が明け、陽ざしは春めいてきたのに、気温は下がり続け、寒の入りを迎えます。水も冷たく、空気も冷気、家の中でじっと暖をとっていたい毎日。
寒風と降雪、降りしきる雪の中は、モノトーンの色です。
こんな色の少ない頃に、橙色のみかんが食卓を明るくしてくれます。

紋付が新鮮
一月十五日の小正月までは、松もまだ飾っていて、寒気の中で改まった気分が抜けません。成人式を迎えるお嬢様のいる家庭では、最後の振り袖の点検におおわらわ。
 また花街でも、一五日までは、黒紋付の式服を着てお座敷に芸者さんたちが出ていますから、どこかにきりっとした雰囲気と、浮き立つ気分が漂っています。
 お正月には、自分自身のルーツも気になり家紋などに親しみがわきます。新年に使用した什器などにも、家紋があったり、家代々の和食器を使ったりすれば、ごく自然に日本の国のこと日本人としての自分自身を考えざるを得ません。
 もっとも、とっとと外国に行ってしまう人も多い作今ですが、それでもきものをスーツケースにしのばせて行く若い人もふえているのも面白い現象です。
 この時期はやはり紋付にこだわりたいものです。家紋だけではなく、花紋や縫紋、またはアップリケのような貼紋もあります。
 白抜き紋は格式が高いといわれています。そのほか、好きな人の家紋と自分の家紋を合わせて染める比翼紋、自分の干支の裏干支を貼紋にする背守紋など、色無地や江戸小紋で紋のいろいろを楽しむのも、奥の深い喜びでしょう。
 新年に入ると、新しい下着や半衿をおろして、さっぱりとした気分で、くる未来の月日を迎えたいものです。

 お正月に飾る若松を、金泥で刷け染めをし、海松(みる)色に地色を染めた訪問着です。この色は肌の色をきめ細かに見せる不思議な力があります。帯はモール織の袋帯。
 白い長襦袢は礼装用になくてはならないもの。
 白の美しさ区格別です。濃い地色の訪問着などにも白地のものは品がよいものです。
 きものの小さな脇役たち。季節を現わした扇子、折たたみの携帯メガネ。これは帯の間に入るので、立食パーティーや、お買物などにも便利です。

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