22[冬至]とうじ 12月22日頃
冬至。一年のうちで夜がいちばん長く、昼が短かい日。夏至の日と逆です。
この日、太陽は南半球の最南にあって、日本から最も遠くなります。
北半球では、太陽の高さが最も抵く、昼が短かいのです。
この日から一陽来復、春が日一日と近づいてきます。

この日から雪の柄
冬の終わりといっても、太陽の陽ざしがこの日から伸びて春に近づくのですが、季節は冬の真最中。あちこちで大雪のニュースがあり、雪が降ればホワイトクリスマス。
 学校は冬休み、会社も正月休み、人々は新しい年を迎えるための準備に入ります。
 クリスマスパーティー、忘年会と会合も多く一年中で最も華やいだ季節ともいえます。
 冬至の日から、雪待柄を身につけるのがお洒落れの真髄といわれています。外の雪とともに、身につけて雪を愛でたい、と欲ばりなお酒落れさんは、雪の重さにじっと堪えている草木や花に敬意を表わし、この柄を着ます
 真冬にはどんな色でも美しく見えますが、特に白は、また格別。このあたりで白地に紋絣の塩沢お召や白鷹お召しを着ると、なんともモダンでシックな味わいです。
 また雪待ちの柄を、そっくりこのまま真夏に着てしまうという洒落も日本人の美意識です。暑い夏に雪を持ってこようというわけで、逆に冬に夏らしく装うという趣向が、白い色を着ることに現れているのでしょう。
 きものをじっくり見つめていると、遠く古代の人びとから伝えられた、色遊びや柄選びの方法が、独特な感性として現代に受け継がれていることがよく分かります。
 きものを通して、日本の自然を理解し、人びとの美意識を学び、そのひとつひとつを現実の生活の中でどう生かしていくかが、現代に生きる私たちの役目でもあるようです。

 古代縮緬に雪待笹の訪問着。この紺地はアルマー二の紺色、若い人から年配の方まで肌に映える色目です。
◇草履/秋櫻舎 ◇着る入=水谷由紀子  一越縮緬に椿の雪待模様を染めた訪問着です。帯は華文唐草の袋帯を合わせています。

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