17[寒露]かんろ 10月8日頃
五穀の収穫もたけなわ。新米、栗、芋、大豆、秋野菜の大根や白菜などが店頭に並びはじめます。秋の果実、柿や梨もこのシーズンが食べ頃です。
朝夕はめっきり寒くなり、寝具も冬ものを出してきます。
寒露。降りた露も凍りそうになるくらい冷たくなったという意味。

袷の季節
袷の季節となりました。早い秋の袷は、まず平織の紬から、そして一越縮緬、綸子、朱子地のものへと移行していくと、きものと肌がなじみます。
 この時期の柄は菊。各地で菊まつりがおこなわれ、菊の花にこれほどの種類があるのかと、眺めるたびに驚いてしまうのです。
 またお月見の季節でもあり、宇宙をテーマにしたきものの柄なども洒落ております。  帯つきのままで歩く最後のチャンスです。またきものと帯のコーディネートが楽しめる時期でもあります。
 観劇とかクラス会、お茶会とか発表会など人前に出る機会も多くなります。そういうときは、出掛けていく場所によりよく映える色を着ることを心がけたいもの。
 帯は塩瀬羽二重、長襦袢は袖無双の単衣。肌着や湯文宇は羽二重などの絹ものを、裾よけも羽二重と絹づくめの着心地。
 自然界がだんだん冬準備をすすめるように、私たち人間も、活動が低下する冬に向けてより肌によいものを身につける心がけが必要かと思います。
 夏疲れがこの頃出る人も多いもの。いち早く無理をしない日常の暮らし方を心がけることも肝心です。きものは、健康なからだに着ることが最も美しいものだからです。

◇きもののしわが気になる方ヘ、きものをハンガーに下げ、スチームアイロンをあてると簡単にしわがとれ、布も縮まず便利です。家電売場でどうぞ。
◇きものは紋綸子に大輪の菊を佐賀良刺繍で表現しました。帯は古典文様の錦織。
◇半衿にも季節があります。冬の半衿には、縮緬、ふくれ織、風通織などがあります。  半衿/秋櫻社

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