08[小満]しょうまん 5月21日頃
野山の植物の多くは、花を散らして実を結び始めます。陽気が盛ん。
人だけでなく、すべての生物がうきうきとしてくるのもこの頃です。
多くの農家は田植えが終わり、水田にやわらかい緑の苗が風にゆれて、なんとものどかな風景のうちに心がなごみます。

単衣が出番
この頃三○度近い気温の地方もあり、きものは単衣になります。
 気の早い人は、ゴールデンウィーク明けから単衣を着ますが、そのときの体調によっては袷であったり、単衣にしたりという装い方でよいのではないでしょうか。
 洋服でも、厚手の生地ではなく、シルクとかやわらかい素材のものを着る人が多く、中にはノースリーブを着て街を歩いている女性すら見かけます。
 五月に人って単衣を着たい、でも早いのかしらと悩んでいる方は、小満の日から堂々と単衣に手を通したらよいと思います。
 この頃の単衣は、縮緬、お召、紬縮緬などの柔らかい素材のものが軽やかです。五月初旬の単衣はやや厚手の紬類がその季節仁合っているようです。
 帯は紬八寸、生紬、絽縮緬があり、その日の気分では塩瀬羽二重も欠かせない素材です三○度近い日もあれば二○度ぐらいまで気温の下がる日があるからです。羅のショールなどあると便利かも知れません。
 長続祥も単衣、楊柳や紗織りの素材が軽やかです。また二部式に仕立て、裾よけと、半襦袢の組み合わせもスッキリします。半襦袢の胴の部分は、羽二重か晒木綿にすると着やすいものです。半衿は楊柳(絹地=きんち)、絽縮緬が衿もとに涼しさを呼びます。

◇蛇の目の傘は、雨が落ちると、雨だれが内側に入らないで、外側に落ちます。そのため足元や裾がぬれにくい。風の強い日は、止め金が二段になっているので、すぼめて使います。

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