07[立夏]りっか 5月6日頃
春が少しずつ立ち退いて、夏の気が漂ってきます。野山の新緑が最も美しい頃。この日・立夏から立秋までを、旧暦では「夏」と呼んでいました。
美しくて、力強い緑を眺めていると、自然界の生命力の大きさにあらためて目を見張る思いがします。夏野菜、海のものなど、旬の食べものが美味です。
藍染めが美しい
風さえわたる初夏。店頭にはぼつぼつ夏ものの衣類が並び始めます。夏野菜、磯の物、メロンなどの夏果物、天に向って、すくすくとのびた食物を、その生命を戴くように口に人れると、からだ中に精気がみなぎります。
精気みなぎる緑葉に、最もよく似合う色は空の色、それは監色です。洋服でも、五月はマリンブルーが流行しますが、きものにも元気な藍色は欠かせません。
生地は平織や変わり織で、絹の光沢が充分に発揮されたものが肌をより健康に見せてくれます。
日に日に大きくなる緑葉を見るにつけ、やはりこの時期元気に過すことが、その人をいちばん美しく見せるのではないでしょうか。
きもの姿はいつでも「しっとり」ではないと思います。生き生きと闊達に動くときがあってもいい。それが立夏からの装いのコツといえるでしょう。
というのも、あらゆる生命が成長するために動いているからで、その波動を受けとめることが、自分自身を美しくすることにもつながるように思います。またこの頃から単衣を着てもおかしくないと思います。
半衿は塩瀬羽二重でスッキリと。そしてなによりも白くてピシッと引きしまった足袋が好ましい。
色数を多くしないで三色くらいにまとめあげた色のコーディネートが、この季節をより楽しむことができます。
◆ぼつぼつ雨具の用意を。透明なビニールカバーのついた雨草履がおすすめ。草履/秋櫻社
◆きものは本藍染めの、のしめ模様、帯は季節の先取り陽紫花の名古屋帯。
◆きものに持つバッグは、洋服のときに使うもので充分です。わざわざ「和」にこだわる必要はなく、日常のおしやれをそのままに。 |
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