06[穀雨]こくう 4月21日頃
春雨がけむるように降り続き、木々の芽ぶきが日増しに強くなります。
穀雨。緑がだんだん濃く、あざやかに輝いてくる季節を迎えました。
畑の作物も盛んに成長し、チューリップの可愛いい色に思わず笑みが。
また晴れた日の気温は初夏のようで、体調に狂いの出る人も多くなります。

雨ゴートの用意
ゴールデンウイーク間近か。人びとの心は浮き立ってきます。冬の衣類の整理を終える頃で、春から初夏の衣類を点検する季節となりました。
 晴れた日は真夏の気温まで上がるのに、雨の日はまた冬に逆戻り、着るものに頭を痛めます。
 この季節に最もふさわしいと思われるのが大島紬。とくに白大島は雨にも強く、強い陽ざしにも涼し気で、この季節の女王様。一枚は絶対にほしいきものです。
 そのうえ白大島は華やかで、出版パーティ−や発表会、クラス会などの晴れの場所に着て行ってもドレッシーな雰囲気が都会的。
 長襦袢は揚柳のようなサラサラと肌にさわやかな生地が着心地がよく、下着も、肌着は絹のトリコット、湯文字、裾よけは羽二重が肌に優しいものです。
 大島紬はからだの線がそのまま表現されますから、湯文字でヒップアップして、姿勢を正しく、緊張感を持った立居振舞が必要だと思うのです。
 また綸子のきものもこの季節にふさわしく、美しいのですが、こちらはむしろ、ゆったりとしたしぐさの動作をすることで、優雅さが人を魅きつけます。
 雨ゴートは単衣のものを。雨の日はコートでカバーするか、心配ならばパールトーン加工をかけておきましょう。

◆きものは幾何学文様絣の白大島。帯は季節の花、藤を刺繍で現わしました。名古屋帯です。
◆羅のショールは、花寒むのときとても重宝です。片手に入るくらいに小さくなり、羽織ると暖かい絹の味です。洋服にも合わせられます。
◆ショール制作/鈴木正夫

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