02[雨水]うすい 2月19日頃
立春から十五日目が雨水となります。今まで冬の間に降った雪が解けて水となり、大地を潤し始めます。氷も水となり土中深くねむっていた草木の発芽をうながします。いよいよ農耕の準備も始まる頃となります。
樹木に顔を近づけると、萌芽の用意が整った木々の芽を感じます。

紬を着たい
日に日に陽ざしが暖かくなってきます。ガラス越しに射し込む大陽光線に、やや汗ばむ日もあるくらいです。 街路、庭、公園など、冬枯れの樹木の枝ぶりばかりがまだ目について、若葉の芽ぶきを待ち恋がれます。
 こんなとき、新芽色のきものを身につけることによって、若々しい新緑のエネルギーを周囲に放射できるように思うのです。
 新緑は日ごと、時間ごとにぐんぐん伸びていきますから、緑色を身につけることは、緑の活力をからだにいただき、パワフルになっていく気分が味わえます。
 紬や古代縮緬、綸子がこの季節にはよく合いますし、草木染の紬、結城紬などが見るからに暖かそうです。
 素材は暖かいもので色に春を取り入れるというのが、心をホッとさせるコーディネートのように思います。
 下着もまだ暖かいもの、長襦袢も袷、しかし暖房の効いた部屋では、袖無双(袖だけ給で胴単衣)の長襦袢で充分です。
 帯も春らしい柄のもの、また色にしてもひと足早い春を味わうようにします。
 半衿は縮緬、ふくれ織、塩瀬羽二重、帯揚げも半衿の生地と同じようにそろえると落着きます。
 外はまだ冷たい風が吹いています。暖かなショールや防寒コートが手離せません。

◆きものは若葉で染めた草木染の訪問着。帯は朱子地にタンポポを友禅染にしました。
◆きもの/山崎青樹 ◆帯/森山青湖 小物・草履/秋櫻舎 着る人=林かおり
◆タンポポは花からだんだん綿毛になっていく様子を描いています。綿毛仁なっていくので三月いっぱいくらいまで締められます。

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