home
movie
music
diary
book
friends
profile
sitemap

この画像をクリックするとamazon.co.jpの各商品紹介ページにジャンプします。解説文やたくさんのレビューが読めますので、ぜひ参考に!
トップページ> 映画> レビュー> 2004年> 1月
January, 2004
解夏
監督: 磯村一路
原作: さだまさし
脚本: 磯村一路
音楽: 渡辺俊幸
出演: 大沢たかお
石田ゆり子
富司純子
林隆三
田辺誠一
古田新太
松村達雄
公式サイト(日本語)
ぼくは見ておこう。 ★★★★
先日観た映画『ミスティック・リバー』のワンシーン。
少年と刑事の会話で、こんな感じのものがありました。

少年: 「(ぼくにとって)こんなに人を好きになることは、
 もう二度と、ない。」
刑事: 「よかったじゃないか。
 フツー、そんなのは一度もないんだから。」

この『解夏』で描かれるふたりは、
まさにその少年と同じように
「もう二度とない」出会いをしたのです。
そして、それはとても真っすぐで真っ白な愛でした。

-----
石田ゆり子がよかったです。
落ち着いたたたずまいと、奥に秘めた芯の強さ
この両面がナチュラルに表現できていたと思います。
今、ノってる女優さんですね。

大沢たかおがよかったです。
白いシャツが似合う、今どき珍しい(?)好青年でした。
この役は相当難しかったと思いますが、
主人公の、言葉には言い表せないようなたくさんの苦悩が
ヒシヒシと伝わってきましたよ。

その他、脇役のみなさんもすばらしかったです。
特に富司純子さん!
理想の母親像を体現してくれていました。

-----
浮ついた雰囲気がひとつもない、
地面にしっかりと足がついた、いい映画でした!
とてもシンプルで、とても根本的な。
オレも、できることなら、こういう思いやりの気持ちをもって
毎日を暮らしてみたいです。
こういう「境遇」は、カンベンしてほしいですが…。

-----
オレには「フツーは一度もない」という出会いが
あるんでしょうかね?
だれかのためにすべてを捧げることができるほどの出会いが。

オレにはあるんでしょうか?

とにかく、オレはその出会いにめぐりあうまで
いろんなものを見、いろんなことを聞き、
いろんなことを感じながら
気を張って生きていかなきゃいけませんね!
posted on 2004.01.24
▲TOP
イン・アメリカ/三つの小さな願いごと
In America
監督: ジム・シェリダン
脚本: ジム・シェリダン
ナオミ・シェリダン
カースティン・シェリダン
音楽: ギャヴィン・フライデー
出演: サマンサ・モートン
パディ・コンシダイン
ジャイモン・フンスー
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第76回アカデミー賞オリジナル脚本賞ノミネート
親は子供とともに成長を続けていくんだね。 ★★★★
ニューヨークへ移住してきた、ある家族。
夫と妻と、ふたりの娘。そして小さな息子がいたはずが…。
子供を亡くした悲しみ、弟を亡くした痛みを抱え
もがき苦しみながらも、ある出会いをきっかけに
家族が再生していく過程を描いた映画です。

物語は、長女の目を通して語られていくのですが、
この子供たちがすばらしい!
とつぜん意味不明なことを叫んだかと思えば、
大人もびっくりするような鋭いことを言ってみたり、
純粋なのか、計算高いのかわからない
そんな、子供独特の存在感を
このふたりの子たちは撒き散らしていました!
(ちなみに、ふたり(サラ&エマ・ボルジャー)は実際の姉妹。)

もうね、映画なのか、素なのかがわかんないほど
物語に溶け込んでましたよ。瞳がキラキラしてた♪

そして、オレはオトコなので、思わず肩入れしてしまったのが
ダンナさん役のパディ・コンシダイン。
彼は、コリン・ファレルを崩したような顔をしていますが、
(そういえば、コリン・ファレルはアイルランド出身だったっけ。)
なかなかどーして!いいですよぉ。
オレもこんなお父さんになりたいです。
一刻も早くなってみたい!

オレ的に、この映画のハイライトは
イーグルスの"デスペラード"が歌われる場面でしたが、
音楽が物語に深く結びついている映画って、好きだなぁ。

この映画が『ミスティック・リバー』と同じ★の数というのは
正直多すぎるかと思うけど、
(あそこまで完璧な映画じゃなかったな…)
「完璧じゃないところがいい」という映画の典型だと思います。
posted on 2004.01.20
▲TOP
マグダレンの祈り
The Magdalene Sisters
監督: ピーター・ミュラン
脚本: ピーター・ミュラン
音楽: クレイグ・アームストロング
出演: ノーラ=ジェーン・ヌーン
ドロシー・ダフィー
アンヌ=マリー・ダフ
ジェラルディン・マクイーワン
アイリーン・ウォルシュ
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
他人事にしない努力 ★★★
1960年代ごろに、アイルランドにあるマグダレン修道院
というところで起こっていた実話を基にした映画です。

うちのハハに、さっき
「今日は何の映画観てきたの?」
と聞かれたので、
"修道院が舞台の映画"と答えたところ、
「あぁ〜、マザー・テレサみたいな感じか!?」
とのコメントが返ってきました。

いや、そんな平和で希望に満ち溢れていそうな映画なら
よかったんだけどね…。

ぼくたちは、今この世の中を生きているわけですが、
ぼくたちのひと世代前の人たちは、
ひと世代前をメインに生きてきたわけです、当然。
そういう世代の人たちの中には、
「わたしたちの時代は、こんなに殺伐としてなかったよ…」
とか言って、自分たちの時代を美化しようとする人もいます。

でも、この映画をみろ!
どんな時代でも、
「クサいものにはフタをしろ」
「世の中、カネがすべて」
「弱肉強食」
「人を色メガネで見る」
そんな出来事があるじゃないか!

たぶん、世界中のどこにでも、どんな時代にでも、
縄文時代にだって、そういう傾向があったんじゃないかな。
結局、人間ってのは、日々変わっていくところと
いつまで経っても変わらない本質、
その両方が入り混じっているんでしょうね。

でも、この映画を作ったピーター・ミュランは
(『めぐり逢う大地』の演技が忘れられない!)
この映画をひとりでも多くの人に観てもらって
ぼくたちの愚かさを知らせ、学んでほしいと思ったんだろう。
人間は学ぶ動物だからね。

自分がされてイヤなことを、他人にはしない。
それだけのことでいいんですよね。
周りへの思いやり。それだけです。
はい。肝に銘じておきたいと思います。

p.s.
★の数は、映画の出来/不出来とは関係なく、
観ててあまりに痛々しい物語だったので、
多くつけることができませんでした…。

それから、クレイグ・アームストロングによる音楽、
特にエンドロールに流れる曲が、すっばらしかった!
posted on 2004.01.17
▲TOP
ミスティック・リバー
Mystic River
監督: クリント・イーストウッド
原作: デニス・ルヘイン
脚本: ブライアン・ヘルゲランド
音楽: クリント・イーストウッド
出演: ショーン・ペン
ティム・ロビンス
ケヴィン・ベーコン
ローレンス・フィッシュバーン
マーシャ・ゲイ・ハーデン
ローラ・リニー
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第76回アカデミー賞主演/助演男優賞受賞
同じ人が作ったとは思えない傑作! ★★★★
クリント・イーストウッド(監督)&ブライアン・ヘルゲランド(脚本)
のコンビが『ブラッド・ワーク』に続いてタッグを組んだ、
サスペンス映画です。

もう、同じ人たちが作ったとは思えないほど、
その出来には雲泥の差がありましたよ!
息つくヒマもないほどの緊迫感が、
映画の冒頭からラストシーンまでバッチリ保たれてたもん。

これは、構図の良さとカメラワークと
凛とした音楽と
そして俳優の力によるところが大きいのではないでしょうか。

シロウトのオレが気づいたのは、カメラが人物の下のほうから
映してるシーンが多かったこと。
なんか、観ててドキドキしたんだよねぇ、あのアングル。
それとは関係ないかもしれないけど、
"いつだれがぶっ殺されるんだろう…?"って
画面を見てるだけでずっとドキドキしてたもん、オレ。

そして、俳優陣!
これって、ちょっと反則じゃないの?とツッコミを入れたくなるほど
素晴らしい俳優たちを揃えましたね。
ショーン・ペンは、もうどの映画を観ても素晴らしい!
ティム・ロビンスが、ここまで素晴らしいとは思わなかった!
ケヴィン・ベーコンも、フツーの役が似合うんだ!
マーシャ・ゲイ・ハーデン、さすがアカデミー賞受賞者なだけはある!
ローラ・リニー、ずばりオレのタイプです♪

ほんと、人間って、ちょっとした選択が
その後の人生にどんな影響を及ぼすのか、わかんないよね。
わかんない。
わかんないから、人生は面白いんだし、
わかんないから、人生は残酷なんだよな。

オレも、自分の選択を、今から振り返ってみて
後悔する瞬間が、あります。ありますよ。
posted on 2004.01.13
▲TOP
now showing | movie review | dvd review | special
home | movie | music | diary | book | friends | profile | sitemap