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トップページ> > 『神様のボート』
神様のボート
江國香織
わたくしはオトコですので、いわゆる女性心理というものは
よくわかりません。本を読むときでも、登場人物が女性の場合と
男性の場合では感情移入の深さが違うような気がします。
女性の場合には、"ふぅ〜ん"とか"へぇ〜"と思うことはできても
"ほんと、マジでそうなんだって!"と共感することって
わりと少ないです。

この小説は、母と子の物語です。
唯一の希望にひたすらしがみついている母と
母の非現実さと現実の間で揺れる娘の日常が
交互に描かれる形式になっています。

母=秋吉久美子または藤谷美和子
子=鈴木杏
ってのがイメージとしてピッタリかな?

文章自体がめちゃくちゃ読みやすく、
粘り気の少ない、あっさりとした空気感がいいです。
(設定の濃さと、文章のあっさりさのアンバランスがいい)
特に娘の描写がかわいらしくて
「親と子、両方の気持ちがわかってる」作者の感覚が
にじみ出てるような気がしました。

でも、結局のところ、女の深い情念みたいなものは
ぼくにはまだわからないなぁ、と思いましたけどねぇ。

江國さんの本はこれからも読みたいと思います。
posted on 2003.01.20
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