手作り燻製器と道具
簡単な燻製鍋 |
使い勝手の良い・二階建て燻製鍋 |
据え置き型・燻製ハウス 冷燻用の外付け燃焼室 |
立ち消えしないスモークウッド |
真空パックを安く使う裏技 |
燻製のレシピは→こちら
簡単な燻製鍋
なべ底にチップを入れ、カセットコンロに載せて使う、熱燻専用器。
容量が小さくて火力が強いので、燻煙の付きがとても良いし、とにかく早い。
一気に温度が上がるので、外側が良く焼けて中身がジューシーな熱燻も作れる。
一握りのチップを入れて、中火で6〜10分、煙が止まるまで燻せば完了だ。
真冬のデータだが、1分で50℃、2分で100℃、5分で170℃まで上がる。
鍋の縁に、曲げたアルミ板をひっかけ、これに金網を載せている。
アルミ板の長さは2種類作ってあり、金網は2段にして使える。
鍋にフタをすると、アルミが挟まって、適度なスキマが出来る。
金網は25センチものが入手しやすいので、これが入るサイズの鍋を選べば便利だ。
簡易なのに高性能な燻製器だが、欠点は汁受け皿が置けないこと。
汁垂れを少なくしないと、垂れた汁が焦げて、その臭いがつく。
改良型
二階建て燻製鍋
鍋式燻製器の欠点は、垂れた汁が焦げることと、途中でチップ補充が出来ないこと。
それを改善したのが、この2階建て式だ。
1階建てのように急激に温度が上がらないから、火加減しだいで温燻も可能である。
この燻製器はとても使い勝手が良く、わが家では最も出番が多い。
たいていの市販品よりも性能が良いと思う。
その1階部分は、100均の小型フライパン。
フライパンにチップを入れ、大穴を開けた燻製鍋を載せる。
大穴に汁が落ちないように、脚付きのカバーを被せる。
煙はカバーの横から鍋内に入る。
このカバーは100均の親子丼鍋(アルミ)を切って作ったもの。
金網をはめ込んで、その上に食材を載せる。
温度管理は燻製作りのキモなので、温度計は必須アイテム。
蒸気抜きの穴を少し拡大して、温度計を差し込んである。
火加減は「出来るだけ弱火で燻煙が出る程度」にする。
強火にすれば、たちまちチップが燃え尽きてしまうからだ。
一握りのチップを入れて、中火で6〜10分、煙が止まるまで燻せば完了。
色づきが不足なら、もう一度チップを継ぎ足せば、ほぼ満足レベルになると思う。
魚の燻製なら、90度ぐらいをキープして2回燻煙をかければ、シットリ感のある仕上がりになる。
詳しくはレシピのページを参照。
制作過程 | |
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壁は2×4材の積み上げ。肉厚なので断熱性が良い。 天井は合板だが、後で断熱材を載せる。 扉は合板と2×4材。 |
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壁や天井の、全てのスキマをコーキングで塞ぎ、煙漏れを防止した。 後方に排気筒があり、必要ならアルミダクト(直径75ミリ)が繋げるので、排煙位置や向きを選ぶことが出来る。 ![]() |
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床板は前方へ引き抜ける構造にした。 |
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ホームセンターで見つけたアスファルトシングル(@210円×4枚)で屋根を葺いた。 アスファルトシングルは腐らないし、熱すれば曲げられるし、ハサミで切断できて、釘も打てる。日曜大工には重宝な素材だ。 この屋根はポンと載せるだけ。 屋根裏にはコードなどを収納する。 |
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サーモスタット本体は前面に取り付けて、温度センサーは排気筒の脇から庫内に差し込んだ。![]() |
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天井には魚肉を吊り下げるステンレスパイプが3本。 排気筒の右にぶら下がっているのは、温度センサー。 真ん中の棚2段は、食材を載せた金網を置くためのもの。 一番下は電熱器で、サーモスタットから電気を引いている。 周りにはアルミのテンプラガードを貼った。 電熱器の上の金網には、必要に応じて、汁受け皿を置く。 |
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下に金属トレイを置いてあるが、これはスモークウッドを燃やす場合の体勢。 手前下には、空気の取り入れ口を設けてある。置いてある角材をずらすことで、通風量の調節が出来る。 |
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これはスモークウッドを並べた事例。 庫内温度が上がりすぎないように、ウッドを細長く切断して使っている。 長く燃え続けるように、ウッドをコの字型に並べている。 |
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熱燻の場合はチップを燃やすことが多い。燻煙と加熱を、同じ熱源でやっている。 写真のように、電熱器に金属皿を置いて、チップを二つに分けて載せ、途中で加熱位置をずらすことで、燻煙時間を長くする。 電源はサーモスタットから引いているので、設定温度に応じて、電熱器がON・OFFされる。 温度や燻煙時間にこだわりたい場合は、電熱器は加熱専用にして、別にスモークウッドで煙を出せばよい。 |
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電熱器の割りにハウスが大きすぎたため、冬場は温度が上がりにくい。 そこで、ハウスの底板に丸穴を開けて七輪が入るようにした。 七輪の空気取り入れ口は、ハウスの床下から操作出来る。 炭をたっぷり使えば、電熱器よりも高い温度が得られる。 後日、ハウス内部を上下に仕切り、2階建てに改造した。 電熱器を2階の床に置いて、2階だけを使うと、冬場でも電熱器だけで90度超まで上がるようになった。 この改造以降は、冷燻と温燻はハウスで行い、熱燻は「2階建て鍋」でやるようになっている。 七輪は面倒なので、めったに使わない。 |
冷燻のために、外付け燃焼室を制作 | |
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冷燻は25度以下をめどにしている。 スモークウッド1本を燃やす場合、ハウス内の温度は、おおむね外気温プラス3℃程度になるので、外気温が20度以下なら冷燻が可能である。 しかし、もっと気温が高いときでも冷燻を可能にするために、外付けの燃焼室を制作した。 直径75ミリのアルミダクトを買ってきて、ハウスと外部燃焼室を繋いだ。 外部燃焼室でスモークウッドを燃やし、その煙をダクトに通して冷やし、燻製ハウスに引き込む。蛇腹ダクトは引っ張れば2メートルまで伸びて、放熱効果が高まる。 |
スモークウッドの立ち消え対策 |
冷燻などにはスモークウッドという、線香の化け物みたいなのを使う。 これは木材の粉末を棒状に固めたもので、先端に点火すれば、長時間煙を出し続けてくれるアイテムだ。 ![]() 写真の右はSOTOブランドのウッドで、左は進誠産業の製品。 SOTOブランドは固くて空気が通りにくいためか、なかなか火がつかないし、燃えても立ち消えしやすい。 立ち消え点検のために、何度も燻製器を覗く必要があり、燻煙を浴びて身体に臭いが染み付く。 2つに細く切って使うと、ほぼ100%立ち消えしてしまい、使い物にならない。 友人から「進誠産業は消えない」と教わって、今は左の進誠産業のものを使っている。 進誠のはすぐに火がつくし、縦に細切りして使っても立ち消えすることがない。 折れた断片繋いでも、ちゃんと燃え移ってくれる。 下の写真は3つの断片を並べて着火した事例であるが、一番右が燃え尽きて、真ん中の断片が燃えているところである。 SOTO製品だと、こんな風に簡単に燃え移らないから不経済でもある。 ![]() 進誠のウッドは空気を含んでいるため、フンワリとしていて一回り大きいが、両社製品はほぼ同じ重さである。 ホームセンタールートは全国的にSOTOが強く、進誠のはめったに置いていないから、ネット購入したほうが良い。 |