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DIYアイデアあれこれ その2


真空パックを安く使う裏技

家庭用の真空パック器は便利だが、専用の袋が高くつく。
自宅でいろんな食材をパックしているが、1パック当たり、平均で40円以上もかかるから、安い食材の保存には気軽に使えない。

ところが、世の中には賢い人が居るもので、普通のポリ袋を工夫して使うという方法があった。
ボクはその工夫をベースに、自分なりの裏技を完成させたので、今日はそれを紹介する。
この方法だと、1パック当たりの費用は10円で済むし、保存性能は同じだ。

まず、真空パック器専用の袋ロールはこれである。


袋の内側に模様がプレスされていて、この凹凸模様が、袋の内側に空気の通り道を確保してくれる。
真空パック器は、この通り道を通じて、袋の中の空気を吸い出す仕組みだ。
普通のポリ袋だと、袋の内側が密着するので、上手く空気を吸い出すことが出来ないのである。
また、普通のポリ袋は酸素を透過するが、専用の袋ロールはポリエチレンとナイロンを貼り合わせてあるから、酸素を通さず、食品の保存性能に優れている。

さて、ボクが使うのは、包装資材の専門店にある業務用の真空パック袋と、100均の水切りネットである。

この袋は「ナイロンポリ」と表記されていて、家庭用真空パック器の専用ロールと同じ材質だ。厚みも同程度だから、熱シールで溶断する心配も無い。
100均の水切りネットは、空気の通り道を作るのに使う。

これが裏技の実施例。

鯖の燻製を、真空パックした様子だ。

使い方は、短冊形に切った水切りネットを、袋の入り口から食材の近くまで差し込むだけ。
こうすれば、吸引される空気の通り道が確保されるから、ちゃんと真空パックされる。
ネットの材質はポリエチレンだから、袋と一緒に熱シールされて、完全密閉される。
水切りネットは、白色の不織布も売られているから、それが使えれば、パックした日付をメモすることも出来るだろう。

業務用のナイロンポリは、100枚入りで9百円台。
水切りネットは100円のを一袋買えば、一生かかっても使い切れないほどの短冊が作れる。
だから1パック当たりの費用は10円以下で済むというわけ。

この裏技が広がると、真空パック器メーカーが困るだろうな。




専用袋の要らない真空包装機

上記の記事「真空パックを安く使う裏技」を読んだ某社が、「これを試して下さい」と真空パック機を送って来た。
DUCKY(ダッキー)と言う商品である。早速試してみた。

DUCKYはノズルを袋に差し込んで吸引する方法をとっているので、専用袋が不要で、普通の業務用袋が使える。
もちろん水切りネットも要らない。
「裏技」と同じで、業務用の袋(ナイロンポリ)を使うから、1パックあたりの費用は10円以下で済む。
ただし、ノズル吸引式は、シールする時になるとノズルが引っ込んで脱気を停止する。そのため僅かだが、熱シール中に袋内に空気が戻ってきてしまうことがあり、脱気力がやや劣るようだ。
さらに、ノズル先端が保存食品の近くまで届いていないと上手く脱気が出来ないから、空気の通り道になる部分を指でマッサージしながら脱気させるなど、使い方にコツが要る。

ボクがこれまで使っていた真空パック機は、脱気からシールまでが全自動なので、何かの原因で脱気が不完全になっても、そのまま勝手にシールしてしまうことがあった。これに比べると、DUCKYは脱気の進み具合を目で確認しながら、タイミングを選んで手動でシールする仕組みだから、失敗しない。
使い慣れればだが、全自動式よりも、半自動的な「DUCKY」の方が、多彩な使い方が出来て面白いかもしれない。

DUCKYは普通のポリ袋でも、厚さが0.03ミリ以上のものなら、使えることになっている。
ポリ袋なら1枚がたったの1円程度で済む。
しかし0.03ミリでもシール切れしやすく、使い慣れが必要だろう。
それに、市販の食品保存用ポリ袋はもっと薄い。0.03ミリ以上の袋は入手が難しい。

左がナイロンポリ、右が普通のポリ袋。

ポリ袋は酸素を透過するから保存性能は落ちるが、先にサランラップすることで同等の性能になるようだ。

写真の下が全自動式で、上のコンパクトなのがDUCKY。
コンパクトだと出しっぱなしに出来るから、使いたいときにすぐに使える。


矢印が空気を吸い出すノズルで、これを袋に差し込んで使う。

水を吸引させることも出来るので、後に水受けタンクをセットすれば水物でも使えるが、ノズル穴が極端に薄くて狭いので、詰まりやすくなる。
またノズルを袋内に差し込むので、衛生上の懸念も感じる。

DUCKYはダイヤルで9段階のシール時間を選べるが、手で押している間だけ熱シールする仕組みになっているから、実際のシール時間は任意になる。だから、食べかけの袋菓子など、どんな厚みの袋でも再シール可能だ。

余談になるが・・・
写真右上のラスクには脱酸素材が入っていた。
ラスクのような多孔質の菓子は、菓子自体が空気を内包しており、脱気だけでは不十分なので、脱酸素材が入っている。
こういう食品を真空パックする場合は、使い捨ての化学カイロを一緒に封入すれば良い。
カイロは、すぐに袋内の酸素を使い切るから、発熱することはなく、食品の長期保存が可能になる。
カイロは、酸素吸収能力が大きいから、繰り返し何度でも使える。

DUCKYの値段は全自動式(フードセーバーや真空パックん等)の2倍ほどする。
後の消耗品で稼ぐ商法ではないから、機械は製造コストなりの価格で売らないと、利益が出ないのだろう。
アマゾンで調べたら、DUCKYは25980円、全自動式は12800円で売られていた。
全自動式真空包装機は、「プリンターとインク」「携帯電話と通信費」のように、最初に機械を安く売って、後の消耗品で儲けるというビジネスモデルを選んでいるようだ。

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