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No.54 杓子山
冬型の好天が期待できるとの天気予報でしたので、富士山の眺望が素晴らしい杓子山(1593m)に登りました。幾つかある登山口のうち、最も駐車しやすいと思われた鳥居地峠から、杓子山の先の鹿留山(1632m)まで往復しました。

日時 2004年(平成16年)12月21日(火)
天候 晴のち曇
同行 飼い犬

所要時間
鳥居地峠(8.10) ←1時間5分→ (9.15)高座山(9.25) ←45分→ (10.10)大権首峠(10.15) ←45分→ (11.00)杓子山で昼食(12.00) ←35分→ (12.35)子ノ神(12.40) ←10分→ (12.50)鹿留山(12.55) ←45分→ (13.40)杓子山(13.50) ←20分→ (14.10)大権首峠(14.15) ←40→ (14.55)高座山(15.10) ←40分→ (15.50)鳥居地峠

山行概要

杓子山頂上から見た富士山
杓子山頂上から見た富士山
忍野小学校までは順調に行けたのですが、この付近にあるはずの鳥居地峠へ通じている林道の入口が分らず、忍野八海まで行ってしまい、結局地元の人に林道の入口を教えてもらうことになりました。林道の入口は忍野中学校の裏側にありましたが、それを示す標識等は立っていません。
鳥居地峠に着いて出かける支度をしていると、小型のバスが登って来て、空きスペースに駐車しました。降りてきた運転手と話してみると、富士山の写真を写すバスツアーのお客を迎えに来たとのことでした。今日は、来る時に通った山中湖半や忍野八海で、多数のカメラマンを見かけましたが、先日登った雁ガ腹摺山の記憶と合わせ、実に多くの人が様々な場所で、富士山の写真を写していると、改めて感心しました。

鳥居地峠の駐車スペースの前にある砂利道の林道を歩き出すとすぐ、下って来る20名ほどの一団とすれ違いました。大型の三脚が多数目につきましたので、先刻のバスツアーの人たちのようです。一団とすれ違い、歩き出して15分もすると高座山への登山道入口が左手に現れました。大きな茶色の看板が立っていますから見落とすことは、まずありません。登山道は明るい雑木林の中に続いていますが、この雑木林は5分も歩くと終わります。目の前に明るいカヤトの草原が広がり、その向こうに高座山が見えるようになります。ここから見る高座山は、いびつで、なんとも不細工な姿です。

カヤトの草原に出ると、しばらく平坦な道が続きます。後には大きな富士山が見えますので、時折振り返りながら、のんびり歩きました。ここからは、広い裾野にどっしり腰を下ろした、雄大な富士山が目の前に眺められます。富士山を眺めるのが目的なら、この先へ進まなくても、このカヤトの草原だけで十分満足できると思えました。やがて高座山のきつい登りが始まります。上へ行くほど斜面がきつくなり、頂上直下には長いロープが取り付けられています。

高座山の頂上はそれほど広くは無く、また休憩用のベンチもありませんが、眺めは絶品で真正面に圧倒的な富士山が、またその右には富士吉田の市街地の向こうに南アルプスが、左には愛鷹連峰から箱根の山々が眺められます。今日はまだ先が長いので、写真を何枚か写して先へ進みました。ここから大権首峠までの道は、小さなアップダウンが続きます。途中で高圧線の鉄塔の下を通りますが、ここが高座山と大権首峠のほぼ中間で、大権首峠へ向う林道がよく見えます。この先のピークを1つ越えたところが大権首峠でした。

大権首峠は、ハンググライダ−の飛び出し施設がある明るい峠で、これから始まる杓子山の登りに備えた休憩には、調度良い場所です。ここから杓子山の登りが始まりますが、地図から想像するより、道はずっと緩やかで歩き易い道でした。それでも一息では登りきることができず、頂上の少し手前で一息入れました。

杓子山の頂上に着いてみると、先客が一人おり、休憩用のベンチの上に昼食用の用品が所狭しと並べられていました。頂上には、幸いもう1つ休憩用のベンチがありましたので、そちらでいつものように湯を沸かし、目の前の富士山を眺めながら、のんびり昼食を摂りました。天気予報では、北風が強くなるとのことでしたが、風は殆ど無く、気持ちの良いひと時でした。ただし、頂上に着いた頃から、雲ひとつ無かった上空に雲が出てきて、富士山も雲に覆われる割合が徐々に大きくなりました。

杓子山の頂上で、昼食を食べた後、今日の最後の目的地の鹿留山に向いました。葉を落とした明るい林の中の小さなアップダウンが続き、やがて”至都留”、”至杓子山”と記された少し古い導標が現れました。少し先には鹿留山や二十曲峠方向を示した新しい導標も立っています。ここが子ノ神のようです。木の間越しに御正体山やここから始まる立ノ塚峠方向の急坂の先の方に、明るい気持ちの良さそうな尾根が眺められます。ここから鹿留山までは、ほんの一息でした。


鹿留山の頂上はすっかり木で覆われており、視界は殆どありません。ただし、この季節ですと、あたりの木々はすべて葉を落としていますので、御正体山などが木々の枝の間から透けて見えます。ブナの大木が多いので、新緑の頃は、気持ちの良さそうな所です。杓子山からここまで、予想より少し時間がかかりましたので、あまり長居をせずに帰途に着きました。杓子山の頂上近くまで戻った時は、既に午後1時を過ぎていましたので、付近にはもう誰も居ないだろうと思っていましたら、突然杓子山の頂上の鐘の音が聞こえてきてビックリしました。頂上に着いてみると5〜6人の中年女性のグループが休んでいました。同行した飼い犬のことなどで、少し雑談をしましたが、東京から1泊2日の行程でやって来たとのことでした。

杓子山ルートマップこの頃になると、上空に青空は殆ど見られず、富士山も完全に雲の中に入ってしまっていたので、杓子山の頂上では一息入れただけで先へ進みました。高座山まで、黙々と歩きましたが、ここまで来るとさすがに少々くたびれたので、テルモスに残った温かい紅茶を飲んで、少し長い休憩をとりました。休憩の後、高座山頂上直下の急坂を慎重に下り、鳥居地峠に着いた時は、どういう訳かこれまでに無い安堵感を覚えました。帰途は久しぶりに、小山町のゆったり湯に入り、一息入れました。ここは今年の6月に値上げしてから、比較的空いているようで、この日もお客が少なくのんびり、湯に浸ることができました。

今回は鹿留山まで足を伸ばしましたので、1日ハイクとしては少し距離が長く、時間もかかりました。しかし、杓子山まででしたら、横浜あたりから気軽に行けるコースだと思いました。高座山と杓子山と2回にわたり、素晴らしい富士山の眺望を楽しめます。ただし、高座山の頂上付近の急坂は、段差の無いのっぺりした道が続きます。従って、雨上がり直後やこれからの季節に多い霜解け時は、滑って大変です。簡易アイゼンを持参し、下りは迷わず着用するのが安全だと思いました。

今年は暖冬と言われていますが、同じ暖冬と言われた昨年と比べても、随分暖かいようです。昨年、今回とほぼ同時期に登った菰釣山から見た富士山は、5合目付近まで雪が付いていましたが、今年はまだ7合目付近までしか雪が付いていません。この日会った登山者は、歩き始めに会ったバスツアーの人たちを除くと、前述の女性グループ以外に3名で、いずれも杓子山〜鹿留山の間で会いました。
(注)地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(富士吉田)による

鳥居地峠駐車場 鳥居地峠
車4〜5台分の舗装された駐車スペースがある
高座山方向を示す導標が駐車スペースの端の方に立っている
高座山登山道入口 高座山登山道入口
小さな広場になっており、車数台分の駐車スペースがある
ただし、鳥居地峠からここまでの林道は、少々荒れている所が数ヶ所ある
普通のセダンだと腹を擦るかもしれない
高座山 高座山
登山道に入って10分も歩かないうちに、カヤトの草原の端に出る
忍野からもカヤトの広がった特徴のある姿がよく見える
高座山頂上と富士山 高座山頂上
目の前に実に大きな富士山が聳えている
富士山の姿としては、左右のアンバランスが少し目立つのが残念
高座山〜大権首峠間の登山道 高座山〜大権首峠間の登山道
小さなアップダウンが続く
時折小さな岩も乗り越える
大権首峠 大権首峠
明見、杓子山、高座山方向を示す導標が立っている
写真左側の白い小屋はトイレだが、ハンググライダ−のクラブ員専用で、この日は入口のカギがかけられていた
杓子山頂上 杓子山頂上
写真のように眺めは抜群
頂上には休憩用のベンチが2セットと鐘が設置されている
子ノ神 子ノ神
杓子山の方から歩いてくると、少し大きなピークを越えた先にある
20mほど離れた所にも、新しい導標が立っている

子ノ神からの眺め 子ノ神から立ノ塚峠方向を見る
急坂の先に気持ちの良さそうな尾根が続いている
鹿留山頂上 鹿留山頂上
頂上のほぼ中央に写真のような巨木が聳えている

同行した飼い犬 同行した飼い犬
高座山頂上で
帰途、大権首峠〜高座山の間で2度ほど岩を乗り越えられなかったが、あとは手助けを必要としなかった

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