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No.42 富士山御中道
梅雨の中休みで晴れの日がしばらく続くというので、富士スバルラインの奥庭駐車場まで車で行き、ここから御中道に入って大沢崩れを見てきました。ひざを痛めてリハビリ中の家内が加わり、神山・駒ヶ岳以来、久しぶりに二人と一匹のフルメンバーの山行です。

日時 2004年(平成16年)6月15日(水)
天候 晴
同行 家内、飼い犬

所要時間
奥庭駐車場(8.05) ←25分→ (8.30)御中道(8.30) ←1時間→ (9.30)滑沢(9.40) ←40分→ (10.20)大沢休憩所(11.05) ←55分→ (12.00)滑沢(12.10) ←20分→ (12.30)林道(12.30) ←10分→ (12.40)昼食(13.40) ←30分→ (14.10)奥庭駐車場

山行概要

御庭から見た富士山頂
御庭から見た富士山頂
奥庭駐車から道路をはさんで反対側にある林道ゲートをくぐってみると、林道が道路に並行して走っています。一瞬左右どちらに行こうかかためらいましたが、その先にある案内板を見て左側の方へ進みました。すぐに御中道の標識があり、御中道まで続く石畳の道が始まります。

御中道近くまで来ると林が途切れ、富士山の山頂や裾野とその向こうの山々が良く見えます。6月としてはモヤが少なく、南アルプスはもとより八ヶ岳の左の方に北アルプ北部の山々が白く見えました。御庭と呼ばれているこのあたり一帯は、標高2300m以上ありますので、その眺めが抜群です。御中道に出ると廃屋のようになった山小屋(御庭山荘)が目につきます。ここを右折して大沢入口まで、富士山特有の溶岩が砕けた砂礫の道を歩きます。5分も歩くと「大沢崩入口」と表示した杭が左手に現れます。ここが大沢へ続く御中道の入口ですが、小さな木立の中へ入るような感じですから、確信がないと入って行くのはちょっと躊躇するかもしれません。

木立へ入るとすぐにシラビソ、コメツガなどが繁る樹林帯に入り、眺望は得られなくなります。樹林帯の中の道は、よく気をつけてみると僅かに登っています。辺りにはシャクナゲの木が沢山生えていますが、残念ながら枝先に付いている芽は、ほとんどが細長い葉芽で、丸い花芽ではありません。このような道が滑沢まで続きます。滑沢は御庭から大沢までの間では最も大きな涸れ沢で、ここへ来ると視界が開けて富士山の山頂や遠くの山々が再び望めます。道端には小さな白い花がかたまって生えていましたので、この写真を撮り少し休みました。

御中道ルートマップ奥庭から大沢までの間では、この滑沢辺りが最高点で、滑沢の真ん中辺りに設置されている石碑には「標高2409m」と表示されていました。滑沢を越えるとすぐ仏石流しと表示した石碑が立つ滑沢よりひとまわり小さな沢が現れ、ここから大沢崩れまで緩やかな下りになります。小さな涸れ沢を幾つか越えるとひょっこり大沢休泊所の小屋が現れました。ここも閉められていますが、先ほど見た御中道の御庭小屋ほど荒れた感じはありません。ここでしばらく、休憩していると男女二人連れの登山者がやって来ました。この日最初に合った登山者です。このあと、帰り道で2パーティ、7〜8人の登山者とすれ違いました。

大沢休泊所の小屋の前でしばらく休憩した後、大沢崩れを見に行ってみました。大沢休泊所の小屋から5分ほど歩いて大沢の縁まで来るとガードロープが張ってあります。足元が切れ落ちているのかと思っていましたが、ロープの先はまだ緩い斜面が少しあり、緊張感を覚えるようなことはありません。対岸の富士宮側の崖が良く見え、これを見るとえぐれている深さが良く分ります。山頂方向は左側から尾根が張り出していて、山頂の測候所の建物は見えますが、それより左側の方は張り出した尾根に隠れて見えません。迫力満点の景観を期待していたので、なんとなく拍子抜けといったような感じでした。

大沢休泊所へ戻って時計を見ると11時少し前でしたので、ここで昼食にしようかと思いましたが、家内の方から日の当たる広い所が良いというリクエストがありましたので、昼食を先に延ばして戻ることにしました。帰りも来る時と同じように花などを探しながらのんびり歩きました。仏石流し、滑沢と過ぎ更に進んで少し下ったと思ったら、ひょっこり林道に出てしまいました。朝方入った大沢崩入口から僅かに進んだ所で道を間違えたようです。ここには御庭方向を示した石碑が立っていましたので、これに従って林道を少し歩くと、朝通った大沢崩入口に着きました。ここは見晴らしがあって奥庭駐車場まで僅かの距離ですから、ここでのんびり景色を眺めて昼食を食べました。

奥庭の駐車場に着いたあと一休みして、奥庭へ行ってみました。散策コースが整備されていて、富士山頂や裾野がよく見えます。自宅への帰り道、最近こちらの方へ来ると必ずと言ってよいほど寄ることにしている小山町のゆったり湯に入りました。大人一人2時間200円と思いきや、6月から300円に値上げされていました。

今回歩いた御庭〜大沢の御中道は、標高2300〜2400mの間を歩き、高低差はあまりありません。素晴らしい眺望と樹林帯の静かな雰囲気を楽しめます。ちょっとした高山の雰囲気を手軽に味わえるコースだと思いました。ただし高度は2000mを越えますので、高度に慣れていないと、意外にくたびれます。


御中道には次の花が咲いていました。
フジハタザオイワツメクサコケモモミネヤナギシロバナノヘビイチゴツバメオモト

御中道入口 御中道入口
奥庭駐車場から道路を渡り、林道のゲートをくぐって左の方へ歩くとすぐの所にある
ここから石畳の道が御中道まで続いている
御庭山荘 御庭山荘
奥庭駐車場から登って来て、御中道に出ると目の前に立っている
営業はしておらず廃屋に近い
大沢へは小屋の方へ進まず、ここから右の方へ進む
大沢崩入口 大沢崩入口
御庭山荘の方から歩いて来ると左側に「大沢崩入口」と表示した杭が立っている
大沢へは杭の脇の木立の中に入って行く
ここを入らないでそのまま道なりに真っ直ぐ歩くと、少し下った後御中道口に出るので、ここから入っても大沢へ行ける
樹林帯 樹林帯の中の登山道
大沢崩入口から大沢までは、途中で横切る涸れ沢を除くと、深い木立の中を歩く
滑沢 滑沢
沢の真中辺りに「滑沢 標高2409m」と表示した石碑が立っている
石碑の脇の岩に白ペンキで「大沢まで二十五分」と書かれていたが、荷物があるとこの時間内で歩くのは結構きつい
帰り道、ここで昼食にしようかとも考えたが、風が少し強かったので、先へ進んだ

大沢休泊所の小屋 大沢休泊所の小屋
小屋の脇には次のような来歴を記した真新しい表示板が立っていた
大沢は最初標高2800m付近の「一ノ越」を渡っていたが、大沢崩れの崩壊が拡大して明治初期には「二ノ越」に変更され、その後も崩壊は進み、昭和初期には「三ノ越」が設けられた
しかし、昭和52年に転落事故が発生して閉鎖され、現在に至っている
大沢崩れ 大沢崩
崩れている規模の大きさが良く分る
左側に尾根が張り出しているため、山頂付近は全体が眺められない
頂上の測候所はよく見える
御中道口と石碑 御中道口
大沢から戻ってきたらここへ出た
「御中道口 標高2327m」と表示した石碑がある
石碑に表示された御庭方向へ進むと大沢崩入口に出る
奥庭 奥庭
散策コースが整備されており、富士山をはじめ見晴らしはすばらしい
入口には土産物屋が店を開いている

同行した柴犬 同行した飼い犬
前々回の山行の宝永山では砂礫で足裏を切ったので、今回は砂礫の中では走り回らないように気をつけた
終始ご機嫌で、樹林帯の中では我々の前後を走り回っていた

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