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No.40 宝永山
富士宮口の5合目まで車で行き、富士山の中腹にある宝永山(2693m)に登りました。天気が良く、風もありませんでしたので、標高3000m地点まで登ってみました。

日時 2004年(平成16年)5月26日(水)
天候 晴
同行 飼い犬

所要時間
5合目駐車場(7.40) ←25分→ (8.05)新6合目(8.10) ←10分→ (8.20)須山口分岐(8.25) ←1時間5分→ (9.30)稜線(9.40) ←5分→ (9.45)宝永山(9.55) ←10分→ (10.05)稜線(10.25) ←1時間30分→ (11.55)3020m地点(12.20) ←35分→ (12.55)稜線(12.55) ←45分→ (13.40)火口休憩所で昼食(14.20) ←20分→ (14.40)須山口分岐(14.40) ←45分→ (15.25)5合目駐車場

山行概要

宝永山から見た富士山頂
宝永山から見た富士山頂
宝永の噴火口壁が目に飛び込んでくる
残雪は9合目付近まで殆ど見られない
5合目の駐車場に着いてみると、車が10台ほど止っていました。周りに人は見かけず、登山者の車か一般の観光客の車か分りません。晴れていましたが外の気温は意外に低く、8℃でした。高山病のことが気になりましたので、朝食をのんびりとったりして車が着いてから歩き始めるまでの時間を、いつもの倍近く長く取り、30分以上かけました。

登山道の入口は駐車場の上の広場の脇にあります。ここまで行って一瞬ビックリしました。登山道の入口は閉鎖されていて、「落石の恐れがあるので通行止」の標識が取り付けられていました。たまたま上から観光客が降りてきたのを幸いに、これを無視して先へ進みました。山頂方向と宝永山方向の分岐がある新6合目までは僅かです。ここまで来るとまた通行止めの標識がありました。山頂方向はしっかりバリケードが作られていて、今度は「残雪があるから新6合目から上は通行止」と有ります。一方宝永山方向は「崩落のため通行止」と表示されたウマが立てられています。これも無視して先へ進みました。


新6合目の少し先にある須山口への分岐まで来るとパッと目の前が開け、宝永の噴火口が一望できるようになります。宝永山側ののっぺりしている火口壁と富士山頂側の崩落している火口壁が対照的です。これから歩く道が火口の底を通って宝永山から延びている稜線に上がって行くのが良く見えます。この分岐を少し下ると火口の底に着き、この先から富士山特有のザレ場の登りが始まります。道はさほど急ではありませんが、踏み出した足の下がズルズル崩れて歩きにくいことこの上ありません。上を見ると大きな岩が幾つも見えますので、足元の不安定さに加え、落石も気になりました。宝永山から続く稜線へ出た時は、歩き難さから解放され、ホッとしました。稜線へ出てみると山頂の方は相変わらず雲ひとつ無い青空が広がっていて、宝永の火口壁の向こうに山頂が良く見えます。しかし、御殿場側は少し下から雲海のように雲が広がっていて眺望は得られません。目指す宝永山は目と鼻の先に見えます。宝永山へはザックをここに置いてカメラだけぶら下げて行ってみました。

宝永山の山頂は、ここにあった大理石の展望盤が割れて土台と共に地面に転がっています。稜線の突端ですから、秋や冬の空気が澄んでいる季節なら、ここから裾野の素晴らしい景観が楽しめると思われますが、この日はモヤがかかっていてあまり良く見えません。しかし、富士山の山頂の方は、先ほどの稜線と同じように良く見えます。ここで何枚か写真を写し、ザックを置いた場所へ戻りました。

折角の富士山ですから、天候と体調がよければ標高3000mまで登るつもりで今日は出て来ていました。幸い天候も体調も申し分がありませんので、一休みのあと3000mを僅かに越えた所にある御殿場口の登山道の7合目の小屋まで行ってみることにしました。宝永の噴火口の縁沿いに道が真っ直ぐ伸びているので、これを進めば7合目の小屋に着くと思い、歩き始めました。しかし、これは間違いでこの道は7合5勺付近の小屋に直接向っているようです。下からこの道を見上げた時はそれほど急斜面には見えません。しかし、歩き始めるとすぐ足元が崩れだし、しばらくすると真っ直ぐ歩くのが困難になりました。幅数メートルの登山道をジグザグにステップを切るようにして登りました。体力がどんどん消耗して行くのが分ります。


宝永山ルートマップ宝永山を往復する際、ザックを置いた稜線の標高が約2700mで、標高3000mまでの高度差はおおよそ300mですから、1時間ほどで標高3000m地点まで行けると思いました。しかし、時間の割りに高度が稼げません。結局1時間30分ほどかかって手持ちの高度計が3020mを指した所で上へ行くのは止めにしました。ここで道を外れて少し右へ進んだ所で、数百メートル先のほぼ同じ高さにある山小屋を見つけました。これが目指していた御殿場口の登山道の7合目の小屋だったようです。実はこのときはまだ自分が道を間違えていることに気がついていませんでした。

標高3000mを越えたことに満足して下りの途につきました。登りで苦労したザレ場が今度は快適で適当に滑って足にショックが伝わりません。下りは随分楽でした。宝永の噴火口の中を下り始めると下から登ってくる若い女性の登山者とすれ違い、その後コーギー犬を連れた私と同年輩の夫婦連れの登山者と会いました。夫婦連れの登山者の方は同行した犬が歩かないといって、しきりに犬を歩かせようとしていました。この夫婦と少し話をして、その先の噴火口の底にある休憩用のベンチで遅い昼飯を食べ、登りとはコースを変えて須山口分岐を少し下って右折し、宝永遊歩道を通って駐車場へ向いました。

昨年甲武信ヶ岳に登った際、軽い高山病の症状が出たので、これより高い所に登る今回はどうなるか、気になっていましたが、幸いその症状は出ませんでした。標高2400mの5合目の駐車場から標高3000まで、歩いた標高差は600mと丹沢辺りの半分程度しかありませんでしたが、その割には疲れたように感じました。標高が高く、空気が薄かったためと思われます。帰りに小山町のゆったり湯に入り汗を流しました。

5合目駐車場 5合目駐車場上の広場
登山道の入口は写真の右側方向にある
残雪は山頂付近とごく一部の窪みにあるだけだった
新6合目 新6合目
宝永山方向の登山道には写真のようなウマが立っていた
「宝永山 登山道まで崩落の為通行止」と少々おかしな表現の日本語が記されている
後方に黒く頭を覗かせているのが宝永山
須山口登山道分岐 須山口登山道分岐
「須山口登山歩道」、「富士宮口新6合へ」と記された小さな導標が1本立っている
宝永噴火口や裾野の眺めが素晴らしい
後方の山は越前岳
宝永山 宝永山と宝永噴火口
噴火口の底には休憩用のベンチが設置されている
宝永火口壁と落石 富士山頂側の宝永火口壁と落石
宝永火口の底にある休憩用のベンチで昼食を食べたが、食事中に富士山頂側の火口壁で何回か落石があり、土煙が上がった
宝永山から延びる稜線 宝永噴火口を登ってくるとこの稜線に出る
写真は山頂方向で、宝永噴火口の縁沿いに道が上に伸びているが、この道は少し先からザレていて非常に歩きにくい
御殿場口登山道の7合目の小屋へ向う場合はこの少し先を右に下り気味に進む
ただし、分岐も道もあまり明瞭でなく、霧でも出ていたら見つけるのは困難
宝永山頂上 宝永山頂上
頂上には壊れた展望盤と土台が散乱していた
少し離れた所に「山体変動観測装置」なる白い柱のような設備が設置されている
標高3000m付近から見た富士山頂 標高3000m付近から見た富士山頂
山頂はまだはるか向こうである
真夏の日が射している日中にここを登るのは勇気がいる
御殿場口登山道7合目小屋 御殿場口登山道7合目小屋
僅かに残った雪の下側に建っていた
この小屋へ向ったつもりだったが数百メートル南側に出てしまった
ハイキング道 宝永遊歩道
須山口分岐から宝永第2噴火口の方へ下り右折する
森林限界の少し下側にあり、樹木の無い所を歩いて来たので、ホッとした
アップダウンは殆ど無く、カラマツやシラビソが調度新緑で気持ちが良かった
この遊歩道を進むと5合目駐車場の東端に出る

同行した芝犬 同行した飼い犬(標高3000m付近で)
標高3000mの高度はさすがに疲れたようで休憩中はいつものように歩き回ることが少なかった
下山を始めてしばらくすると、珍しく私より遅れ始め、そのうち歩くのを嫌がりだした
抱いて少し歩いてやると自力で歩くので、これを何回か繰返し、そのうち駐車場までずっと自力で歩いた
足を調べたら右後脚の足の平の一部が切れていた
これは砂礫の上を素足で歩かせたためである
それにしてもビッコもひかず、よく歩いてくれた

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