秋の鳳凰三山 1999年10月9日 - 11日 テント泊縦走

10月9日 曇

バス出発の1時間前に甲府駅に着いたが、すでに順番待ちの行列ができており、なんと50番目。バスは4台しか用意できないとのことで、時間30分前くらいからは「もう乗りきれないのでタクシーでお願いします」と乗車拒否の一幕も。

13:45 夜叉神峠登山口バス停出発(高度計:1385m, 温度計:24.0℃)

夜叉神峠まではハイキングコース。道も広く、よく整備されていて、たいへん歩きやすい道。

14:44 夜叉神小屋着(1775m, 20.5℃)

テント設営。テントは数張りでがらがらだった。水場がはてしなく遠い。

10月10日 晴れ

明け方、テントの中は氷点下。フライの露は凍っていて、払うとシャリシャリと音がした。

5:33 夜叉神出発(1775m, 13.3℃)

まだ薄暗い中に白峰三山がそびえている。急登があるが長くはない。樹林帯の中で夜が明ける。カモシカが姿を見せ、5分くらい並走する。

7:20 山火事跡(2185m, 16.1℃)

山火事跡より白峰三山
山火事跡より白峰三山
ここでいったん眺望が開ける。白峰三山が美しい。シルエットの富士山も見える。

8:36 苺平着(2465m, 18.0℃)

ここから南御室小屋までの深い森は静かで気持ち良い。道はゆるやかに下る。

9:07 南御室小屋着(2390m, 17.0℃)

軽食をとる。マウンテンバイクの4人組が登場、周囲の注目をあびる。

9:42 南御室小屋発(2445m, 29.7℃)

日向にずっといたせいで温度計の値が上がってしまい、高度が狂ってしまった(同じ場所にいたのに、標高が50mも高い)。このあと、ちょっとだけ急坂がある。マウンテンバイク組が自転車をかついではるか上を登っているのが見える。

砂払岳着

再び白峰三山が姿を見せ、また、観音岳がはじめてみえる。今年は紅葉が遅れているということだったが、結構色付いているではないか。ここからようやく展望の開けた稜線歩きとなる。

11:09 薬師岳登頂(2730m, 21.5℃)

薬師岳より北岳
薬師岳より北岳
バットレスが正面から見え、迫力満点。また、紅葉の観音岳が美しい。広々とした山頂で、マウンテンバイクを乗りまわせるくらい。マウンテンバイク組はここから再び夜叉神に戻るという話だった。

11:36 薬師岳発(2745m, 24.8℃)

観音岳への道
観音岳への道
ここから観音岳へはきれいな白ザレの気持ちよい縦走路。右に八ヶ岳、左に南アルプスと、展望は申し分ない。このコースのハイライトのひとつ。

12:06 観音岳登頂(2795m, 19.9℃)

観音岳南面の紅葉と地蔵・甲斐駒
観音岳南面の紅葉と地蔵・甲斐駒
展望は360度(ぐるぐる写真)。三山の最高峰である。ホントの標高は2840m。地蔵のオベリスクが姿を見せる。今回は、この観音岳周辺から地蔵岳にかけてが一番色付いていた。が、ガイドブックで見るよりは色がよくないように感じた。やはり今年は紅葉がよくないのだろうか。

12:44 観音岳発(2795m, 19.9℃)

アカヌケ沢の頭との鞍部への下りは滑りやすい急坂。

13:42 アカヌケ沢の頭(2715m, 21.0℃)

ここからの地蔵オベリスクはとてもよい姿をしている。オベリスクには団体がうじゃうじゃとりついている。たいへん騒々しい。

14:10 地蔵オベリスク着

賽の河原からのオベリスク
賽の河原からのオベリスク
鞍部の賽の河原にザックを置いて、オベリスクの肩まで登る。岩場というほどのものではない。肩から見る甲斐駒はとても美しい。なお、家に帰ってから百名山のビデオを見て、オベリスクはてっぺんまで行けることを知った。うーん、予習が足りなかった。

14:57 鳳凰小屋キャンプ場着(2360m, 18.3℃)

鳳凰小屋のテント場
鳳凰小屋のテント場
鳳凰小屋へ向けての下りで、樹林帯の道で右足を捻挫してしまった。何の変哲もない道なのに......油断は禁物ということをあらためて思い知った。
一気に御座石まで下山しようかとも思ったが、捻挫した足のことも考え、ここで1泊することにした。

その日、その後

テント場はぎゅうぎゅう詰め。小屋の係員が場所を指示し、となり同士びっちりくっつけて設営。フライも満足に張れない。雨の心配はなかったのでよかったが、もし降ったらテントの中はびしょぬれになることは間違いない。もちろん、このような状況は今日が10月10日だからである。そして、史上最悪の眠れない夜となったのだった。

10月11日 晴れ

8:13 出発(2390m, 28.6℃)

鳳凰小屋下からの地蔵岳
鳳凰小屋下からの地蔵岳
御座石ルートからの八ヶ岳
御座石ルートからの八ヶ岳
右足をテーピングで固めて、鳳凰小屋を出発。正面に八ヶ岳、ふりかえれば地蔵が、木々の間から姿を見せてくれる。少したつと左手に甲斐駒も登場。右手にはときおり富士山が見える。
道はなだらかにアップダウンを繰り返しながらわずかに高度を下げる。崩壊したヤセ尾根の難所があるが桟道が整備されていて安全に歩ける。

9:33 燕頭つばくらあたま山着(2100m, 22.1℃)

燕頭山そばからの甲斐駒
燕頭山そばからの甲斐駒
薬師・観音が見える。下から来たご夫婦にコースの様子を訊ねると、奥様曰く「合戦尾根よりずっときつい」とのこと。景色は、八ヶ岳がちらっと見えるだけで、あとは林の中という。甲斐駒や薬師・観音にさようならをして、下りにかかる。

11:05 西の平着(1340m, 20.9℃)

たしかに急な下りだったが、捻挫しているわりにはよいペースで歩けた。この付近で道はいったんなだらかになるが、再び急な下りに。

11:35 御座石鉱泉着(1105m, 21.7℃)

下山した人を集めてわりかんタクシーで帰ることにする。タクシー到着を待つ間にひとっ風呂あびる。気持ち良かったが、3畳くらいの湯船で、洗い場5人分で、1,300円はちと高い。
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