白馬山麓3 白馬大雪渓の尻尾テレマーク大滑降もとい、体験ツアー

5月5日 晴れ

今日のツアー参加者はなんとわれわれ2名のみ。したがってマンツーマンで面倒をみてもらえることになった。そういうわけで宿に送迎までしてもらえた。スキーは、ラッピーのWEBサイトには「エッジ付きクロカン」と書いてあり、どんな板だろうと思っていたのだが、意外にもテレマークスキーで、思いがけずテレマーク初体験となった。3ピン式ビンディング・ウロコ付き板であった。

9:54 猿倉発(高度計:1275m, 温度計:26.1℃)

雪に埋もれた林道を斜登高で登る
雪に埋もれた林道を斜登高で登る
猿倉の駐車場は満杯。少しだけ下に路上駐車をして、いざ出陣。猿倉荘からは多くの入山者があって、トレースはしっかりついている。まずはスキーを担いで林道までの急斜面を10分ほど登る。
この林道は昨日の栂池コースとは違って整備されておらず、道を歩くというよりは斜面のトラバースに近い感覚。微妙に登っているので斜登高で高度をかせぐ。すぐ下が沢なので緊張する。
この日のガイドさんのひとりは夏は自然観察の仕事をしているとかで、野鳥や草木に詳しかった。オオルリという青い美しい鳥を眺めたり、ぶなの実を拾ったりしながらのんびりと進む。

林道

林道
林道を振りかえる
エッジ付きの板を使うのは初めてだ。試しにボーゲンをしてみるとたいへんに効きがよく、予想以上に曲がる・止まるといった感じ。
途中で小さく張り出した尾根をどうしても越えなければならず、板を脱いで乗り越えた。写真は乗り越えたあとで振りかえり見たところ。ここだけ急な登り・下りでしかもカーブになっていて、たいそう怖い。しかし他のスキーヤー達はまるで平地を行くようにすいすいと通りすぎてゆくのであった。スキーの難しさをあらためて知った思いであった。

11:20 ようやく白馬尻に到着

白馬岳
白馬尻から白馬岳
金山沢との出合付近である。最後のカーブを曲がると白馬岳が真正面に見える。
雪渓の中は冷たい風が吹き降ろしてくるので少し脇にザックを置いて、ガイドさんの用意してくれた昼食を食べる。ゆでるだけのかんたんパスタと、甘口白ワイン、かりんとうなどの甘いお菓子を食す。
食事のあとはひたすら大雪渓を登っては滑り、を繰り返す。練習という次元ではない、ただの遊び。われわれは今まさに「大雪渓をテレマーク滑降」しているという、その言葉の響きに酔いしれるだけの、なんちゃってテレマーカー二人組であった。

14:05 白馬尻出発(1415m, 15.9℃)

大雪渓尻尾のスロープ
大雪渓尻尾のスロープを見下ろす
結局2時間以上も遊んでから帰路についた。
雪渓のほとんど尻尾のこの辺りは熟練者には面白くないのであろう、たまに滑ってくるスキーヤーはみんなすごいスピードで通りすぎてしまうため、ほとんどわれわれの貸し切りであった。雪面は凹凸で、大きくうねっていたりして、ゆるやかだと思っていると突然急になったりする。

15:05 猿倉に帰着(1235m, 18.2℃)

猿倉荘
猿倉荘
往路よりかなり短いタイムで帰ってこられた。
やはり下りの林道は怖かった。曲がりきれないと谷に落ちてしまうのだ。しかし先行スキーのトレースがしっかりとついていて、それに乗れば案外平気だということを学んだ。
今回のコースはスキーが全くはじめての人は経験者と同行しないと行けないだろうと思った。ただ、白馬岳登山のルートでもあるので、板を担いでツボ足で白馬尻まで行ってそこでスキーを楽しむ、というやり方もあるかも。でもそれじゃあ「スキーツアー」っぽくないし。
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