大残雪の西銀座ダイアモンドコース黒部五郎岳 2000年7月19日 - 23日 小屋・テント泊縦走

7月19日 曇

18日夜、上野から寝台特急「北陸」号で富山へ。翌朝、富山から折立行き直通バスに乗る。このバスは予約制なのだが、席が空いていたので乗せてもらえた。

8:48 折立出発(高度計:1355m, 温度計:27.6℃)

いきなり急登。

10:43 1870mの三角点(1870m, 25.8℃)

有峰湖をバックに登る
有峰湖をバックに登る
ここから高原になり、見晴らしのよい、よく整備された道をゆく。周囲にはニッコウキスゲやワタスゲが。

12:27 五光岩のベンチ(2155m, 22.2℃)

太郎平小屋の主人の入山と一緒になる。氏の、他の登山者への解説を盗み聞いたところでは、今年の北アは30年ぶりの残雪とのことで、雪解けは始まったばかりである。ただ、花は当たり年で、あちらこちらで多く咲くだろうということであった。この辺りもあと10日もすればコバイケイソウでいっぱいになるだろう。

13:38 太郎平小屋着(2310m, 26.7℃)

相棒Kが少しばてた。テント場は明日向かう予定の黒部五郎岳とは逆方向にあるので、混雑していないのを確認した上で小屋泊に変更するという軟弱モード突入。テント撤収時間及びテント場からの歩行時間を省略できるという安易な考え。

その夜

黒岳と夕暮れの雲
黒岳と夕暮れの雲
小屋前からは黒部源流を取り巻く山々が見渡せる。
本日の夕食はおでん、鶏めし、サラダ。食料をボッカするのは相棒Kの分担なのだが、おでんはで1kg近くもあった。道理で重いわけだ。
黒部五郎は雪でカールを下りられないという情報を入手し、がっかりする。

7月20日 晴れのち曇のち霧

4:43 太郎平小屋発(2280m, 19.9℃)

登山道
白山を眺めながら歩く
雲海がすばらしい。遠くに白山が見える、起伏のゆるやかな気持ちよい道。

6:40 北ノ俣岳着(2560m, 16.1℃)

ハクサンイチゲ・雪渓・黒部五郎岳
ハクサンイチゲ・雪渓・黒部五郎岳
登り
雪上を登る
この山行最初のメイン・ピークである北ノ俣岳に到着(ぐるぐる写真)。山頂直下に雪が残る。例年より残雪が多いということで、ハクサンイチゲの群落は期待していたほどではなかった。

8:13 中俣乗越着(2415m, 25.8℃)

黒部五郎を見上げる
黒部五郎を見上げる
対向者にコースの様子を聞くと、やはりどこも雪が多いらしい。この人は五郎平 - 三俣山荘の巻道の雪渓で怪我をしたとかで、額に大きなばんそうこうを貼っていた。やはり危ないのだろうか。
黒部五郎がどーんと正面に聳える。それにしてもきつそうな斜面だ。

ガスが湧く

五郎にガスがかかる
五郎にガスがかかる
ガイドブックなどには、黒部五郎は午後になると飛騨側からガスが湧いてくると書いてあるが、この日は9:30にはもうガスが出始めた。
展望がなくなると途端に歩が遅くなる悪いクセが顔を出す。もうばてばて。

10:46 五郎の肩着(2705m, 25.5℃)

飛騨側はガスったが、カールはなんとか見られた。カールに下るなという黒部五郎小舎の警告板がある。

11:05 黒部五郎岳登頂(2770m, 25.6℃)

山頂よりカールを見下ろす
山頂よりカールを見下ろす
360度真っ白。ときたまガスが晴れ、薬師岳やカールが顔を見せる。

11:45 黒部五郎発(2755m, 23.3℃)

稜線ルートから山頂をのぞむ
稜線ルートから山頂をのぞむ
小舎の警告板に従い、稜線ルートをたどることにする。稜線ルートはハイマツこぎと雪のルート。カール内がよく見渡せる。どう見てもカールルートの方が歩きやすく、また、楽しそう。山頂で一緒だった40代くらいの男性2人組と途中で同道したが、彼らはずーっと、「だまされた」「人生うまくいかない」と愚痴っていた。

14:23 五郎平着(2295m, 23.4℃)

残雪
この残雪の向こうは滝状態の道だった
黒部五郎小舎
黒部五郎小舎
雪解け水がもうほとんど滝状態になっている道を下り、五郎小舎に到着。

その夜

三俣山荘への巻道も使えないということなので、計画を修正。今日は五郎平止まりとし、明朝カール見物をして三俣に行き、鷲羽をピストンして新穂高に下山にすることにした。
本日の夕食はマーボナス、ほうれんそうのゴマあえ。
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