NOETB 2015年12月22日
欧州委員会 最終的新規食品規則を発布 リン L. バーガソン及びカルラ・ N. ハットン 情報源:Nano and Other Emerging Technologies Blog, December 22, 2015 EC Promulgates Final Novel Foods Regulation by Lynn L. Bergeson and Carla N. Hutton http://nanotech.lawbc.com/2015/12/ec-promulgates-final-novel-foods-regulation/ 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html 掲載日:2016年1月6日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/151222_NOECTB_EC_Final_Novel_Foods_Regulation.html 欧州委員会(EC)は、2015年12月11発行の欧州連合の官報で最終的な新規食品規則を発表した(訳注1)。この規則の下で、工業ナノ物質を含む食品は新規食品とみなされる(訳注2)。工業ナノ物質とは、”1次元又はそれ以上の次元が100ナノメートル又はそれ以下のサイズを持ち、又は、100ナノメートル以上のサイズを持つかもしれないがナノスケール物質の特性を保持するアグリゲート(aggregate) 又はアグロメレート(agglomerate) (訳注3)を含んで、その多くが1次元又はそれ以上の次元が100ナノメートル又はそれ以下のサイズを持つ内部的又は表面のどちらかに個別の機能的部分を有する意図的に製造された物質”を意味する。 ナノスケール物質の特性は、当該物質の大きな比表面積に関連するもの;及び/又は同じ材質であるがナノサイズでない物質とは異なる特定の物理化学的特性を含む。 同規則は、欧州食品安全機関(EFSA)は新規食品が工業ナノ物質を含む場合には、”それらの安全性を評価するために最も新しいテスト手法が用いられている”ことを確認すべきであると述べている。工業ナノ物質にテスト手法が適用されるときには、申請者はナノ物質のために科学的適切性を、また可能なら、これらの物質の特定の特性に対応してなされた改善又は調整の説明を提供しなくてはならない。 訳注1:EU 新規食品規則
EU 域内で 1997年5月14日以前にヒトによってほとんど摂取されることがなかった食品・食品成分については、「新規食品・食品成分(Novel foods/food ingredients)」として、欧州議会・理事会規則(EC) No 258/977により、流通・販売の認可あるいは通知が必要となる。ナノ材料などの新技術を使った食品も、新規食品・食品成分の範疇に入る。 参考:2014年12月 健康食品調査(EU)(日本貿易振興機構(ジェトロ)ロンドン事務所) 訳注3:アグリゲート/アグロメレート (アグリゲートやアグロメレートは2次粒子とも呼ばれる) 工業用ナノ材 料に関する環境影響防止ガイドライン(環境省) ○ アグリゲート(aggregate) :強く結合した又は溶融した粒子からなるもので、その表面積が個々の構成物の表面積の合計よりもかなり小さな粒子(共有結合や焼結、複雑な物理的絡み合い等の強い力) ○ アグロメレート(agglomerate):粒子及びアグリゲートあるいは両者が弱く集合したもので、その表面積が個々の構成物の表面積の合計とほぼ同じもの(ファンデルワールス力やそれと同様の単純な物理的絡み合いなどの弱い力) 訳注:関連情報
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