欧州労働組合研究所(ETUI)2014年5月23日
欧州ナノ物質登録に関する パブリック・コンサルテーション 情報源:European Trade Union Institute (ETUI), 23 May 2014 Public consultation on a European nanomaterials registry http://www.etui.org/News/Public-consultation-on-a-European-nanomaterials-registry 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2014年6月6日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ETUC/ 140523_ETUI_public_consultation_on_nanomaterials_registry.html 企業・産業総局(DG Enterprise and Industry )は、欧州委員会の影響評価の準備の支援を二つのコンサルタント会社、Lisk & Policy Analysts Ltd. (RPA) 及び BiPRO GmbH に委託した。 欧州委員会はすでに、次の5つの異なる政策オプションからなる影響評価案を作成した。
5番目のオプションは、事業者が、ナノ物質、混合物又は成形品のそれぞれの用途について別々の申告を提出することを求めるであろう。このことは、ナノ物質の川下ユーザーは、新たなナノ物質含有混合物又は成形品を市場に出す時はいつでも、新たな申告を提出しなくてはならないことを意味する。 コンサルテーションは8月5日まで続く。最終的な影響評価は10月までに完了すると考えられている。 欧州労働組合連合(ETUC) は、2008年に採択されたナノテクノロジーとナノ物質に関する欧州委員会の決議の中に全EUにわたる登録を織り込むよう最初に要求し(訳注2)、その後2010年の第二次決議でも再び要求した(訳注3)。 ”生成される情報は、人又は環境の汚染を監視し、またどのような有害影響についてもその責任を特定するのに役立つであろう。政策に関しては、そのような情報は既存の規則を更新するのに役立つであろう”と、ETUI労働条件・健康・安全部門の長、アイーダ・ポンスは2011年に発表された『政策概要』の中で書いた。 国家の取組みはすでにいくつかの加盟国で行われている。フランスはすでに国家ナノ登録を実施中であり(訳注4)、一方ベルギーは、ベルギーの登録制度を確立する法案を通過させる準備ができており、デンマークも同様な計画を発表した(訳注5)。 5月15日に発表された報告書の中で、フランス食品安全・環境・労働機関(Anses)は、あるナノ物質は”人に有害”であり、自然環境にも有害かもしれないと主張し、”遅滞なく導入されるべき強化された欧州の規制の枠組み”及び市場に出されることの”有用性の評価”を要求した(訳注6)。 同機関は、ナノ物質は危険物質に関する欧州CLP(分類、表示、包装)規則の中に含められるべきことを勧告している。 関連情報
訳注1 Public consultation on transparency measures for nanomaterials on the market 訳注2 欧州労連執行委員会2008年6月25日採択 ナノ技術とナノ物質に関する欧州労連決議 訳注3 ETUC 2nd resolution on nanotechnologies and nanomaterials Adopted at the Executive Committee on 1-2 December 2010 訳注4 SAFENANO 2012年3月5日 フランス 2013年にナノ物質の義務的報告を導入 訳注5 NOETB 2013年4月4日 デンマークEPA ナノ物質のための技術情報要求の提案を発表 訳注6 Highlighting the toxicity of certain nanomaterials, ANSES is calling for a stronger regulatory framework |