ZMWG プレスリリース 2011年11月4日
水銀条約交渉 断続的に前進 情報源:PRESS RELEASE ZMWG/EEB, 4 November 2011 Mercury treaty negotiation moves forward in 'fits and starts' 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) Translated by Takeshi Yasuma (Citizens Against Chemicals Pollution (CACP)) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2011年11月7日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/zmwg/INC3/ ZMWG_111104_Press_jp.html 【2011年11月4日 ナイロビ、ケニア】125カ国からの500人以上の代表者が今週、世界的に法的拘束力のある水銀条約の構築を継続するために集まった。ドラフト条約テキストの内容が議論されたが、公益NGOsは重要な管理措置が合理化された新たな条約テキスト中で確実になる様試みた。 ”オプションを狭めるという観点でいくつかの進展はあったが、大気汚染のような重要な問題は暗礁に乗り上げたままである”とゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループの共同コーディネータであるエレーナ・リンベリディセッチモ氏は述べた。長距離移動をするので、水銀の大気排出は世界の魚類供給を汚染し、人の健康と環境を脅かすことに最も影響を与えている。 代表者らは、世界の様々な水銀汚染源について議論した。それらの汚染は、人力小規模金採鉱(ASGM);大気への排出と水及び陸地への放出;製品とプロセス;廃棄物、保管、汚染サイトなどの範囲に及ぶ。 相対的な進展が水銀保管と廃棄物の分野で見られたが、そこでは新たなドラフト条約テキストが次回の政府間交渉委員会(INC)の会合での議論のベースとして合意された。 ”新たな条約テキストは、水銀の保管と廃棄物の安全な管理のための枠組みの開始を提供するものである”とZMWG の共同議長であるマイケル・ベンダー氏は述べた。”しかし我々は、開発途上国での水銀廃棄物の投棄を禁止する進歩的な動きを阻止するように見えるものに懸念を持っている”。 新たなテキストは現在、大量でますます増加する水銀汚染源であるASGMでの水銀使用に対応するための重要な合意を反映している。しかし解決されるべき他の問題点には、どの国が関連条項によりカバーされるのかということや水銀がこの用途のために輸入することができるのかどうかなどの点がある。 製品及びプロセスに関しては、自主的なアプローチに関するオプションが削除されたという事実をNGOsは歓迎した。”そのような分野が規制されるということは重要である”とパキスタンの持続可能な政策研究所の上席顧問であるマムード・クワジャ博士は述べた。”製品から水銀を排除することは水銀汚染拡大を規制する方向に向けての第一歩であり、水銀廃棄物の防止と最小化に向けての大きな前進である”。 今回のINC3では財政に関連する討議が行き詰まったので、次回の政府間交渉委員会会合(INC4)が開催される前に、財政に関する議論を専門家会議で進めることが合意された。UNEPは次回の会合における議論のベースとしてドラフト条約テキストの修正版を準備するよう要請された。 我々の世界のために多国間主義(Multilateralism)が機能しなくてはならない”とフィリピンのバン・トクシックス(Ban Toxics!)のリチャード・グティエレス氏は述べた。”もし、諸国がその立場から抜け出し、我々の世界及び将来の世代と意味のある妥協をしたときにのみ、我々はこれを達成することができる”。 記者へのノート 潜在的に神経毒素である水銀は、世界中の魚類供給を汚染し、特に女性や小さな子どもに特別のリスクを及ぼす。先を見越した水銀条約は世界の水銀汚染に目を向けるであろう。 オリジナル英語版及びその他の言語版が下記ウェブサイトから入手可能である。 www.zeromercury.org 連絡先:
欧州環境局(EEB)、www.eeb.orgは、ほとんどの欧州連合加盟国及び候補/潜在的候補国、及びいくつかの近隣諸国を拠点とする150以上の環境市民組織の連合体である。EEBはヨーロッパ市民の環境の声であり、環境正義、持続可能な開発、及び参加型民主主義(participatory democracy)に立脚している。我々は、欧州連合(EU)が全ての人々に健康な環境と豊かの生物多様性を確実にすることを望んでいる。 |