グリーンピース・ニュース 2006年8月25日
グリーンな電子機器のためのガイド
情報源:Greenpeace News, 25 August 2006
Your guide to green electronics
http://www.greenpeace.org/international/news/green-electronics-guide-ewaste250806

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
掲載日:2006年8月15日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_06/06_08/060825_gp_guide.html


 【インターナショナル】電子機器の主要メーカーは彼らの製品のグリーン度について初めて世界的な検証を受けた。有害物質の使用と電子廃棄物(e-waste)政策に関するランク付けで、デルとノキアだけがかろうじて合格点に達し、一方、アップル、モトローラ、及びレノボ(訳注:IBMのPC事業部を買収した中国の Lenovo グループ)は落第点で最低クラスになった。

 我々のスコアカードは、主要な電子機器メーカーの中で、どの会社が有害な化学物質の排除を最も行っているか、及び、どの会社が自社製品のための最も良いリサイクリング・プログラムを持っているかという点に着目している。

 有害電子廃棄物の量は日々、増大しており、それらはしばしば開発途上国に廃棄されているので、このランク付けは重要である。製品中の有害化学物質を減らすことは製品からの汚染を減らし、リサイクリングをより安全に、より容易に、そしてより安くすることができる。良いリサイクル計画を持つ会社は、彼らの製品がアジアで電子廃棄物の堆積場に投げ捨てられないようにすることに役に立つ。

 ”このスコアーカードは、グリーン化競争のトップを目指すことで電子機器産業のグリーン化を促進するダイナミックなツールを提供するであろう。廃棄された彼らの製品を回収することで、会社は製品中に使用される有害物質を排除するインセンティブを持つであろう。なぜなら、そのことが電子廃棄物の安全な再利用とリサイクリングを確実にすることができる唯一の方法であるからである”−とグリーンピース・インターナショナル有害物質キャンペーン担当イザ・クルスゼウスカは述べた。

 ノキアとデル(訳注1)はランキングで首位を分かち合っている。彼らは製造者として彼らの製品で廃棄されたものは回収して再利用又はリサイクルする責任があると信じている。
 ノキアは、2005年末から携帯電話の全ての新モデルには塩化ビニル(PVC)を使用せず、2007年の初頭から全ての新たな部品は臭素化難燃剤(BFRs)を使用しないとしており、有害化学物質の排除という点で先頭を切っている。
 デルもまた彼らの製品からこれらの有害化学物質を排除するという野心的な目標を設定している。

 第3位はHPで、続いて4位ソニー・エリクソン(訳注:携帯電話/PCカード)、5位サムソン、6位ソニー、7位LGエレクトロニクス(携帯電話、PC、テレビ/オーディオ/ビデオ、家電)、8位パナソニック、9位東芝、10位富士通ジーメンス・コンピュータ、11位アップル、12位エーサー、13位モトローラ、14位レノバ。

 レノバは最下位である。同社は化学物質管理と若干の自主的な回収プログラムで得点したが、全ての基準においてもっと改善が必要である。

 ”アップルが全体としてそのように低い得点であることは残念である。アップルはデザインと販売で世界のリーダなのだから、”環境的革新”においても世界のリーダでなくてはならない”−とクルスゼウスカは述べた。

 このガイドは毎年4半期ごとに更新されるので、各社にはよりグリーンな上位に昇格する機会がある。しかし、もし我々が会社の虚偽、二重基準、又は違法行為を発見したらペナルティとして全体の得点から減点する。現在は、各社がウェブで公表している情報だけに基づいてスコアーをつけている。

 満点が10の中で平均点は4点なので、電子産業がグリーンな産業であると胸を張れるまでにはまだまだ時間がかかることは明らかである。

電子機器へのガイドド(pdf)

 このガイドは、携帯電話及びパーソナルコンピュータの主要製造会社の有害な化学物質の排除に関する世界的な方針と実践、及び消費者が製品を廃棄する時に責任をもって回収することに関し、ランク付けするものである。各社が公表した情報だけに基づいてランク付けがなされた。

ランキング評価基準(pdf)
 ランキング評価基準は、電子機器メーカーに対する”Toxic Tech”キャンペーンの要求を反映している。グリーンピースの二つの要求は、会社は(1)有害物質を排除して製品をきれいにすること。(2)製品が寿命になったら責任をもってそれらを回収しリサイクルすること−である。この二つの課題は関係がる。電子機器中に有害な化学物質が存在すると清貧な廃棄された時に安全なリサイクリングを妨げる。


訳注1:
2006年1月13日/DELLのREACHに対する意見表明/DELLはEUのREACHを基本的に支持する

DELLの化学物質使用方針/予防的措置と代替による製品中の有害物質使用の回避

訳注2:
 電子機器の評価ツールとして、非営利組織−EPEAT, Inc が運営する”EPEAT (Electronic Product Environmental Assessment Tool)”がある。
ES&T 2006年8月9日/電子製品環境評価ツール EPEAT コンピュータも持続可能性自己チェックリストを持った木材製品等の仲間入り



化学物質問題市民研究会
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