ケムセック(ChemSec) 2011年5月5日
フランス下院 歴史的な採決
3つの内分泌かく乱物質のグループを禁止


情報源:ChemSec News, 5 May 2011
Historic vote in France proposes a ban on 3 groups of endocrine disrupters
http://www.chemsec.org/news/news-2011/740-historic-vote-in-france-
proposes-a-ban-on-3-groups-of-endocrine-disrupters


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年5月19日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ChemSec/News/chemsec_110505_France_ban_3_edcs.html

 フランス下院議会は昨日(5月4日)、フタル酸エステル類(訳注1)、パラベン類(訳注2)、及びアルキルフェノール類(訳注3)が内分泌かく乱特性有するという理由で、これら3つの化学物質グループを含む製品の”製造、輸入、販売又は提供”を禁止する法案を採択した。フランス政府による拒絶要求という反対意見があったにもかかわらず、フランス議会は僅差でこの提案を支持した。この法案は上院議会に送られる。

 フランス環境健康ネットワーク(RES)は、プレスリリースの中で次のように述べてこの採決を歓迎した。”ケムセックにより主催されたブリュッセルにおける公聴会で、NGOsは欧州委員会及び加盟国に対し、内分泌かく乱物質への行動に着手するよう強く促していた。この要求に対するフランス議会のこの勇気と分別のある採択に勝るものはない”。

 RESは現在、下院議会の採決を承認するよう上院議会に要求している。”この法案により、議員の皆さんは、内分泌かく乱物質の問題が織り込まれた新たな公衆健康政策の時代を開こうとしている。私たちは、フランス政府と健康当局もまた、このスタートランに着き、このパラダイムシフトを受け入れるのを待ち望んでいる”とRESの代表アンドレ・チコレルはコメントを述べた。


訳注1:フタル酸エステル類
訳注2:パラベン類
訳注3:アルキルフェノール類
  • アルキルフェノール類のホルモン受容体結合作用
  • アルキルフェノール類/水質用語集 アルキルフェノール類は、ベンゼンの水素を水酸基(OH)とアルキル基(CnH2n+1)で置換した化合物の総称で、ノニルフェノールやオクチルフェノールなどが含まれます。アルキルフェノール類の主な用途としては、非イオン界面活性剤(アルキルフェノールエトキシレート)の製造原料、プラスチックの酸化防止剤の原料、塩化ビニールの安定剤原料などがあります。ホルモン作用の疑いがあるといわれており、水質汚濁防止法の要調査項目(300物質)に登録されています。


化学物質問題市民研究会
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