2021年3月に欧州連合はハロゲン系難燃剤を含有するプラスチックケースに収められたテレビとコンピュータの販売を禁止する(訳注1)。EU の行政機関である欧州委員会は、一定の大きさの家庭製品のための新たなエコデザイン基準の一部として、2019年10月1日にこの要求を採択した。欧州消費者組織 BEUC のディレクター・ジェネラルであるモニク・ゴエンスは、ハロゲン系難燃剤を含有する製品の禁止は消費者の健康を守るのに役立つであろうと述べている。
ポリマー構造に結合していないハロゲン系難燃剤はプラスチックから移行することができる。これらの化学物質の多くは、がん、内分泌かく乱、及び有害な発達影響を含む健康影響に関連している。しかし、臭素化化合物を製造する会社を代表する国際臭素協議会(BSEF)は、それをハロゲン系難燃剤の”恣意的で差別的”な禁止であるとして、その動きに強く反対している(訳注2)。
新たな EU 基準は、ひとつには、製品のリサイクル可能性を促進して、廃棄された製品を新製品の原材料にする循環経済に寄与することを意図している。その政策はリサイクルされたプラスチック中に蓄積する有害難燃剤(訳注3)の量を減らすであろうと、アメリカのグリーン科学政策研究所のエグゼクティブ・ディレクターであるアーレン・ブルムは述べている。
訳注1:ハロゲン系難燃剤を含有する電子ディスプレー禁止−関連情報
訳注2:国際臭素協議会(BSEF)が強く反対−関連情報
訳注3:有害難燃剤含有プラスチックのリサイクル−関連情報
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