IPEN Press Release 2015年10月12日
電子廃棄物中の有害難燃剤が
子どものおもちゃにリサイクルされている


情報源:IPEN Press Release, 12 October 2015
Toxic chemicals from electronic waste are recycled into children's toys
http://ipen.org/sites/default/files/documents/PR%20IPEN%20Ewaste
%20chemicals%20in%20children%27s%20toys%2012%20Oct%202015.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2015年10月15日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/POPs/IPEN/
IPEN_151012_Press_Release_flame_retardant.html

 【プラハ 2015年10月12日】 新たな調査(訳注1)によれば、電子廃棄物中の有害な難燃剤が欧州連合(EU)で販売されているプラスチック製の子どものおもちゃにリサイクルされている。EU の6か国で購入された 21個のおもちゃを測定した結果、それらの内 43%が OctaBDE 及び/又は DecaBDE を有意なレベルで含んでいることがわかった。 OctaBDE はストックホルム条約で世界的廃絶としてリストされている。DecaBDE は、”世界的な行動が正当である”と結論付けているストックホルム条約専門家委員会により評価中である。両方の難燃剤は、世界中の環境中に見出され、人のホルモン系をかく乱することができ、神経系の発達と子どもの知能指数(IQ)に有害影響を及ぼすことができる。

 ”有害化学物質は、消費者製品、特に子どものおもちゃにリサイクルされるべきではありません”とアルニカ協会(Arnika Association)の Jitka Strakova は述べた。”有害物質のリサイクルは子どもと循環経済を害します”。

 問題は、OctaBDE 及び関連物質 PentaBDE を含む材料のリサイクルを 2030 年まで許すストックホルム条約にある(訳注2)。 DecaBDE についても同様な有害リサイクル方針を勧告するかどうかについての決定が 、専門家委員会である第11回残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC11)(2015年10月19日〜23日)で決定されるであろう。

 2011年に残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC)は有害物質のリサイクルに対して警告し、”ポリ臭化ジフェニルエーテル(BDEs)を可能な限り迅速にリサイクルの流れから廃絶する・・・”よう諸国に勧告した。この勧告にもかかわらず、少数の国が来たるべき POPRC 会合で DecaBDE リサイクル規定の免除を勧告する可能性を示唆している。

 ”残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC)は、 DecaBDE の有害リサイクルは避けるべきであると明確に述べている今回の DecaBDE 文書案に賛成すべきである”と、IPEN のジョー・ディガンギは述べた。”家庭で子どもを害することに加えて、 DecaBDE は廃棄物を扱う能力がない発展途上国で投棄される可能性がある。それは受け入れることはできない”。

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更なる情報:
New Study: Toxic toy or toxic waste: Recycling POPs into new products
http://ipen.org/documents/toxic-toy-or-toxic-waste-recycling-pops-new-products

Info Graphic: Toxic Recycling: POPs in Recycled & New Products http://ipen.org/sites/default/files/pictures/Toxic-recycling-POPs-in-new-and-recycled-products_0_0.jpg

 IPEN は、有害物質を廃絶するために活動する100か国以上700以上の公益組織の世界的ネットワークである。
www.ipen.org  twitter: @ToxicsFree

Contacts:
Jitka Strakova, Arnika Association
jitka.strakova@arnika.org
+420 777 266 386

Bjorn Beeler, IPEN
bjornbeeler@ipen.org
+46 3179 99 474
+1 (510) 710-0655

訳注1
 ・2015年5月 Arnika Association/IPEN 共同報告 有害なおもちゃか、有害廃棄物か: 新しいプラスチックに古いPOPs 政策決定者のための概要

訳注2
 ・国際環境法センター(CIEL)2009年5月11日 9化学物質がPOPs条約に追加 しかし免除がある



化学物質問題市民研究会
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