内分泌学会プレスリリース 2016年3月1日
欧州委員会の保健衛生・食の安全担当委員が
内分泌学会メンバーと内分泌かく乱化学物質に関して会談


情報源:Endocrine Society Press Releases March 1, 2016
European Commissioner for Health and Food Safety Meets
with Endocrine Society Members on Endocrine-Disrupting Chemicals
https://www.endocrine.org/news-room/current-press-releases/
european-commissioner-for-health-and-food-safety-meets-with-endocrine-society-members


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2016年3月4日
このページへのリンク
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/Int/
160301_END_EC_Meets_with_Society_Members_on_EDCs.html


内分泌学会は公衆の健康への脅威があるので EDCs の優先化を強く主張

 【ブリュッセル、ベルギー】 昨日、欧州委員会の健康・食品安全担当委員ヴィテニス・アンドリュカイティスは、内分泌かく乱物質を特定するための基準を開発するための欧州委員会のプロセスに関して内分泌学会のメンバーと会談し、メンバーは科学的専門性に基づく意見と懸念を述べた。

 内分泌かく乱化学物質(EDC)はホルモン作用のどのような部分をも阻害することがあり得る環境中に存在する化学物質またはそれらの化合物である。

 内分泌学会のジャン=ピエール・ブルギニオン博士 、レミー・スラマ博士 及びレオナルド・トラサンド博士は、EDCs は公衆健康の重大な脅威であること、及び政府は不可逆な影響から脆弱な集団を保護するために規制を設計する必要があることを示す内分泌学会の新たな科学的声明 (訳注1)の重要な点を説明した。

 さらに、彼らは、EDCs についの不作為、あるいは不適切な措置、あるいは不適切な規制から生じる著しいコストを強調した。最近の研究は、EDC 暴露による健康影響は、年間1,570億ユーロ(約20兆円)のコスト負担を欧州連合にもたらすことを示している(訳注2)。

 内分泌学会は以前に、EDCs を特定するための EU ロードマップ・オプションの議論に加わり、内分泌学会の代表者らが EDCs の定義のための科学に基づく基準について議論し、なぜ効力カットオフ基準(potency cut-off)が内分泌科学と調和しないか、及びハザード特性化のために不適切であるかを説明した。内分泌学会は、基準として効力を含まないロードマップのオプション 3 を支持し、証拠のレベルに基づく複数階層分類を提案した。

 内分泌学会は、内分泌かく乱化学物質への暴露にますます関連する患者の生涯に及ぼす影響について深く懸念している。内分泌学会は、EDC 特定の最終結果と引き続く規制プロセスが効果的に公衆の健康を守ることを確実にするための EU の取り組みに対して科学的専門性を影響し続けるであろう。

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 内分泌学者は、糖尿病や肥満から不妊、骨の健康問題、及びホルモン関連のがんなど、現在最も緊急の健康問題を解決する中心にいる。
 内分泌学会は、ホルモン研究に専念する科学者とホルモン関連の病気をもつ人々を診る医師の世界最古で最大の組織である。
 2016年に100年記念を祝う本学会は、122か国からの科学者、医師、教育者、看護師、そして学生を含む18,000 人以上の会員を擁する。
 本学会と内分泌学の分野についてもっと知るためには、我々のウェブサイト www.endocrine.org を、またツイッター @TheEndoSociety 及び @EndoMedia をフォローいただきたい。


訳注1
内分泌学会プレスリリース 2015年9月28日 化学物質への曝露は糖尿病と肥満のリスク上昇に関連する 内分泌かく乱化学物質に関する科学的声明(EDC-2)

訳注2
内分泌学会 プレスリリース 2015年3月5日 内分泌かく乱化学物質の推定費用 EU で年間 1,500億ユーロを越える


化学物質問題市民研究会
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