HEAL 2017年4月24日
欧州委員会が、内分泌かく乱物質(EDCs)に関して 新たに進展することは不可能である 情報源:Health and Environment Alliance (HEAL), 24 April 2017 European Commission is unable to turn the page on endocrine disruptors (EDCs) http://www.env-health.org/news/latest-news/article/ european-commission-is-unable-to 訳:安間 武(化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2017年5月7日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/ 170424_HEAL_EC_is_unable_to_turn_the_page_on_EDCs.html 2017年4月7日、欧州連合加盟国の代表者らは、再度、内分泌かく乱化学物質(EDCs)を特定するための現状のプロセスを討議するためにブリュッセルで会合を持った。その会合は、EDCs の特定のための基準に関して加盟国から合意を得るために欧州委員会によってなされた、多くのうまくいかなかった試み(訳注1)のうちの最新のものであった。 EU の法律は、EDC 特性を持つ農薬と殺生物剤は、ある特例の適用除外はあるが、認可されるべきではないと規定している。今回、殺生物剤委員会専門家グループという形で会合を持った加盟国と欧州委員会の代表らは、EDCsを特定するための科学的基準に関する行き詰まりを打破することを試みた。 ホルモンかく乱物質とも呼ばれる EDCs の特定に関する欧州委員会の提案は、EDC フリー連合による批判も含めて、厳しく批判されており、現在までの所、加盟国の中で議決に要する定足数を集めることができていない。 内分泌系の研究に専念している最古で最大の科学会である内分泌学会から欧州委員会委員長への最近の書簡は、現在の提案は、”科学に基づくとは言えない”という懸念を表明し、提案された基準は目的に適合させるために、効果的でも、効率的でも、一貫性のあるものでもないと強調した。(訳注2) 欧州委員会は、会合の結果として、もう一つの提案作成の作業を続けることを約束した。この新たな提案は、殺生物剤委員会専門家グループのもう一つの会合の基礎をなすことが期待される。会合の期日はまだ発表されていないが、 EDCs はフランスにおける大きな政治的論争の中心なので、フランスの選挙の前に行われることはなさそうである。 EDC フリー連合は、高品質で科学的に適切な基準の採択の、さらなる遅れは健康に影響を及ぼすと繰り返し警告してきた。内分泌かく乱物質は我々の環境中のいたる所に存在し、我々の全てに影響を及ぼすので、我々は効果的な暴露削減のために今、行動を起すことが必要である。 ホルモンかく乱化学物質に関するブリュッセルにおけるプロセスはヨーロッパ全土で多くの注目を浴びている。公衆の健康と環境の保護に関する懸念を示すために、336,000 人以上の市民が加盟国に欧州委員会の EDCs に関する提案を拒絶するよう求める書面に署名した。 何ができるかを知りたければ ホルモンかく乱化学物質に関する強い立法のための戦いは、まだまだ続く! 我々の政府に圧力かける時間はまだる。あなたができることについていくつかのアイディアがある。
訳注1:関連情報 Connexion news 2017年3月1日 EU は再び農薬中のホルモンかく乱物質を禁止する方法に同意することに失敗 訳注2:内分泌学会からECへの書簡 内分泌学会 2017年4月2日 内分泌学会から欧州委員会委員長ユンケルへ及び第一副委員長テインメルマンスへのEDC 基準提案に関する書簡 |