Connexion news 2017年3月1日
EU は再び農薬中のホルモンかく乱物質を
禁止する方法に同意することに失敗


情報源:Connexion, France. 1 march 2017
EU fails again to agree way to ban hormone disruptors in pesticides
By Lama Hodeib
https://www.connexionfrance.com/index.php/French-news/
EU-fails-again-to-agree-way-to-ban-hormone-disruptors


訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2017年3月23日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/170301_Connexion_EU_fails_again
_to_agree_way_to_ban_hormone_disruptors_in_pesticides.html


 欧州議会が農薬、殺生物剤、及び化粧品中に存在する内分泌かく乱物質の定義に合意することに3度目も失敗して、日常使用の化学物質の量を削減したいとする希望は打ち砕かれた。

 これらのホルモンかく乱物質は、化粧品、皮膚の角質落し、マニキュア液、そして赤ちゃん用クリームの中にすら存在するということを示す報告書とともに、それらを禁止するよう求める数多くの声があるにもかかわらず、EU 諸国は彼らが禁止しようとしているものが何なのかを正確に知ることを望んでいる。

 植物、動物、食品、及び飼料に関するEU 常任委員会は昨日、そのような化学物質を特定する科学的基準を定義することが期待されていたのに、またもや合意に達することができなかった。

 もし合意に達していれば、欧州議会議員(MEPs)は、がん、不妊、出生障害、肥満、糖尿病、及び発達障害をもたらす化学物質について、それらの使用に関する規則を設定し、赤ちゃん、子ども、そして成人に及ぼす潜在的な危害を防ぐことができたであろう。

 昨年(2016年6月)になされた前回の提案(訳注1)は、ホルモン変化だけでは、農業及び他の製造プロセスにとって重大事である農薬の使用を禁止するのに十分な証拠にならないと主張する議員らによって批判された。

 ある者はまた、農薬は植物を害するバクテリアを殺し、そのことは人間の健康を守ることになり、その反対ではないと主張した。

 欧州委員会は昨日の失敗を認めたが、その化学物質が健康を害することができることを証明する方法を調査し続けるであろうと述べた。”進捗は得られた。我々は今後どのように進めるかに関して反映するであろう”と報道官エンリコ・ブリビオは述べた。

 フランスは、EUで唯一の国として2015年にプラスチックの製造に使用される化学物質であるビスフェノールAの使用を禁止したので、内分泌かく乱物質に対する戦いのリーダーであると見なされている(訳注2)。

 フランスを含む欧州諸国の大部分は、欧州委員会によって提案された定義は、厳格過ぎると述べた。

 反化学物質・モルモット世代協会の サンドリーヌ・グラスは、問題は欧州委員会が、”(内分泌かく乱物質を)定義する前に農薬の使用を禁止することを目指したことである”と述べた。

   しかし、彼女は、それらは人の健康に危害を与えるという単純な理由で禁止されなくてはならないと確信している。

 彼女は、”定義が設定されるまで、内分泌かく乱物質を含む製品の使用を削減しなくてはならない”と付け加えた。

 グラスは、”製品は完全に健康的であるとは限らない。もし欧州連合が化学物質の使用の禁止に合意すれば、その規則に従わない輸入品が市場に向かおうとするであろう。しかし削減は価値がある”。

 消費者団体 UFC ク・ショワジールは先月、日用品に関するテストの結果を発表し、それらが潜在的に有害な化学物質を含むかどうかを示した。完全なリストはク・ショワジールのウェブサイト(フランス語)で見ることができる。


訳注1:2016年6月15日の欧州委員会提案とそれに対する批判
訳注2:フランスのポジション
訳注:関連記事



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