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デュリュフレのレクイエム

(98/9/9作成)
(14/9/27追記)


 モーリス・デュリュフレ(19021986)のレクイエムは、フォーレのレクイエムと全く同じテキストで曲が構成されています(ただし、フォーレは「Offertoire」で一部の歌詞を削除)。また、作曲の技法としては、グレゴリオ聖歌に和声付けをするというユニークなもので、最近のグレゴリアン・ブームともあいまってとみに人気が出てきています。
 フォーレの場合とは異なり、デュリュフレはフルオーケストラヴァージョンを最初に作っており、色彩感やダイナミックレンジははるかに大きなものになっています。その後作曲者自身の手により2種類の異なる楽器編成による異稿が出版されています。それぞれのCDをご紹介しましょう。
 最近の研究によって、この作品はナチ占領下のフランス政府によって委嘱されていたことが明らかになっています。初演は1947年11月2日に、戦没者の追悼のために作られたほかの2つの作品と一緒にラジオ放送という形で行われました。その時の演奏はロジェ・デゾルミエール指揮の「国立大管弦楽団」と放送合唱団(合唱指揮はイヴォンヌ・グーヴェルネ)、ソリストはエレーヌ・ブーヴィエ(MS)、カミーユ・モーラン(Bar)、アンリエット・ロジェ(Org)です。
(参考)James E. Frazier:MAURICE DURUFLE/THE MAN AND HIS MUSIC(Eastman Studies in Music, University of Rochester Press /2007)



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