La nativite

The Nativity
キリスト降誕

Nativite (Novgorod)
 
キリスト降誕とは
 
 キリスト降誕は聖書では、マタイ・ルカの両福音書で詳しく述べられている。ここで描かれるのは幼子イエス、マリア、ヨセフ、三人の博士(マタイによる福音書)、そして羊飼いたち(ルカによる福音書)である。
 
構図の特徴は
    
 イコンでは、中央に小高い岩場を配し、そのさらに中央部に開いた黒い洞が描かれる。その洞の内部には飼い葉桶に寝かされた幼子イエス(頭は右側)が寝かされ、2匹の牛(左が白、右が茶)が(頭部のみ)描かれる。全身を濃い紫の衣類にくるまれたマリアがその前景に斜めに赤い敷物の上に身を横たえている(通常、右上を頭、で足は左下)。
 中央の小高い岩場に左側から上がってくるのが、3人の博士である。岩山の右側には御使いが羊飼いたちにキリストの生誕を告げている。
 ヨセフ(老人である)は左下に(しばしば右下)、しゃがんだ状態で左手を頬に当てた姿で描かれる。
 
聖書では
 
 ”イエスがヘロデ王の代に、ユダのベツレヘムでお生まれになったとき、見よ、東からきた博士たちがエルサレムに着いて言った、 「ユダヤ人の王としてお生まれになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みにきました」。ヘロデ王はこのことを聞いて不安を感じた。エルサレムの人々もみな、同様であった。そこで王は祭司長と民の律法学者達とを全部集めて、キリストはどこに生まれるのかと、彼らに問いただした。彼らは王に言った、「それはユダヤのベツレヘムです。預言者がこうしるしています、
 『ユダの地、ベツレヘムよ、おまえはユダの君たちの中で、決して最も小さいものではない、おまえの中からひとりの君が出て、わが民イスラエルの牧者となるであろう』」。
 そこで、ヘロデはひそかに博士たちを呼んで、星の現れた時について詳しく聞き、 彼らをベツレヘムにつかわして言った、「行って、その幼な子のことを詳しく調べ、見つかったらわしに知らせてくれ、わたしも拝みに行くから」。彼らは王のいうことを聞いて出かけると、見よ、彼らが東方で見た星が、彼らより先に進んで、幼な子のいる所まで行き、その上にとどまった。彼らはその星を見て、非常な喜びにあふれた。そして、家にはいって、母マリヤのそばにいる幼子に会い、ひれ伏して拝み、また、宝の箱をあけて、黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげた。そして、夢でヘロデのところに帰るなとのみ告げを受けたので、他の道をとおって自分の国へ帰って行った。”(マタイによる福音書 2:1−12) (c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1954,1955

 ”そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た。これは、クレニオがシリヤの総督であった時に行われた最初の人口調査であった。人々はみな登録をするために、それぞれ自分の町へ帰って行った。ヨセフもダビデの家系であり、またその血統であったので、ガラリヤの町ナザレを出て、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。それは、すでに身重になっていたいいなづけの妻マリヤと共に、登録をするためであった。ところが、彼らがベツレヘムに滞在している間に、マリヤは月が満ちて、 初子を産み、布にくるんで、飼葉おけの中に寝かせた。客間には彼らのいる余地がなかったからである。
 さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照らしたので、彼らは非常に恐れた。御使は言った、「恐れるな、見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。 きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生まれになった。このかたこそ主なるキリストである。あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」。 するとたちまち、おびただしい天の軍勢が現れ、御使と一緒になって神をさんびして言った、
 「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」。
 御使たちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼たちは「さあ、ベツレヘムへ行って、主がお知らせ下さったその出来事を見てこようではないか」と、互いに語り合った。そして急いで行って、マリヤとヨセフ、また飼葉おけに寝かしてある幼な子を捜しあてた。彼らに合った上で、この子について自分たちに告げ知らされた事を、人々に伝えた。 人々はみな、羊飼たちが話してくれたことを聞いて、不思議に思った。 しかし、マリヤはこれらの事をことごとく心に留めて、思いめぐらしていた。羊飼たちは、見聞きしたことが何もかも自分たちに語られたとおりであったので、神をあがめ、またさんびしながら帰って行った。”(ルカによる福音書 2:1−20) (c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1954,1955
 
キリスト降誕を描いた代表的なイコン

(参考)キリスト降誕を描いた著名な絵画  
本ページの表記は整理の都合上、フランス語、英語、日本語の順になっています。フランス語に付いてはアクサン等が、Shift_JISによる日本語と同時に表示不能な為、省かれています。読みにくいかと思われますが、ご容赦を。


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