また、この伝承はギリシャ神話のヘリオスの太陽の戦車と極めて似ている。エリヤの「火の戦車」はヘリオスの「太陽の戦車」にあたる。また、エリヤの名前自体もヘリオスとスペル・発音ともに類似している。
ロシアにおいては、エリヤにはルーシ古代からの伝承の神「ペルーン」の要素が取り込まれ、農耕の守護とされている。
構図の特徴は
イコンでは、天使に導かれた火の馬(四頭程度)が引く火の車にエリヤが乗っている。外套(または巻物)を弟子のエリシャに渡している。構図下方に川が描かれることがある。
聖書では
”彼らが進みながら語っていた時、火の車と火の馬があらわれて、ふたりを隔てた。そしてエリヤはつむじ風に乗って天にのぼった。エリシャはこれを見て「わが父よ、わが父よ、イスラエルの戦車よ、その騎兵よ」と叫んだが、再び彼を見なかった。
そこでエリシャは自分の着物をつかんで、それを二つに裂き、またエリヤの身から落ちた外套を取り上げ、帰ってきてヨルダンの岸に立った。そしてエリヤの身から落ちた外套を取って水を打ち、「エリヤの神、主はどこにおられますか」と言い、彼が水を打つと、水は左右に分かれたので、エリシャは渡った。
エリコにいる予言者のともがらは彼の近づいて来るのを見て、「エリヤの霊がエリシャの上にとどまっている」と言った。”(列王紀下2:11−15)
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1954,1955
を描いた代表的なイコン