野山の鳥(野原)

那須野が原の原野に集う野鳥に、レンズを向けてみました。

薔薇色の魅力(2023.01)

 職場のイベントに来てくれた鳥好き少年A君に、那須で見られるちょこっと珍しい冬鳥ハギマシコ(萩猿子)を紹介しました。「地味だけどかわいらしい小鳥です」と写真を見せたら、図鑑を出して確かめたり、オスかメスか聞いてきたりして、俄然興味を持ってくれました。居合わせたお母さんも「きれいな鳥ですね」と言ってくれました。小鳥をめぐるうれしい一時でした。左は淡い色合いのメス、右は少しメリハリのあるオスです。翼やおなかの薄紅色がチャームポイントで、「萩」の由来です。ちなみに英名は意外に派手で「Rosy Finch(薔薇色のアトリ)」というそうです。

「ひばり独唱」(2022.05)

那須に広がる草原ステージで気持ちよく囀っていました♪。歌姫「ひばり」のようですが、もちろんオスの縄張り宣言です。

「ナスノキジヤマドリ」続報(2022.03)
〜雪の中でも凜々しく〜

 2月上旬に那須町で見つけた、キジとヤマドリの交雑種と思われる個体の続報です。3月になってからも数回確認し、ご覧のように雪中でも凜々しい姿を見せてくれました。

勝手に命名しますm(._.)m
〜ナスノキジヤマドリ〜(2022.02)

 首から上の頭部はキジのオスのようで、胸部以下はヤマドリのオス に似ている「見たことのない鶏(とり)」は、その後も観察することができました。この時も元気に休耕田で餌をついばんでいました。羽の色など似ている点から見れば、ヤマドリの方が近そうですが、動きや生態はほぼほぼキジのオスです。鳥類に詳しい知人に尋ねたところ、キジとヤマドリとの交雑種ではないかとの見解でした。もちろん、滅多にはお目にかかれない鳥には違いありません。「キジとヤマドリのハーフ」という名前ではかわいそうなので、このHP上だけでも勝手に「ナスノキジヤマドリ」と命名してあげようと思います。今後も継続して観察し、状況によってはその様子を報告します。

キジ?ヤマドリ?
〜見たことのない鶏(とり)〜(2022.02)

 那須町の余笹川に近い休耕田で、これまで見たことのない珍しい鶏(とり)を見つけました。形状からキジ目キジ科の鳥だろうとは思います。ご覧のとおり、首から上はキジ(キジ属)のオス、首から下はヤマドリ(ヤマドリ属)のオスに似ています。近くで紛れもない本物のキジのオスが「ケーン」と鳴くと、それには機敏に反応して「クワックワッ」と鳴いたので、生態的にはヤマドリよりもキジに近いのかもしれません。専門家の方にお願いしてみようかと考えています。

野鶲「秋の装い」
(2021.09)

 穂が垂れる稲田で野鶲(ノビタキ)のメス(左)を見つけました。場所が場所だけにスズメに似ていますが、少し違いますね。まあ、秋の風景に似合う色合いではあります。ノビタキは夏鳥で標高の高い高原などで繁殖します。この時期に南に渡っていくので、その旅の途中なのでしょう。オスの夏羽は白と黒のツートン(右:6月撮影)なのですが、冬羽は劇的にイメージチェンジしてメスと同じようになります。

草原の歌い手〜カッコウとホオアカ〜(2021.06)

 梅雨時の那須高原も乙なものです。一面に広がる牧草地は瑞々しい緑とともに、野鳥たちの鳴き声でも覆われます。この日は早朝から、オオヨシキリ、セッカ、ヒバリなどがひっきりなしに自分の持ち歌(囀り)を披露していました(単調なリフレーンですが・・)。それぞれお気に入りの持ち場があって、大抵は草木の梢などで熱唱しています(そういう場所をソングポストと言うそうです)。写真は、自分の歌声に絶対的な自信がありそうなカッコウ(左)と草原が大好きで離れられないホオアカ(右)です。

「しだり尾」の魅力(2021.04)

 4月1日、令和3年度の幕開けです。よろしくお願いします。この日の通勤途中、林に囲まれた田んぼで赤銅色の美しい鳥が餌をついばんでいました。ヤマドリのオスです。キジの仲間ですが、普段の生活圏は薄暗い林中でキジほど見かけることもなく、かなりシャイな性格なので、野生の個体を、しかもオープンスペースで観察できるのはラッキーでした。 今年度は何か良いことがありそうです(コロナが収まるとか・・)。
 柿本人麻呂の超有名な歌、「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む」(『万葉集』)にもあるように、確かに長い長い「しだり尾」でした。80pほどはあったでしょう。「じゃまにならないのか」と余計な心配をしてしまいますが、この長さがメスを引きつける魅力なのかもしれません。この時は「ひとり」でしたが・・。

恋の季節(2021.03)

 3月下旬、那須のキジやヤマドリにも、恋の季節が訪れていました。左上はキジのオス同士のにらみ合い、上はメスへの猛烈なアピール(メスは逃げ回っていましたが・・)。左はヤマドリのオス、「ひとりかも寝む」の様相ですが、少し離れたところにはちゃんとメスが3羽ほどたむろしていました。

 長元坊の「殿様ランチ」

 11月半ばの晴れた昼下がり、余笹川沿いでチョウゲンボウ♀を見つけました。ハヤブサの仲間ですが、ハヤブサよりは小型(全長約30p余)で、急展開やホバリングが得意です。名前も鳥の名称とは思えず、修行僧か小僧のようで(由来はトンボの方言やお坊さんの名前など諸説あるそうです)、ユニークです。
 この時は、電柱のテッペンにとまって何かを食べていました。チャチャっと簡単に食べ終えると、河川敷に降りて獲物を狩り、同じ電柱で食べ始めました。それを数度繰り返しました。小鳥やネズミだったら、もっと時間をかけて食べるだろうにと不思議に思って、よくよく観察してみると、この昆虫(下)を食べていたようです。そう、トノサマバッタ(全長約6p)です。「坊主」が「殿様」を食べていました。怖い昔話に出てきそうなモチーフです。

 
トビ(鳶)の雄姿(2020.8)

 那須高原に広がる牧草地では時折大型機械でそこに生い茂った草が刈り取られます。そういう時は、決まってどこからかトビが十数羽群がって集まります。獲物となる小動物などが簡単に見つけられるからでしょう。集まってはきますが、密を避けて「とびとび」に降り立ち、物色していました。休憩は、写真のとおり、近くの枯木にとまってくつろいでいました。当たり前ですが、トビもよくよく見ると、その姿形はやはり猛禽ですね。日に映えて、雄々しく見えました。

初夏の草原で(2020.6)

 一面緑に覆われた那須の草原で、ホオアカが元気良くさえずっていました。梅雨の鬱陶しさを忘れさせてくれる音色です。地表近くでは、最小の赤とんぼが羽化して、飛び回ったり、草の葉にとまっていたりしていました。全長2pほどのハッチョウトンボです。どちらも、草原の初夏の風物詩です。

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