フクロウ(樹洞)

大木の樹洞がフクロウ本来の繁殖場所です。しかし、繁殖場所の確保は年々難しくなっています。

春を感じて、こっそりと、ひっそりと(2014.3)

3月初旬、まだ肌寒い頃から、那須塩原市北部のフクロウは本格的な繁殖行動に入ります。まずは、安心して産卵と育雛ができそうな場所、巣を決めます。写真はサクラの古木の樹洞で産卵・抱卵しています。実は3週間前に観察した時は、この樹洞にはムササビが丸くなって寝ていました。多分、それを追い払って乗っ取ったのでしょう。春を感じて、こっそりと子育てを始めます。順調ならば、4月初旬には卵が孵り、5月初旬にはヒナが巣立ちます。

フクロウの育雛(2013.04)

 大田原市北部の杉林に残されたケヤキの大木では、毎年フクロウが人知れず繁殖しています。樹洞ではなく、幹が3つに分かれた又の部分が巣です。上の左は、分かりにくいかもしれませんが、親フクロウがヒナをあたためているところで、顔が半分見えます。右は、親が巣を離れた時に見えたヒナです(約15p)。その向こうにも1羽見えたので、2羽は育っていました。屋根がない巣なので、雨が降った時は大変です。でも晴れた時は、直接太陽の光が巣の中に差し込みます。もちろんフクロウは暗所が好きなのですが、仕方なく日の光を浴びるとどうなのでしょう。気持ちがいいのか悪いのか、聞いてみないと分かりませんね。ここのフクロウは毎年比較的早く産卵します(3月初め)。ヒナの育ち具合からすると、5月早々には巣立つでしょう。

フクロウの抱卵(2013.03)

 那須塩原市北西部の杉林に残された桜の古木でフクロウがひっそりと繁殖していました。樹洞があまり深くないので、親フクロウの顔が半分見えます。冬が終わり、春が巡り来ると、野の生きものたちの多くは次の世代に命をつなぐため、自分の身を危険にさらしながら、子育てに没頭します。親フクロウの献身的な育児が順調に行けば、ヒナたちはすくすくと育ち、5月半ば、青葉若葉の季節に、無事に巣立っていくでしょう。

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