インカの旅


ペルー


ボリビア編へ
トランジット

2000.3.7-18



リマ-セントロ


リマのアルマス広場にあるカテドラル
ここには、南米征服者のスペイン人、ピサロの遺体(ミイラ)がある。この近くのサンフランシスコ教会の地下にあるカタコンベには2万人を超える人骨が収められていた。ミイラ、人骨などを保存して展示するというのは、インカの影響と思われる。スペイン人によって伝えられたカトリックだが、インカ人はそれをそのまま受け入れるのでなく、インカ風にアレンジをしたそうである。
そう言えば、クスコのカテドラルには最後の晩餐の画があるが、その皿にのっているのはクスコ料理のモルモットである。 ペルーを語るときに、宗教は欠かせない。







リマ-ミラフローレス


Limaの新市街にある恋人たちの公園の像。
最近出来たものだが、新たな名所になっている。しかしまあ、ちょっと日本では考えられない大胆な像だ。 海岸線にはショッピングセンターがあり、おしゃれな店が沢山ある。
リマの治安は近年非常に改善しているらしく、新市街ミラフローレスに関しては全く危険を感じなかった。
安宿、インターネットカフェ等、ミラフローレスのほうに移動してきている。リマのこれからの発展は、ミラフローレスにあるだろう。 セントロにしても、ミラフローレスにしても、人の集まるところには必ず警官が沢山いて、目を光らせている。ペルーとして観光に力を入れているのは良くわかり、一昔前とはかなり変わっているようだ。





ナスカ



ナスカの地上絵ツアーは、ナスカの飛行場から4−6人乗りのセスナでの30‐40分間の遊覧飛行である。しかし、地上絵はご覧のように、飛行機から判別するのは極めて難しい(実際は写真よりはもっと判別できるが)。人によっては飛行機酔いで地上絵どころではなかったという話も聞く。
地上絵を見るだけならテレビや絵葉書のほうがはるかに良い。しかし、そんなことを言ったら、旅行はすべてそうだろう。今回のナスカツアーも、ナスカに行き飛行機にのり、自分の目で確かめたことに意味がある。 やらずに後悔するか、やって後悔するか。私は迷わず後者の立場である。
因みに、ナスカにはミラドールという地上絵を見るための塔もある。







インカの墓

Cementerio de Chaucilla ナスカにある別名「インカの墓」である。ナスカの街からバスで30分ほど行った砂漠地帯にある。雨はめったに降らないので、現在まで保存されているのだが、盗掘やまれに降る雨のため、年々くずれているらしい。実際、墓を回っていく順路の回りには、人骨があたりまえのようにあちこちに散らばっている。
墓にはミイラが数体と同時に埋葬された副葬品がある。当然ながら、金、銀、財宝は持ち去られている。
しかし、死者(ミイラ)や遺骨に対する距離の近さというのはインカ独特のものであろう。ただ、死というものは本来そういうものなのかもしれない。






クスコ

クスコはもとのインカの都であり3360mの高地に存在する。 周囲にはサクサイワマン、ケンコー、プカプカラ、タンボマチャイなどの遺跡があり 、半日のツアーで市内の見所と合わせて回ることができる。
インカの遺跡は精巧に作られた石壁で有名であるが、 写真はなんと12角の石を使ったインカの石壁である。カミソリ一枚とおさないとは本当であった。 あえて困難な12角の石をつかったところにインカの技術への誇りが感じられる。
同様の石壁はサントドミンゴ教会で見ることができる。サントドミンゴ教会は、 インカを征服したスペイン人の手により、インカの神殿コリカンチャの上部を壊して作られた。 しかし、後の地震により上部はあっさり壊れたが、その土台は残ったというのは皮肉である。
寸分の隙間もないあわせ方、内部でのかみ合わせなど、それもうなずける技術である。



マチュピチュ、ラクチ


いわずと知れた空中都市マチュピチュ。標高2280mの山の頂上に存在する。見れば単純にその遺跡に感動する。
写真に写っている雲を見れば、その高さがわかるだろう。隣にある山、ワイナピチュからの眺めもまた最高である。 しかし、登るのはちょっと骨が折れる。なにせ空気が薄いし、階段は急だ。 標準時間は1時間。我々は35分で登ったが、現在までの記録はケニア人が作った7分だそうだ。すごすぎる。
遺跡自体はインカにはよくある石壁である。(それ自体も素晴らしいが、同レベルのインカの遺跡は他にも沢山ある)しかし、そこに至る道のりを考えると気が遠くなるものがある。あれだけ険しい山の頂上に、人力で下から石を持っていったというのだから。しかもそれをあっさり捨てて、どこか他の場所に真のビルカバンバを作ったらしい。まだ見ぬ空中都市も見てみたいものだ。

CuzcoからPunoは高山列車が有名だが、実はバスでも快適である。現在はこの区間は完全に舗装されているため、私の行ったのは3月で雨期であるにもかかわらず、所要時間は8時間程であった。おそらく高山列車より早いだろう。
途中、クスコから110kmの地点にあるインカの遺跡の一つRaqchiによった。ここは、あまりメジャーではないが、5km四方を城壁で囲まれて規模はマチュピチュよりも大きい。中心にYanacanchaという寺院があり、周囲に住居跡、100数十をこえるサイロの跡などがある。行きにくいこともあり観光地化されてない。隠れた穴場である。
Cuzco-Puno間の最高地点、La Rayaは4335m。こんなところをバスが通っているのも、よく考えれば大変なことである。